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Round ZERO ~ JOKER DISTRESSED(後編) ◆HlLdWe.oBM 「インテグラ卿!!!」 ギンガの叫びが幾重にも重なった深い煙の中に虚しく響く。 どういう原理か知らないが校庭周辺に漂っている煙の量は半端ではない。 ガジェットに施されたランブルデトネイターによる爆発によって発生した爆煙。 広い校庭の細かな砂が爆発によって舞い上がった事で発生した土煙。 さらにガジェットが爆発した付近には体育倉庫があり、その中にはどこにでもあるようなラインパウダーが保管されていた。 それがガジェットの爆発に巻き込まれて周囲に拡散する始末となった。 つまり現在校庭付近に限定するなら3重もの煙幕が展開されて視界はほとんど防がれている状態。 この異常事態の確かな原因をギンガは知らないが、最悪の状況である事は確かだ。 インテグラはもちろん、膠着状態だった弁慶・カリス・ギンガ・ギラファの4人も爆発の影響で離れ離れになってしまった。 つまり現状誰がどこにいるのかさっぱり分からない状態なのだ。 「インテグ――ッ!」 ギンガはあらん限りの声を上げてインテグラを呼び掛けていたのだが、そこで唐突にある可能性に気付いた。 この状態では目に頼った捜索は困難を極める。 では目に頼らなければどうするか。 答えは耳。 周囲の音から物事を判断する事が自然と重要になってくる。 そしてそんな中で声を上げるという事は自分の居場所を相手に教えるという事に他ならない。 この場所にいる者がインテグラだけなら大して問題ではないが、実際は違う。 ここには始と戦っていたアンデッドと僧侶姿の大男がいた。 そんな危険人物のいる中で自らの居場所を教えるなど少々浅はかである。 (危なかった。あのままだったら、あとでインテグラ卿に怒られてい――) そこでギンガの思考は途切れた。 深く立ち込めた灰色と白色が入り混じった煙の向こうに二つの人影を見つけたのだ。 一つは地面に伏していて、もう一つはその脇に立っている。 それを見た瞬間、ギンガは再び嫌な予感がした。 心の内にチラつく不安に後押しされてギンガは碌な確認もしないまま既に足をそちらに向けて知らず知らずの内に走っていた。 全力で走ってすぐさま現場に着くと、そこにいるのが誰なのか分かった。 地面に伏しているのはインテグラ、立っているのは金色の怪人――ギラファアンデッド。 そして地面にうつ伏せの状態で倒れているインテグラの背中には紅い槍が刺さっていた。 「貴様ァァァ!!!」 限りなく即死に近い状態だった。 槍が刺さっている場所は心臓付近。 そこを穿たれて平気な人間などいない。 しかもインテグラは数時間前に全身火傷を負って体力が消耗している さらに手元に碌な治療用具がない以上適切な処置など不可能。 つまりインテグラの死は確定的だった。 「……見られたか、ならば!」 当の下手人であるギラファはギンガの姿を認めると、静かな殺気と共に襲いかかって来た。 ギラファが殺し合いに乗っている事は火を見るよりも明らかである。 そんな危険な者を、インテグラを殺した怪人を、ギンガはこのまま野放しにする気など毛頭なかった。 ギンガは悲しみを心の底に追いやり、猛然とギラファに向かっていった。 「ハ――ッ!!」 「――ッ!!」 幼い頃よりこの身に刻んできたシューティングアーツの技を惜しみなく繰り出していく。 その一手一手にはカード内に蓄積されていた魔力を順次開放させて上乗せしている。 本調子とまではいかなくても威力は申し分ないはず。 だが届かない。 拳も、蹴りも、魔法も、全て。 ナックルバンカー――魔力付与によって強化した拳は右手の剣で払われた。 ストームトゥース――防御破壊と直接打撃の左拳二連撃は最初の一撃を躱されて膝蹴りを喰らわされた。 リボルバーシュート――猛烈な衝撃波と共に放たれた魔力の弾丸はバリアによって阻まれた。 お互いの声が漏れるたびに拳と剣が交錯する。 戦況はギンガに圧倒的に不利な状態だ。 数手交わしただけでそれが嫌というほど分かった。 おそらく目の前の相手の力は殺生丸や金髪の男と同等だ。 しかもこちらにはデバイスがなく、魔導師としてそれは戦力の低下を意味している。 今までの数手で自分は持てる技を最大限に駆使したが、全く攻撃が届く気配がない。 まだ奥の手のリボルバーギムレットがあるが、あれはナックルスピナーがない状態では回転させる動作制御が不十分になる。 おそらく威力不足でバリアに阻まれて相手に届く事すら叶わないだろう。 いくらカードで魔力を付与してもデバイスがない以上リボルバーギムレットを出すのは難しい。 (ギムレットが無理なら、もう一つの方に賭けるしかな――って、迷う暇なんてないわね。もう今しかチャンスはない!) 今までの攻防でアンデッドはこちらの力量を掴んできたはず。 それはすなわち己との圧倒的な力の差。 そこには僅かだが余裕という名の隙ができる。 だが奥の手を使えばその差を覆せる可能性はある。 逆転の一手を仕掛けるなら今しかない。 決意すると後は行動するだけ。 ギンガは少し溜めを作り、一気に走りだした。 もちろん向かう先は金色の怪人ギラファアンデッド。 「これで終わりにしようか」 必死なギンガとは対照的にギラファは悠然と構えて言葉を放った。 ここまでの戦闘で彼我の差が明らかである以上それも当然だ。 だがそこに僅かながら隙がある。 そしてそれはギンガが狙っていた事。 徐々に距離を詰めていき後数歩という所で―― 「な!?」 ――ギラファの目の前に光の道が出現した。 今まで見せなかったギンガの先天固有魔法・ウイングロード。 突然目の前に紫の光の道ができた事でさすがのギラファも驚愕を隠せないでいた。 だから一拍遅れて迫ったギンガへの反応が遅れる事になった。 (……私は今まで何もできなかった) 最初は空港火災の時、二度目は地上本部の時。 どちらも自分の責任を貫き通す事が出来なかった。 ここに来てからも同じようなものだ。 最初は殺生丸さん、次に矢車さんとキャロ、そして今度はインテグラ卿。 だからせめて目の前の相手だけは倒す。 ここで放っておけば必ず皆に刃を向ける怪人を。 自分は今度こそ責任を貫かなければいけない。 だからここにいる人を、そしてスバルを―― (――私が守るって、決めたんだ!!! だからフェイトさん、殺生丸さん、あなた達の力、貸して下さい!!!) 刹那デイパックより一振りの傷だらけの刀が抜き出された。 その刀の名は殺生丸の形見となった童子切丸。 それを左手に持たせたままその手を腰だめにして構え、逆に右手は前に突き出す。 カードを全て使って魔力の補充は万全。 あとは撃ち出すのみ。 「プラズマアアァァァァァァァァスマッシャアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァ――――――――ッ!!!」 至近距離から放たれた魔法は憧れの対象である恩人の技。 オリジナルのような電撃は付与できないが、全カードを使って補充した魔力で威力は十分だ。 ギンガの決意を秘めた左腕が限界まで込められた魔力と共に突き出される。 (この距離ならバリアも――) (――甘いな!!) ウイングロードで作り出した僅かな隙。 だが後一歩及ばず。 目の前にはあの全てを阻む透明の壁が。 それでもギンガは信じている。 煌めく銀河の雷光が必ずや敵を貫くと。 ここで二人が知らない事実がある。 それは童子切丸の特性である「人間の生き血を捧げれば、あらゆる防御術式を貫く事ができる」というもの。 もちろんギラファアンデッドも、ただ形見として拾っただけのギンガも、この特性を知る由もない。 今回ギンガがこの剣を取り出したのは殺生丸の力にあやかりたいという部分が大きい。 だがここで偶然にも奇跡的な事が起こった。 ここまでの戦闘でギンガは身体のあちこちに傷を負っていて、当然そこから血が流れ出ていた。 それが腕を伝って童子切丸に行き着いていたのだ。 正式な形はともかく童子切丸に「人間の生き血」が僅かばかりでも捧げられた事に変わりはない。 それによって妖刀童子切丸はその「あらゆる防御術式を貫く事ができる」という特性を発動させる事ができた。 当然ギラファのバリアも「あるゆる防御術式」にカテゴリ―されるものであり、童子切丸によって貫かれる事は明らかだ。 もちろんそんな事は知らないギラファはここでバリアを展開して攻撃を防いでから反撃に転ずるつもりだ。 しかしギンガの左拳にはその童子切丸が切っ先をギラファに向けた状態で握られている。 この瞬間バリアは無意味となった。 こうして二人の知らない事実の下で童子切丸は計り知れない力の奔流と共に生身の身体に叩きつけられた。 肉と骨を断った剣は役目を終えたかのように根元から折れて眠りに就いた。 限界まで高められた魔力の激流は出口を与えられた瞬間、目の前の敵に叩きつけられた。 そして全てが終わった。 ▼ ▼ ▼ 俺はもう誰も失いたくなかった。 だがこの傷でじゃ遅かれ早かれ死ぬだろう。 少し無茶をしたせいか、血を流し過ぎたかもしれない。 だから最期に俺はこの身を差し出してやる。 ……和尚……寺のみんな……竜馬……隼人……そしてティアナ。 もう誰かが死ぬのは御免だ。 確かにお前は少し胡散臭いところもある。 だがお前のおかげで俺達はあの時無駄に対立する事を防げた。 お前が悪人ならあの時俺達が勝手に仲違して自滅する様を見ていれば良かったはずだ。 だから俺はお前を信じるぜ。 だから……あばよ、金居…… ▼ ▼ ▼ ギンガは目の前の出来事が信じられなかった。 「え……あぁ……そ、そんな……」 ギンガのプラズマスマッシャーは確かに目の前の男に刃を突き立て魔力の奔流をその身にぶつけた。 もちろん童子切丸による出血とプラズマスマッシャーによる衝撃で既に息はない。 だがギンガの顔は青ざめていた。 なぜならギンガと戦っていたギラファはその男の背後に未だ無事な状態でいるからだ。 ギンガのプラズマスマッシャーを金居から庇った男は武蔵坊弁慶。 弁慶はあの爆発に巻き込まれて地面を転がり出血多量もあって気を失っていた。 そして気絶から回復した弁慶の目に飛び込んできたものは襲われているギラファアンデッド、金居の姿だった。 それを見た時もうこの傷ではそう長くないと悟っていた弁慶は自らの身を挺して金居の身代りになる事を選んだのだ。 しかも驚く事に弁慶は童子切丸でその身を貫かれプラズマスマッシャーでその身を焼かれてその命が尽きても倒れる事はしなかった。 まさに伝説で伝え聞く『弁慶の立ち往生』のようであった。 そんな悲劇としか言いようのない結末を目の当たりにしてギンガはただ呆然としていた。 「弁慶君、感謝するよ」 「……ガァッ――ッ!?」 そしてその隙をギラファアンデッドが逃すはずがなかった。 己のした『あやまち』に心ここに在らずの状態にあったギンガの身体にはインテグラと同様に紅い槍が突き刺さっていた。 しかし咄嗟に身体を捻ったおかげで槍が貫いた部分は左腹。 致命傷のインテグラとは違って適切な処置を施せばまだ助かる傷ではある。 「――え? そ、そんな……ぁ……」 だがギンガの身体は限界だった。 自らが犯した『あやまち』と命を奪う一撃。 その二つの衝撃で若い身体はボロボロになっていた。 もう立つ事すら覚束なくなり、すぐに重力に引かれて身体は支えを失って倒れた。 ギラファに握られたままの槍はそのまま身体から離れ、左の腹に紅い穴を形作っていた。 その穴から紅い生き血が止めどなく流れ出ている事にギンガは気付いたが、もうどうする事も出来なかった。 (私は、ここで……なにも、なにもできないまま……死ぬの……?) 少しの間を置いて地面に叩きつけられたギンガの身体が再び動く事はなかった。 ▼ ▼ ▼ 校庭を外界と遮っているコンクリート製の灰色の壁。 その内側に凭れかかった状態で相川始はいた。 その姿はハートのA「チェンジマンティス」の力を宿したカリスの姿ではない。 ハートの2「スピリット」の姿を宿した相川始のものだった。 あの爆発の衝撃でカリスの変身が解けたのが原因だった。 しかもその際に壁にぶつかった衝撃で今まで気を失っていたのだ。 とりあえず一緒に吹き飛ばされたらしいパーフェクトゼクターをデイパックに仕舞いつつ始は今の状況を確認していた。 (俺はどれくらい気を失っていたんだ? カテゴリーキングは? 弁慶は? そして、ギンガ……) ふと思い出すのは先程の一件。 ギラファの斬撃から自分を守ってくれた少女ギンガ・ナカジマ。 ギンガは自分の正体を知った後でも変わらぬ態度で説得しようとした。 そして危険を顧みず自分の命を助けるために戦いの渦中に飛び込んできた。 そこまで自分に関わってくる理由は己の胸に引っ掛かっているあの言葉に関係あると容易に想像がつく。 だが今の自分はそれに応える事はできなかった。 (人間、か。だが俺は……アンデッド……人間な――! なんだ! この気配は!?) その事が胸に引っ掛かりつつもカリスはまだ痛む身体を起こした。 未だ視界が定まらぬ煙の向こうから感じる禍々しい気配。 それが始に悠長に休息を取っている場合ではないと警告していた。 だが自分の感覚を信じるならばそこにいるのはアンデッドではない。 だがそれ以上の何かを感じさせる者がいる事は確かだった。 周囲一帯に立ち込める煙でほとんど何も見えないが、そんなものを感じさせない程にその存在は異常だった。 不意に一陣の風が校庭に吹いた。 それにより立ち込める煙は一掃されていき、三重の煙幕は徐々に晴れていった。 そしてカリスは見た。 紅い血で真っ赤に染まった地面に倒れ伏すギンガと、その脇に立っている赤いコートの男を。 「……貴様が殺ったのか」 「そうだと言ったら、どうする?」 その言葉を聞いた瞬間、相川始の中で何かが弾けた。 不意に頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなるほどに身体の奥底から何かが沸々と湧き上がってきた。 それは言葉に出来ないほどの暗い衝動。 それが自分の本来あるべき姿を呼び覚まそうとしていた。 それは長らく封印してきた自分の真の姿。 それになるという事は真の意味で化け物になる事だ。 だが。 それでも。 湧き上がる衝動は抑えがたく。 ついに。 「――――――――――ァァアアアア――――――――――ッッッ!!!!!」 その暗い衝動に身を委ねた。 次の瞬間、そこに相川始はいなかった。 そこにいる者は『相川始』に非ず、彼の者の名――それは『ジョーカー』。 ▼ ▼ ▼ アーカードの目の前には一つの死体があった。 見慣れた服装、見慣れた髪、そして確認するまでもなく見慣れた顔。 それは紛れもなくアーカードの主インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシングに相違なかった。 アーカードがここに来た理由はガジェットの爆発に気付いたからだ。 その爆発音が市街地を捜索していたアーカードまで届き、戦闘の気配を感じるままに赴いた次第だ。 そして一度は去った学校に再び戻った時、アーカードは主インテグラの気配を感じ取っていた。 先程死にかけの女を抱えて去って行った黒い化物を放っておいたのも近くで主の気配を感じたからだ。 それなのに当の主はアーカードを見るなり悠然と命令を与え終わると、それが最期の力かのように静かに逝ってしまった。 「それがお前の最後の命令(ラストオーダー)か、我が主インテグラ」 ――見敵必殺(サーチアンドデストロイ)だ! 我々の邪魔をするあらゆる勢力は叩いて潰せ! そして、あのプレシアを…… その最期の言葉がヘルシング機関の鬼札<ジョーカー>の胸にいつまでも木霊していた。 【1日目 昼】 【現在地 D-4 学校の校庭】 【アーカード@NANOSING】 【状況】疲労(小)、昂ぶり、セフィロスへの対抗心 【装備】パニッシャー(砲弾残弾70%/ロケットランチャー残弾60%)@リリカルニコラス 【道具】支給品一式、拡声器@現実、首輪(アグモン)、ヘルメスドライブの説明書 【思考】 基本:??? 1.主の命令(オーダー)は見敵必殺(サーチアンドデストロイ)か。 【備考】 ※スバルやヴィータが自分の知る二人とは別人である事に気付きました。 ※パニッシャーは憑神刀(マハ)を持ったセフィロスのような相当な強者にしか使用するつもりはありません。 ※第1回放送を聞き逃しました。 ※ヘルメスドライブに関する情報を把握しました。 ※セフィロスを自分とほぼ同列の化物と認識しました。 ※はやて(A s)が死亡した事に気付きました。 ※インテグラの死体(背中に朱羅の片方@魔法少女リリカルBASARAStS ~その地に降り立つは戦国の鉄の城~が刺さった状態)の傍にデイパック(支給品一式)が落ちています。 ▼ ▼ ▼ 相川始は図書館にいた。 なぜ学校にいた始がエリアを隔てた図書館にいるのか。 それはジョーカーの姿に戻って学校から移動したからだ。 だが本来ならジョーカーとして覚醒すれば赤いコートの男に襲いかかったはず。 しかしジョーカーとなった始は戦わなかった。 「……ぅ……!」 読書用に設置されたソファーの上から微かな声が聞こえてくる。 そこには全身血まみれの少女が寝かされていた。 青紫のショートヘアも、茶色の陸士制服も、その身体を沈ませているソファーも自らの血で汚しつつもまだ少女は生きていた。 ギンガ・ナカジマ。 あの時ギンガがまだ生きていると気づいたから始はジョーカーでありつつも逃走を選んだ。 まだギンガを助ける事ができると信じて。 それは先程ギラファから助けてもらった借りを返そうとしたからかもしれない。 だが実のところはそのようなものがなくとも助けようとしたのかもしれない。 本当のところは始にも分かっていない。 「……始、さん」 ようやく気が付いたギンガの声は明らかに弱々しくなっていた。 当然だ。 左腹からの出血はもう手の施しようのないレベルに達していた。 応急措置をしようにもとっくに手遅れの状態だった。 もうギンガが助かる可能性はなかった。 そのギンガは最後の力を振り絞って何かを言おうとしていた。 始はそれを黙って聞いてやる事にした。 「は、始さん……」 「…………」 「わ、私のデイパックの、中の……録音機を、アーカードという人に……渡して……」 「…………………」 「お、お願い……し……」 「……ああ、分かったよ」 なぜか肯定の返事を返していた。 表情には出さなかったが、そんな事をしている自分に驚いていた。 だが不思議と断ろうという気持ちにはなれなかった。 そして始の承諾を得たギンガの顔は安らかなものだった。 「ありがとう……ござ、います。あと……なのはさんと、フェイトさん……はやて部隊長、それにスバルと……キャロに会ったら――」 「…………………………………」 その言葉の続きがギンガから話される事はなかった。 ▼ ▼ ▼ いつのまにか私は始さんに背負われて、そして寝かされていた。 その時はっきりと相川始は人間だと確信できた。 誰かを助けようとする人が化け物であるはずがないと思ったから。 だから安心して録音機の事を頼めた。 あの中にはここへ来る途中でインテグラ卿がアーカードに対してメッセージを入れていた。 本来はインテグラ卿不在時にアーカードの遭遇した時の備えだったが、こんな事になるとは思っていなかった。 あと出来る事なら仲間の事も話しておきたかったが、どうやら時間切れのようだ。 もう既に意識が遠のき始めていた。 ああ、スバル。また守ってあげられなくてごめんね。 そして。 殺生丸さん、私は―― ▼ ▼ ▼ 紅に彩られたソファーに寝かせられたギンガはまるで安心しきったかのように眠っていた。 だがその眠りは永遠である。 もうギンガが目覚める事はない。 それを理解した時、始は胸に言葉に出来ない何かを感じていた。 それが何なのかなぜそのように思うのか自分でもよく分からない。 「何を考えているんだ、俺は……」 その不可解な感情がジョーカーの心を大きく揺さぶっていた。 【1日目 昼】 【現在地 E-4 図書館のロビー】 【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状況】疲労(中)、全身に軽い切傷、左腕に強い痺れ、背中がギンガの血で濡れている、言葉に出来ない感情、カリスとジョーカーに1時間変身不可 【装備】ラウズカード(ハートのA~10)@魔法少女リリカルなのは マスカレード 【道具】支給品一式×2、パーフェクトゼクター@魔法少女リリカルなのは マスカレード、ゼクトバックル(ホッパー)@魔法少女リリカルなのは マスカレード、録音機@なのは×終わクロ 【思考】 基本:栗原親子の元へ戻るために優勝を目指す。 1.とりあえず身体を休める。 2.見つけた参加者は全員殺す(アンデットもしくはそれと思しき者は優先的に殺す)。 3.アーカードに録音機を渡す? 4.あるのならハートのJ、Q、Kが欲しい。 5.ギンガの言っていた人物(なのは、フェイト、はやて、スバル、キャロ)が少し気になる。 【備考】 ※自身にかけられた制限にある程度気づきました。 ※首輪を外す事は不可能だと考えています。 ※「他のアンデットが封印されると、自分はバトルファイト勝者となるのではないか」という推論を立てました。 ※相川始本人の特殊能力により、アンデットが怪人体で戦闘した場合、その位置をおおよそ察知できます。 ※エネルという異質な参加者の存在から、このバトルファイトに少しだけ疑念を抱き始めました。 ※ギンガを殺したのは赤いコートの男(=アーカード)だと思っています。 ※カリスの方が先に変身制限は解除されます。 ▼ ▼ ▼ 学校で、図書館で、二人のジョーカーが想いを馳せている時、金居は一人東に向かっていた。 目的地は当初の予定通りB-8にある工場だ。 (いくつか誤算はあったが、まずまずの結果だ) 金居は今までの経緯を振り返っていた。 まずはジョーカー――カリスとの戦闘。 この時金居は本気で戦う事はしなかった。 だが一応それなりに戦っていたので精々ジョーカーが違和感を覚えた程度だろう。 このような事をしたのは当初の予定通り弁慶と潰し合わせて漁夫の利でカリスを仕留めようと考えていたからだ。 だからカリスの消耗を待って一気に片付ける気でいた。 あの作戦が破綻した時は少し予定が狂いかけたが、弁慶の捨て身の行動で絶好の機会に転じる事ができた。 ジョーカーの注意を逸らそうと雄叫びまで上げた事が功を奏したのかは知らない。 だがその機会は突然乱入してきたギンガ・ナカジマによって阻まれてしまった。 ここでしばらく膠着状態に陥った時はさすがに本気を出してギンガ諸共カリスを倒す事を優先しようかと考えた。 転機はその直後に起こった爆発だ。 爆発の理由は不明だが、その直前に到着した新たな人物。 その女性はギンガから「インテグラ」と呼ばれていた。 この地でそれに該当する者は「インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング」に他ならない。 そしてインテグラはペンウッド曰く、アーカードの抑えられる唯一の存在らしい。 つまりインテグラを殺せばアーカードを止める者はいなくなり、結果デスゲームの進行に貢献する事に繋がる。 それは金居の望むところだった。 爆発の衝撃はバリアで防いだので即座に行動を再開する事ができた。 そしてすぐにあの煙の中で幸運にもまだ爆発の衝撃から回復していないインテグラを発見できた。 目的は一瞬で終わった。 一気に背後より近付き左手のスケルターで背部を強打。 こちらの姿を見ないまま倒れたところに落とした槍で心臓付近を一突き。 実に呆気ない最期だった。 凶器に槍を選んだのはもしものための保険だ。 ヘルターやスケルターではなく誰でも扱える槍なら下手人が判明する可能性は低くなる。 ついでにインテグラが所持していた銃器を拾えた事は幸運だった。 一番の誤算はその現場をギンガに見られた事だ。 煙で視界が悪いのですぐに済ませれば問題ないと思っていたが、ここは運が悪かった。 だが直後の戦闘でインテグラ同様に槍を刺して殺せたので大した問題にはならなかった。 少し意外だったのは弁慶が身を挺して守ってくれた事だ。 あそこまで仲間想いの奴だとは思っていなかったから少し驚いていた。 だがあそこで弁慶が庇ってくれなければ面倒な事になっていた可能性が高い以上弁慶には素直に礼を言っておいた。 そして直後に得体の知れない禍々しい気配が近づいてきたのを感じたので、その場は弁慶のデイパックだけ回収して立ち去った次第だ。 もし仮に誰かに見られたら不味い場面なのは確実だったので長居はしなかった。 心残りはジョーカーを仕留める事ができなかった事だが、あの様子ではすぐに動く事は難しいだろう。 もし運が良ければあの禍々しい気配と一戦構えてくれればと思うが、そう上手くいかないだろう。 「これが支給されたのは幸いだったな。このおかげですぐに動けるようになった」 金居の手には小さな袋が握られていた。 その中に入っている物こそ金居がこうして戦闘直後にも関わらず不自由なく行動出来ている理由だ。 この袋の中にある物は「いにしえの秘薬」と言って、服用すればどのような傷でも完全に癒し体力も回復してくれる万能薬だ。 これのおかげで本来なら幾らかの負傷と変身後の疲労ですぐには動けない金居が不自由なく動けるのだ。 全体的に今回は上手く立ち回る事ができた。 基本的に戦闘は避けていく方針だったが、止むを得ない時は仕方ない。 ジョーカーとの決着は避けては通れないから。 (とりあえず弁慶君は……ジョーカーに殺された事にしておこう。あながち嘘ではないからな) ふと時計を確認すると次の放送までもう少しというところだった。 これからの具体的な行動方針は放送を聞いてからでも遅くはない。 そう考えを出した金居は落ち着いて放送を聞くために近くのビルに入る事にした。 クワガタムシの始祖たる不死の王の大顎はまだ牙を剥き始めたばかりだ。 【一日目 昼】 【現在地 D-5 西大通り沿いのビル】 【金居@魔法少女リリカルなのは マスカレード】 【状態】健康、ギラファアンデッドに1時間変身不可 【装備】なし 【道具】支給品一式×2、トランプ@なの魂、いにしえの秘薬(残り7割)@魔法少女リリカルなのはSTS OF HUNTER、砂糖1kg×9、カードデッキの複製(タイガ)@仮面ライダーリリカル龍騎、USBメモリ@オリジナル、S W M500(5/5)@ゲッターロボ昴、コルト・ガバメント(6/7)@魔法少女リリカルなのは 闇の王女、ランダム支給品0~1 【思考】 基本:プレシアの殺害。 1.プレシアとの接触を試みる(その際に交渉して協力を申し出る。そして隙を作る)。 2.基本的に集団内に潜んで参加者を利用or攪乱する、強力な参加者には集団をぶつけて消耗を図る(状況次第では自らも戦う)。 3.利用できるものは全て利用する。邪魔をする者には容赦しない。 4.工場に向かい、首輪を解除する手がかりを探す振りをする。 5.もしもラウズカード(スペードの10)か、時間停止に対抗出来る何らかの手段を手に入れた場合は容赦なくキングを殺す。 6.USBメモリの中身を確認したい(パソコンのある施設を探す)。 【備考】 ※このデスゲームにおいてアンデッドの死亡=カードへの封印だと思っています。 ※最終的な目的はアンデッド同士の戦いでの優勝なので、ジョーカーもキングも封印したいと思っています。 ※カードデッキ(龍騎)の説明書をだいたい暗記しました。 ▼ ▼ ▼ アンジール・ヒューレーは倒れていた。 目の前でチンクを失った事。 それが想像以上にアンジールを苛み、精神的に負担になっていた。 当初はクアットロを探そうと荷物をまとめようとしていたが、チンクの眼帯を見た瞬間何も考えられなくなった。 ディエチとは違ってチンクはすぐ傍にいた。 それなのに守る事ができなかった。 誰もいない大通り上でアンジールはいつまでも己のあやまちを責め続けた。 そして気づけばアンジールはチンクの眼帯を握ったまま当てもなく歩きだしていた。 だがそんな状態がいつまでも続くはずがなく、程なくしてアンジールは己を苛んだまま地面に倒れてしまった。 そして予想以上に精神的に堪えていたアンジールはそのまま意識を手放した。 だからアンジールは気付く事が出来なかった。 荷物をまとめる際にガジェットがどこかへ行ってしまった事を。 そしてそのガジェットが3人の参加者の命を奪う手助けをした事を。 その中にアンジールと同じように誰かを守ろうと必死になっていた者がいた事を。 全て知らないまま2回目の放送の時刻が近付いていた。 【1日目 昼】 【現在地 G-6】 【アンジール・ヒューレー@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】 【状態】疲労(中)、全身にダメージ(小)、セフィロスへの殺意、深い悲しみと罪悪感、睡眠中 【装備】バスターソード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、アイボリー(6/10)@Devil never strikers、チンクの眼帯 【道具】支給品一式×2、レイジングハート・エクセリオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS、グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本:クアットロを守る。 1.チンク…… 2.クアットロ以外の全てを殺す。特にセフィロスは最優先。 3.ヴァッシュ、アンデルセンには必ず借りを返す。 4.いざという時は協力するしかないのか……? 【備考】 ※ナンバーズが違う世界から来ているとは思っていません。もし態度に不審な点があればプレシアによる記憶操作だと思っています。 ※制限に気が付きました。 ※ヴァッシュ達に騙されたと思っています。 ※チンクが死んだと思っています。 ※ガジェットが無くなった事に気付いていません。 【武蔵坊弁慶@ゲッターロボ昴 死亡確認】 【ギンガ・ナカジマ@魔法妖怪リリカル殺生丸 死亡確認】 【インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング@NANOSING 死亡確認】 【全体の備考】 ※以下の物がD-4の学校の校庭に放置されています。 弁慶の死体(腹に童子切丸@ゲッターロボ昴の刀身が突き刺さり全身焼け焦げた状態、仁王立ち)、童子切丸の柄@ゲッターロボ昴、朱羅の片方@魔法少女リリカルBASARAStS ~その地に降り立つは戦国の鉄の城~ 閻魔刀@魔法少女リリカルなのはStirkers May Cry、パイロットスーツ(真っ二つにされた状態)@ゲッターロボ昴 ※カード×48@魔法少女リリカルなのはA’sはギンガが全て消費しました。 ※ガジェットドローン@魔法少女リリカルなのはStrikerSがD-4の学校まで移動して爆発しました。その際深い煙が発生しました。 ※G-6の大通りにはバニースーツのうさぎ耳、炭化したチンクの右腕が落ちています。 【カード@魔法少女リリカルなのはA’s】 デバイス内での炸裂を必要としない簡易型のカートリッジシステムのような働きをする使い捨ての魔力蓄積装置。 仮面の戦士(リーゼ姉妹)が魔力行使の際に使っていた。普段は左太腿のカードホルダーに収納されている。 【録音機@なのは×終わクロ】 記録用のメモリ式携帯録音機(バッテリー式)。本来の持ち主は佐山御言。 Back Round ZERO ~ JOKER DISTRESSED(前編) 時系列順で読む Next 過去 から の 刺客(前編) 投下順で読む Next 過去 から の 刺客(前編) アーカード Next しにがみのエレジー。~名もなき哀のうた~ インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング GAME OVER ギンガ・ナカジマ GAME OVER 相川始 Next The people with no name 金居 Next MISSING KING 武蔵坊弁慶 GAME OVER アンジール・ヒューレー Next 過去 から の 刺客(前編)
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マクロスなのは 第1話『フォールド事故、たどり着いたのは魔法の世界』←この前の話 『マクロスなのは』第2話「襲撃」 アルトは開けられない窓から下界を見渡す。 ここはあの高層ビル内部の待合室だ。ランカのライブ終了後すぐにフェイトによってここに連れて来られていた。 下界には今あまり人はいない。爆弾テロがあった現場を捜査する捜査員が十数人とカメラとリポートで報道をしているらしい報道スタッフが4,5人。そして下に置いてきたVF-25を守るガードマンが3,4人見えるだけだった。デモ隊も防衛隊もライブ終了と同時に解散していた。 「どうアルトくん?なにか見える?」 「いいや。10分前と代わり映えはしないな」 ソファに落ち着かない様子で座っているランカに、10分前と同じ言葉を返した。 ここに連れられ、退室する時フェイトは 「本局に確認してきますので、しばらく待っていてください」 と言っていた。しかしもうあれから30分が過ぎようとしていた。 また、久しぶりにランカに会えたと言えど、このような状況では和やかに談笑、というわけにもいかない。 アルトはそろそろ文句を言ってやるべきだろうかと思案していると、ようやく扉が開く音がした。 だがそこにいたのはフェイトではなく、同年代ぐらいの2人の少女だった。 2人には見覚えがある。たしか先ほどのテロ事件での救助作業で、それぞれが中心的な立場にあり、フェイトともよく行動していたと記憶している。 しかし彼女達は部屋に入って窓際でたたずんでいた自分を見るなり、「あれ?」という顔になった。そして視線をソファに座るランカに落とし、確認するように部屋を見渡して再びこちらに視線を戻すと、さらにその疑念の顔を強めた。 「ん?」 その不審な行動に顔を傾いで見せると、慌てて言い訳を始めた。 「あ、ごめんなさい。フェイト執務官からはランカさんと男性が1人って聞いてたのに、あなたしかいなかったから―――――」 「だ、誰が女だ!誰が!!」 反射的に怒鳴ってしまった。その声でようやくこちらが男であることが認識されたようだ。そして意図せず険悪になりかけている2人との間に絶妙なタイミングでランカが介入してきた。 「私もね、アルトくんに初めて会った時そう思ったんだ。『わぁ、なんて綺麗な人だろう・・・・・・』って」 「お、おいランカ・・・・・・!」 当時を思い出し思わず恥かしさがこみ上げて口を濁した。しかし当のランカは確信犯であったようで、振り返ると同時にいたずらっぽくペロッと舌を出して謝罪すると、再び2人に向き直って「一緒だね!」と屈託無く笑いかけた。 その笑みが伝染したのか2人の顔から緊張の色が抜け、微笑みがこぼれていた。そしてランカと一緒に「ごめんなさい」と謝られると、自然と毒気が抜かれて 「もう慣れてるよ・・・・・・」 と、ため息しか出なかった。 ここにランカの人心把握術の一端を見た気がした。一時、彼女のシンデレラ的な人気の急浮上を批判していた当時の批評家達が、彼女に会った途端に賛美に寝返るという現象が日常的に発生していた。 偽善のはびこる一種怪物のような芸能界で、彼女が歪みない素直でまっすぐな心を保っていけたのは、そんな本人には自覚のない非凡な才能のおかげなのだろうと、改めて納得した。 (*) 「改めましてこんにちは。私は時空管理局、地上部隊所属の八神はやて二等陸佐です」 「同じく、高町なのは一等空尉です」 「俺は惑星『フロンティア』の民間軍事プロバイダ『SMS』所属の早乙女アルト中尉だ」 ちょっとしたハプニングとランカのおかげでこんな状況における初対面の緊張感が抜けたようだ。口調は軍人のそれだが自然に挨拶が交わされた。 「・・・・・・それで、どうやってこの星に来たんですか?」 なのはの問いに、アルトは事の顛末を簡単に説明する。 自分の任務はランカを地球のマクロスシティまで送り届けることであった。しかし途中でフォールド機関が故障して、一番近くの不時着場所を探したらこの星だったということ。 「それじゃあの飛行機の燃料タンクを直して、燃料を入れなおせば自力で帰れますか?」 「いや。フォールドブースターを空間を抜けるときに無くしちまってな、さすがに何百光年も自力で帰ることはできそうにない。まぁここの銀河絶対標準座標を教えてもらえれば、地球に救難信号を送るつもりだ」 そのアルトのセリフによってはやてとなのはの間に、「やっぱり次元航行以前の文明みたいやね」とか「となるとフェイトちゃんの言う通り次元漂流者か・・・・・・」という憶測が飛び交う。 悪意はないんだろうが、なんかひそひそと話されてこちらの文明が劣っているとも聞こえる発言にアルトとランカはカチンときたが、彼らにとって今の問題はそこではなかった。 「次元航行?次元漂流者?いったい何の話だ?」 「えっと・・・・・・驚かないで聞いてな。この星は、太陽系、第3惑星『地球』なんよ」 アルトははやての言葉に、前振りに関わらず驚いてしまう。 「はぁ!?なにを言っている!衛星軌道上には防衛艦隊も防衛衛星もなかったし、呼びかけてもどこからも応答がなかったぞ!」 「多分2人とも、他の次元世界(パラレルワールド)から来たんだよ。」 はやてとなのははできる限りのことを話す。 この世界には次元世界(パラレルワールド)が存在していて、アルトとランカを乗せたVF-25は恐らくそのフォールド事故によって次元の壁を乗り越え、この世界に迷いこんでしまったこと。 自分達の所属する時空管理局の本局は、次元世界同士を繋ぐ次元宇宙の平和維持のために組織された軍・警察組織で、100年近く前からその職務を続けていること。 この世界には〝魔法〟文明が発達していること。 「ちょっと待て、魔法だと!?」 その単語のもつオカルト的な面に面食らったらしいアルトだったが、その魔法もデバイスなどのテクノロジーに支えられたものと知ったので、2人のカルチャーショックは軽かったようだ。なぜなら元より彼らはOTM(オーバー・テクノロジー・オブ・マクロス)という20世紀末の人が見たら十分魔法に見える技術を持っていたためであった。 (*) パラレルワールドの存在など早乙女アルトとしての18年の人生で積み上げてきた価値観の急な変わりように精神的に大きなダメージを負ったアルトだったが、なんとか踏みとどまる。 「・・・・・・とりあえず、ここは俺達の地球じゃないんだな?」 その確認になのはが頷く。 「じゃあ、お前達の地球はどうなんだ?」 「うーん・・・・・・私達の地球でもあんな足が生えるような飛行機はなかったなぁ・・・・・・」 この時空管理局本部ビルの置かれている第1管理世界ではなく、第97管理外世界出身というなのはが、外に駐機してあるVF-25を見ながら首をかしげる。隣に座るはやても覚えは無いようだ。 「バルキリーがないのか?それじゃあここや、そっちの地球の新・統合政府はどんな防衛政策を?」 「新・統合軍?聞き覚えないなぁ・・・・・・なのはちゃんは?」 はやてはなのはに振るが、彼女にも分からないらしく首を横に振った。 (おいおいマジで知らないのか!?) アルトの世界では新・統合政府や各移民船団の運営する新・統合軍なしではやっていけない。それは生きるためには物を食べなければならない。という真理にも近いものだった。 「1999年に落下したASS(エイリアンズ・スター・シップ)-01(後の初代マクロス)の技術を巡る戦争で、当時の世界各国が統合されてできた世界政府が地球統合政府だ。2009年に起こった第一次星間戦争で、ゼントラーディが加わって2010年に新・統合政府に改称したが・・・・・・」 こちらの説明に更に首を捻っていくはやて&なのは。 「えいえすえすわん?ぜんとらーでぃ?・・・・・・ん~私達の世界は今2009年だけど、私達の住んでた日本って国は64年間そんな大きな戦争はしてなかったよ」 なのはは答えるが、彼女の言ったある1つの単語がアルトの頭を真っ白にした。 「ニホン? ニホンってあの歌舞伎のある日本か!?それに2009年から64年前の戦争って太平洋戦争のことか!?」 「そっ、そうだけど・・・」 「なんや、日本を知っとるんかいな?」 たじろぐなのはの代わりにはやてが聞く。 「太平洋戦争は今なお語り継がれる伝説だ。」 2060年を生きる彼らからすれば太平洋戦争はすでに100年以上前の出来事。それらはもう歌舞伎の演目としての体を確立していた。例えば真珠湾奇襲を描いた『ニイタカヤマノボレ』や、硫黄島での玉砕を描いた『日本皇国に栄光を』などがある。しかし、残念ながらそれらは大幅に美化されていたりする。 自らの知る〝日本〟をアルトは熱を持って語りだす。それは、なのはの会った老夫婦やその筋の人が聞けば、「君のような若者があと百万人もいれば・・・」と涙するほどだろう。それほどに彼の知る日本は美化されていた。そしてそれゆえに、彼は地雷を踏んだ。 「2009年の日本はどうなってるんだ?やっぱりまだ経済成長が続いてるのか?」 (*) 少年の瞳は純粋だった。それゆえになのはもはやても口をつぐんだ。 アルトの世界では統合戦争によって前後の歴史が曖昧化している。そのため、日本については1990年代前のバブル経済から詳しいことはわかっていなかった。 そのため彼らの予想では、バブルの芽は中央銀行(日本銀行)の〝緩やかな〟公定歩合引き上げによって段階的な収束を迎え、マクロス落下の1999年まで持ち前の経済発展を続けたというのが定説だった。 無論第一次星間戦争を生き延びた日本人もおり、バブルが弾けて大不況に陥ったと主張したが誰もそれを信じなかった。 そんな〝バカなこと〟を器用な日本人がするわけがないと考えていたからだ。 しかし実際には中央銀行の急激な公定歩合引き上げにより市中銀行が企業への貸付をひかえ、次に資金を回収しようとした企業が一斉に土地や株式の売却に走り、地価及び株価は大幅に下落。こうして〝バカなこと〟は実際に起こり、バブルは崩壊した。 また、それに関連して経営の再構築などと称したリストラが進み、経済成長を支えた日本型終身雇用制度と年功序列制度も崩壊前夜だ。 その後第97管理外世界で〝失われた10年〟と言われるように、アルトの世界でも1999年にマクロスが降って来るまで変わらなかった。 これが真実だ。 それは2009年に到達した第97管理外世界の日本でも変わらない。 1度、期間面で「いざなぎ景気」を超えたなどという好景気が訪れたが、それは企業を潤すのみで、家計の収入を増やさない偽りのものであった。 また、アルトの知る日本人像はいわゆる〝古き良き時代の日本人像〟と酷似しており、最近増えてきた凶悪犯罪。助け合いの精神の低下。若者のモラルの低下等々。おそらく彼はこれらの事を知ったらさぞや失望するだろう。 しかし2人は彼の純粋な瞳を汚したくなかった。 そこではやては強引に話をねじ曲げる事にした。 「そんな事より! アルト君が日本を知っとる、ちゅうことはタイムスリップに近いけど、少しちゃうみたいやね」 「・・・そ、そうだね。多分うちに近い次元世界から来たんだ」 はやての機転になのはも乗る。おかげでアルトも論点を変えた。 「それじゃ結局、俺達の世界は見つかってないのか?」 そのアルトの質問に答えようとしたその時、部屋のドアが開いた。 そこには本局に連絡をしていたフェイトと、彼女の兄であるクロノ・ハラオウンがいた。彼の艦隊は確か一番近くの次元航行船受け入れ港で補給をしていて、報告のためにこの時空管理局本部ビルに来ていた。どうやら次元宇宙に浮かぶすべての世界にある程度精通している彼を連れて探す手間を省こうというのだろう。 もとより地上部隊である自分たちがランカ達に会いに来たのもフェイトが 「時間かかかりそうだからあの2人に事情を説明してきて」 という要請からだった。 (*) 「失礼、じゃましたかな?」 フェイトと共に登場した男がそう聞く。 「・・・あんたは?」 「私はクロノ・ハラオウンという者だ。この管理局では次元航行部隊の護衛艦隊(次元航行艦隊)、第3艦隊提督をしている」 そう言って彼は右手を差し出す。それを握り返すと、先ほどの質問を繰り返した。 「ああ、現在この宇宙座標に惑星『地球』の名を持つ世界はここを含めて確か83見つかっているが、どれも君達の世界とは違うようだ。・・・・・・こちらは助けてもらったのに、役に立てずすまない」 とクロノは頭を小さく下げた。 「マジかよ・・・」 そう呟きながら先ほどから楽しそうに話している4人娘を見る。 どうやら魔法に関する話で盛り上がっているようだ。 (あいつらもう打ち解けてるよ・・・・・・) それを見ると少し落ち着いた。まったく女性という人種のバイタリティーの高さには頭が上がらない。 「我々も全力で君達の世界を探す。だからどうか絶望せず、待っていてほしい。」 クロノが真摯な態度で言った。 「・・・・・・わかった。でもそれまで俺たちは―――――」 どうすればいい?と言おうとしたところ、話に夢中かと思っていたうちの1人、はやての口から突拍子のない提案が出た。 「もしよかったら、ウチらが新しく作る部隊に入ってけーへんか?」 「は、はやてあれは・・・・・・!」 と、その提案に口を濁すクロノ。 「実はランカちゃんからは超高濃度のAMFが展開されとったみたいなんよ」 聞き慣れない略語に、ランカは首を傾げ 「えーえむえふ?」 と繰り返す。 「そうや。『アンチ・マギリンク・フィールド』。略してAMFってのはな、空気中の魔力素の結合を阻害して魔法を弱体化する現象を作るフィールド魔法のことや。本当はクラスAAAのリンカーコア出力を持った熟練魔導士か、巨大なジェネレーターとか専用アンプがいるんやけど、これを見てみ」 そう言ってはやてはホロインターフェースを展開、操作する。すると部屋に比較的大型のホロディスプレイが出現し、何かの動画を再生する。よく見ると先ほどのライブの映像だった。 クロノは初めて見るらしく、 「なるほど・・・・・・これは威力絶大だ。特に〝キラッ☆〟というのが・・・・・・」 などと呟いている。 「なんやクロノくん、目移りか?」 「ば、バカ!そんなわけあるか!妻に謝れ!」 「はいはい♪」 クロノの赤面した反撃をサラリとはやてはかわすと、説明を続けた。 「それでこれを魔力素の結合を見えるようにするスペクトル・フィルターに掛けると―――――」 画面に何かが被せられる。すると全体的に薄暗くなったが、ランカを中心に背景がクリアな領域ができ、バルキリーのスピーカーがそれを増幅する様がみてとれた。 「この暗くなってるところが魔力素が自然に結合してるところで・・・・・・まぁつまり普通だと薄暗くなるはずなんや。・・・・・・こんな感じにな」 この部屋の監視カメラを呼び出したのか新たに浮かび上がったホロディスプレイに、この部屋の隅から映した映像が流れる。それは確かに薄暗い。試しになのはが魔力球を生成してみると、その桜色の球は画面では真っ黒になった。 「最初はあの飛行機のせいかと思ったんやけど、ランカちゃん自身も独自の発生源になっとるみたいやったし―――――」 ランカが独自に発生でき、バルキリーのあのスピーカーから出る普通と違うものは1つしかない。だからその原因はすぐにわかった。 「・・・・・・間違いなくフォールド波だな」 「え?」 集まった一同の視線に晒されながら淡々と理由を説明する。 「ランカはこっちの世界でもバジュラという異星生命体とフォールド波によってコンタクトできるんだ。VF-25・・・・・・バルキリーのスピーカーも宇宙空間で使えるようにフォールド波を振動媒介にして超光速で音を伝えるようにできてる」 (口で説明しても分かりづらいか) 皆の反応を見てそう思い、携帯端末のデータベースからフォールド波に関するデータを呼び出し、お互いの世界の共通部分である1999年代の第97管理外世界の規格に変換すると彼女のコンピューターに送った。 そうしてデータを元にコンピューター上でシュミレーションして原理を探るが、思ったような効果を発揮せず、またそれだけでは説明がつかないことに気づいた。 考えてみればランカは常に微弱なフォールド波を発しているが、救助活動中や今は妨害されていなかった。 つまり、フォールド波は関係ないか、他に要素があるのか。 そのヒントを発見したのはランカ自身だった。 「そういえば、私が歌い終わってから10秒ぐらいで暗くなっちゃうんだね」 芸の精進のためかデータ解析しながら試行錯誤していた自分達とは離れて、ライブ映像を見ていたランカがつぶやく。 「そうか!歌だ!」 「ああ!」 「「歌エネルギー!」」 ランカと声が唱和する。もちろん、クロノやはやてなど管理局勢は顔にハテナ(?)を浮かべていた。 歌エネルギー理論と呼ばれる理論は2045年にマクロス7の軍医であるDr.千葉の手によって提唱された。 これは人間が歌ったり、楽器を演奏したりすることで精神活動が活発化すると『サブ・ユニバース』と呼ばれる高次元エネルギー空間から我々の三次元宇宙に高次元エネルギーが流入、それが精神的・物理的作用を引き起こすというものだ。 その作用の具体例を出すと、人間の精神エネルギーであるスピリチアを回復させたり、物質の最小単位である量子を振動させて伝わるサウンドウェーブなどがある。 その理論は有名であったが、普通強力な歌エネルギーの発現者にそう出会うものではない。そのためほとんど省みられないが、ランカという少女は正真正銘の歌手であり、発現者だった。 そこで最も分かりやい科学的現象として量子の振動(サウンドウェーブ)を要素として加えてみることにした。 「ちょっと待って!歌にほんとにそんな力があるの?」 なのはが信じられないといった顔で聞いてくる。相当なカルチャーショックを受けたようだ。無理もない、ただの空気の振動、ただの言葉と変わらない。と考えていた歌にそのような力があるというのだから。 「・・・・・・じゃあランカ、ちょっと歌ってみてくれないか?」 ランカ自身も真相は気になるようで、こちらの要請に快く承諾するとデビュー曲「アイモ」をコーラスする。 『アイモ アイモ ネーデル ルーシェ―――――』 するとどうだろう。検証のためなのはの手のひらに生成されていた魔力球は彼女の驚きと共に瞬時に掻き消え、監視カメラの映像も一点の曇りないクリアな映像となった。 こうして歌が関係することは立証され、シュミレーションによる検証を続行する。 「ランカ、お前は何チバソングあるんだ?」 「え~と、確か平常値が6万、最高値が10万だってカナリアさんが・・・・・・あ!これ秘密だった・・・・・・」 ランカは口を塞ぐがもう遅い。反応兵器と同等、またはそれ以上の価値を持つ歌手という〝兵器〟の科学的スペックは秘密などという生易しいものではない。それは最高峰の軍事機密(TOP SECRET)の域にある。 そんな情報をコロッと出してしまうランカのうっかりさには呆れるほどだが、そんなところが彼女らしく、それがまた魅力であった。 「・・・・・・まぁ、必要なんだ。許せ。さて、仮に平常値の6万チバソングだとすると量子の振動数はサウンドウェーブに平行に―――――」 歌エネルギー理論の公式に当てはめて導き出した値を入力するはやてに伝える。 そうして開始されたシュミレーションは見事その能力を白日の下に晒した。 魔力素という素粒子の変換エネルギー体である魔力は、まず次元干渉を起すフォールド波によってエネルギー構成を乱され、バグ(穴)のようなものを作る。それだけなら問題はないのだが、そこに量子を振動させるサウンドウェーブが加わると一転、共振を起してバグから構造全体を崩壊させる。結果、制御不能に陥り、霧消するように魔力が消え、魔力素に戻ってしまうようだった。 「それで・・・・・・この原理を何に使うつもりだ?」 ランカの歌の予想を上回る威力に、周囲から彼女を庇うようにして立つ。 最低1万チバソングでなければこの現象は発動できないようだが、ランカ単体でもその効果範囲は半径500メートルに及ぶと計算結果に出ている。 彼女達の話によれば、この世界では軍事から民生に至るまで魔法に頼っているところが多いという。しかしランカの歌があれば戦術レベルでそれらすべてを無力化することなど造作もない。フォールドスピーカーを搭載したVF-25を併用すれば余裕で戦略兵器たり得た。 「さっきの話の続きやけど、今管理局システムは本局に重きをおいてミッドを守る戦力が乏しくなっとるんや。地球全体は各自治領にそれぞれ自衛組織があるし、次元宇宙レベルの凶悪な事件は起こらんけど、管理局の本部のあるミッドじゃそうはいかん。管理局の敵対組織からの攻撃に備えなきゃいけないんや。でも近年の地上部隊は、予算の減少による練度の低下に喘いでいて、しかも動かすコストが治安隊に比べて高いことが悪循環に繋がっとる」 (フロンティアでの新・統合軍のようだな) と、軍に籍を置いていた時期があり、同じような経験もしたためそれには深く同情した。 また、これと同時にはやての声に徐々に熱がこもっていくのを敏感に感じ取っていた。 「まぁ今日ランカちゃんのおかげでその問題も劇的に改善されそうなんやけど、全快するには少なくとも1年はかかるはずや。そこで所属は本局でも、ミッドを守るための部隊。それがウチの考える新しい部隊の構想や。艦船がないから本局でも通常の10分の1の予算しか出してけーへんけど、まだ陸士部隊みたいな地上部隊よりは多い。それで高ランクの魔導士を隊長にすえて、残った予算で未来の管理局を引っ張っていく人材を育てるんや」 「・・・・・・そこでランカの歌を何に使うんだ?」 「そう、重要なのはそこや。新しい部隊には当然ミッドの治安維持も任務に入っとる。そんでミッドで起こる大概の事件は魔法を使ったものや。だから、正面から行ったら大被害を被るような場面で、ランカちゃんが歌ってくれれば相手も改心してくれるかもしれんし、突入も容易になるやろ? それで安全無事に犯人確保。めでたくスピード解決って魂胆なんやけど・・・・・・どうやろか?」 「・・・・・・つまり、戦争や人殺しには使わないんだな?」 彼女が悪人には見えないし、悪意も感じなかったが、グレイスに騙されたフロンティアの二の舞は御免(ごめん)なため、これは外せない確認事項だった。 「もちろん!管理局は元々平和のために質量兵器を禁止したんや。今頃戦争なんてウチらがさせん!」 はやてはなのはとフェイトを脇に抱える。そしてクロノすら巻き込んで大見得をきった。 いつの間にかランカもそれに参加している。どうやら彼女はもう決めたようだ。 当事者のランカが乗り気ではもうどうにもならない。 「・・・・・・わ、わかったよ。はぁ、手伝ってやるさ・・・・・・手伝えばいいんだろう・・・・・・」 しぶしぶ答えると、4人娘の間に万歳の声が高らかに唱えられた。 シレンヤ氏 第2話 その2へ
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――歪みの神より生まれし異形の巨人は死せる王の血肉を喰らい彼の翼を獲ん―― ――翼を獲し巨人は彼の地を滅し、機械仕掛けの女神が地を産み、無限の欲望は法を創り、楽園へと到る―― ――楽園に至りし時、歪みの神は女神と共に翼を駆り天を目指す―― リリカルプロファイルif 創造 時は遡り、ミッドチルダ全土を巻き込む今回の戦い機動六課陣はヴァルハラとゆりかごの動きに注意しつつ ガジェット及び不死者並びにアインヘリアルとの戦いに勤しんでいた。 ゆりかご周辺ではナンバーズとエインフェリアが激戦を繰り広げ、ヴァルハラは既に中央区画まで進軍しており、 地上本部壊滅の際の傷跡が未だ残るこの地でヴァルハラからの一斉放射を確認、周囲は瓦礫と化した。 今回の作戦の指揮を任されている機動六課部隊長八神はやて、彼女の下に信じられない情報が届く。 その情報とは本局に展開されていたアルカンシェル隊が一瞬にして全滅、 同時に二つの月の軌道ポイントに巨大な建築物が発生、アルカンシェル隊の全滅はこの建築物からの攻撃ではないかと推測、 更に建築物にはエインフェリアのイージスとミトラの姿が目撃されており十中八九、神の三賢人の仕業と推測された。 本局はヴァルハラの壊滅を優先とし機動六課陣の最高戦力を投下を要望、 はやてはこれを受け入れ暫くしてヴァルハラの姿を肉眼で発見すると、ヴァルハラは音を立てて崩れ去り瓦礫の山と化した。 その上空にはナンバーズらしき者が存在しその中にレザード、そしてスカリエッティの姿があり、 ヴァルハラを破壊したのは両名と判断、早速ターゲットを二人に変え現在に至る。 瓦礫の山を中心に広げられた機動六課陣、一方この状況に対しレザードは手筈通りの行動を促し それぞれは割り当てられた行動を行うため分散した。 「逃げる!?」 「そうはさせない!!」 フェイトはなのはの言葉に合わせるように行動スカリエッティに狙いを定め迫るが、 レザードが立ちふさがりフェイトは苦虫を噛み締めながら後退りした。 「残念ですが…ドクターの後を追わせる訳には行きません」 「くっ!!」 レザードから放たれる圧倒的な威圧感はこの場にいる生き物を凍り付かせるには充分すぎる圧力があった。 誰もが動けず冷や汗を垂らす中ただ一人、なのはだけが力強くレザードを睨み付け声を荒らげた。 「ヴィヴィオは!今ヴィヴィオはどうしているの!!」 「ヴィヴィオ?あぁ、あの“鍵”の事ですか…そんなに姿を確認したいのならお見せしましょう」 レザードは大画面のモニターを全員が閲覧できる高さで浮かび上がらせる。 そしてモニターを起動、画面にはゆりかご内の起動室が映し出され其処にはベリオンが佇んでいた。 すると徐にベリオンの腹部に映像が寄り音を立てて外装が開き扉のように開き始める、その中身に一同は絶句した。 「こっこれは……」 「貴方が望んだモノですよ」 其処にはかつてヴィヴィオと呼ばれた“者”が、ベリオンの体内に存在する生体ポットの中に仕舞われていた。 いや…最早“者”として取り扱う事が出来ない程の姿形を成しており、 裸の状態に両腕両足は消失し変わりに金属の管の束が繋がれ、 頭部の後頭部分は開かれ脳は剥き出し状態、脳には赤や青のコードが幾つも繋がれていた。 胸元も大きく開かれリンカーコアが剥き出し状態、しかもレリックと融合しているようで赤く輝き活性化していた。 その扱いはまさに“モノ”の一言、大きく変わり果てたヴィヴィオの姿に周囲は目を逸らしまたは隠し エリオとキャロ、それにフェイトに至っては口に手を当て、込み上げてくるモノを必死に押さえつけていた。 …そしてなのはは、瞳を見開き幾つもの脂汗をかき、右手で丁度心臓に位置する部分を掴み、抑えきれない衝動を必死に抑え込もうとしていた。 一方でレザードは周囲の反応に眼鏡に手を当て不敵な笑みを浮かべ楽しんでおり意気揚々に説明を始める。 ヴィヴィオはゆりかごを起動させる為の鍵、両手足は起動スイッチに用いられ 二つのレリックと融合させたリンカーコアをポット内の延命・増強・安定を兼ね備えた液体に晒すことで 活性化を促し起動に必要な魔力を確保、失った手足に繋がれている管を通って配給、 更に脳細胞に直接情報・命令を流す事によりスムーズにそして安定した攻撃を行えると説明を終えた。 「まぁ、細胞を基にした起動システム確保も考えましたが、少々面倒であったので…」 細胞を用いる際はベリオンに積載されているリンカーコアとレリックを用いるが確実性が無い為、此方を選んだという。 レザードのこの説明はまさに人を命を弄ぶ行為、フェイトは怒りのまま声を荒らげた。 「貴方という人は…どこまで人の命をバカに―――」 「人?命?何を言うのかと思えば…これはただの鍵…言うなれば“モノ”です」 人の形、人の言葉を話せばそれは全て生命体であると言う発想は滑稽であり、また無知であると力強く断言するレザード。 実体を持つ生命体とは肉体…いや物質のマテリアル、魂と言い変えれる幽体アストラル、 そして精神…この世界では記憶または情報と置き換えられるメンタルの三要素を含んだ存在、 ほとんどの生命体は各要素を持ち、神のような実体の無い存在はアストラルとメンタルを一つずつ持っている。 これはレザードが住んでいた世界では生命の三要素と呼ばれ、術者ならば常識と言える知識である。 「そっそんな言葉信じられる訳―――」 「だから無知だという、それに貴様等も目撃している、例えば……不死者」 不死者はグールパウダーによってリンカーコアを暴走、その際に肉体が耐えきれるように変化した存在、 その際に精神も抑えつけられてしまうのだが、稀ではあるが強靭な精神により意志を持つ不死者も存在する。 レザードの説明にティアナはピクンと反応する、何故ならその稀である存在を知っているからだ。 更に説明は続く、レザードの世界に存在する神の器は神が地上に降りる際、または神の精神が消滅するような事態に用いられる肉の器で、 その際に器を管理していた魂と精神は消滅するようになっていると。 「言うなればエルフ…いや神の器はコレと近しい存在、だが器は神によって造られた代用品、そしてコレはその代用品以下!」 ヴィヴィオは肉体と肉体に宿る記憶のみの不確か不完全な存在、それもそのハズ、 レザードは神の器であるエルフを参考にした訳ではなく、エルフと人を材料にして造られるホムンクルスを参考に造られているからだ。 当然この世界のホムンクルスとは名ばかりの異なる存在、だが共通点があるそれは魂が存在しないと言うところ。 「つまり其処にいるホムンクルスもまた魂の無い器に過ぎん、同じ意味で残滓である貴様等も、プログラムである貴様等もだ」 レザードは次々にスバル、エリオとフェイト、そしてヴォルケンリッターの面々を指さす。 如何に知識を得ても如何に知能があっても、造られた物である事には変わりがない。 それだけではない、能力有無によって人々は簡単に手のひらを返す、コロコロ変わる変わり玉のように。 「だから解放しやろうというのだ、貴様等も人間として生きる事が出来るのだぞ?その意味…分かるであろう……」 レザードの言葉に静かに佇む一同、フェイトはオリジナルとは異なる為に母親から虐待を受け育った。 エリオは代用品として造られあっさりと手放された、その後の周囲の物珍しい目線を受けて育ってきた。 スバルも同じだ、医療センターで検査を受ける度に嫌な思いをしてきた、真摯に対応してくれたのは一人だけだ。 ヴォルケンリッターの面々は今まではやて以外は例外無く道具として扱われてきた、 割り切ってきていたが…やはり気持ちのいいものではない。 「そして…同時に能力の有無による差別も消え去る!」 この言葉に更に静かになる、なのはは重傷を負った際、最初に放たれた言葉が罵声であった。 当時の上司は魔法が使えない人物でよくヴィータと口論していた、魔導師を快く思っていなかったのだろう。 キャロは類い希なる才能を疎まれ、また制御出来ない巨大な力の存在に周囲から冷ややかな目線を受けていた。 ティアナは兄の死を上司達に貶された事があった。 皆は多かれ少なかれ蔑まれてきていた、故かスカリエッティがそう思うのも無理はない… …そう思った矢先、一人の男が言葉を口にした。 「誰もそんな事、頼んじゃいねぇぞ」 アリューゼである、凛とした…そして一切動じない瞳でレザードを睨みつける。 人生、生きていれば嫌なことなど一つも二つも…いや幾つもある、それはこの先にも幾つもあるだろう、 だからといって道を外してまで逃げる必要があるのか?そうまでして逃げないと、いけないものなのか? 「確かに辛いときはあるわ…でも逃げてるだけじゃ進めはしない」 次に言葉を発したのはメルティーナ、ありきたりな言葉であるが人は一人ではない、 頼れる仲間、友人、隣人、恋人、動物だっていい、一人で悩むより遙かにまし。 「それに魂があろうとなかろうと、そんな小さな子供にあんな仕打ちをするアンタの方がよっぽど信用できないわ!!」 メルティーナの一言に目を覚ます一同、あの可愛らしかったヴィヴィオがあんなむごい姿となった。 それを実行したのは誰でもないレザード、結局彼も造られた者を軽視している。 詭弁…自分の罪を正当化したい、ただそれだけの為にあんな事を口走っただけに過ぎない。 機動六課陣は先程とは打って変わって目つきが変わり、威圧感が周囲に充満し始め、その様子に呆れた表情で見下すレザード。 「なるほど…誰も賛同しないという事か……ならば――」 眼鏡に手を当て不敵な笑みを浮かべ佇むと、今度は一歩前に足を突き出し右手に持つグングニルを水平に構える。 「我はひたすら、欲望の赴くままに…行動するのみ!!」 今此処に…最後の一戦の火蓋が切って落とされた。 その頃、落ち込み体育座りで茫然自失しているルーテシアの下にチンクが姿を現していた。 ルーテシアの瞳に生気は無く生きた屍状態、その痛々しい姿にチンクはそっと肩に手を置く。 「チンク…ガリュー死んじゃった……」 それだけではない、目の前でオットーも命を失った…親友と形見、両方を同時に失った故に絶望と言う奈落の底に叩きつけられていた。 チンクはそんなルーテシアの気持ちを汲み取りゆっくりと膝を付き同じ目線で立つと優しい声で言葉を紡ぐ。 「大丈夫、ガリューはルーテシアを護るために一緒にいる」 「気休めはよして」 死んだ者が身を守る事など出来ない肉体が無いから…失った命をすくい上げる、そんな事は不可能…ルーテシアはチンクに目を合わせずに言葉を紡ぐ。 とその時である、ルーテシアの耳に聞いた事がある声を耳にする、それはルーテシアがよく知る声だった。 「ルールー、ボクなら此処にいる」 「オットー!!――――?!」 振り返ると其処にはチンクの体からひょこんとオットーが顔を出しており、目を丸くするルーテシア。 チンクの話ではオットーだけでは無くノーヴェ、ウェンディの魂も存在しており、 精神集中によって魂を選別、具現化させる事が可能であると説明した。 「だから今此処でガリューの魂を具現化させる」 そう言うやチンクはその場で目を閉じ静かに回転し始め精神集中を行う。 するとルーテシアの周囲に紫色に輝く光の球体が姿を現す、それはまるでルーテシアを守っているように思えた。 「これがガリューの魂だ」 「これが……」 ルーテシアはガリューの魂に触れその暖かみを感じる、死してもルーテシアの事を思い護るという意志それが暖かさの正体なのかもしれない。 そして…チンクはマテリアライズを開始する、魂は更に輝き周囲を照らすと形を成しルーテシアの前にガリューが姿を現す。 「ガリュー!!」 復活したガリューの姿を目の当たりにしたルーテシアは飛びつくように抱き付き、ガリューもまたルーテシアを優しく受け止める。 ルーテシアの瞳からは大粒の涙が零れ落ち大きな声で泣く、それは歓喜にも安心にも似た光景であった。 そんな光景にチンクの中ではウェンディが止め処なく涙を流して感動、ノーヴェも安心した表情を浮かべ、チンクもまた静かに佇んでいた。 一方自力でゆりかごに戻ろうとしているギンガ、だが戦いのダメージが蓄積している為か思うように体が動かず帰還には苦労していた。 すると其処に上空からトーレとセッテが姿を現しギンガの肩を取る。 「二人とも……」 「放って置く訳にはいくまい」 基礎は違えど同じ仲間であり義理の姉妹を放って置く事は出来なかった。 ギンガは二人に感謝の弁を伝えると安心したのかそのまま意識を失い、自分の身を二人に預けた。 その寝顔は幼く見え二人は苦笑いを浮かべながらそっと飛び立ちゆりかごへと向かった。 いち早くゆりかごに戻ったスカリエッティとクアットロ、そして久し振りに会ったウーノと握手を交わすドゥーエ。 モニターにはゆりかごに向かっているチンク組とトーレ組、 それにドラゴンオーブの攻防戦が映し出されており、スカリエッティは腕を組んで見守っていた。 現在ドラゴンオーブは次元跳躍攻撃により各管理局支部を破壊し始めていた。 一方で管理局側は早急にドラゴンオーブの破壊を指示し隊を派遣するが、 スカリエッティ側の戦力となったエインフェリアのイージスとミトラの防衛力に成す術が無い状況が続いていた。 「ふむ、ドラゴンオーブもエインフェリアも十分な成果を上げているようだね」 「そういえばウーノ姉さん、ディードの様子はどうなのよ?」 「今は治療カプセルに入っているわ」 ドゥーエの質問に簡潔に答えるウーノ、自力で辿り着いたとはいえ傷口は深く 到着後すぐさま治療カプセルに入れ、今現在はアギトが見守っているという。 そんな報告の中、スカリエッティはモニターをある映像に切り替える、其処にはレザードが機動六課陣と対峙している様子が映し出されていた。 だが未だ開戦している様子はなく、威圧感が画面越しからでも感じるほど静寂に満ちていた。 「彼女達の相手はレザードに任すとして、此方はそろそろ行動を開始しよう」 スカリエッティは映像を映したままウーノに指示を促し、ウーノは了解すると早速ゆりかごの能力を発揮させるコードを起動させた。 これによりベリオンの体内に保存されているヴィヴィオから幾つか気泡が浮かび上がり、リンカーコアから虹色の魔力光が発生、 虹色の魔力光はベリオンを包み込み彼のリンカーコアを刺激、今度は動力炉を包み、 それを皮切りに魔力光はゆりかご全体に伝わり全体を覆い込んだ。 聖王の鎧、ヴィヴィオが持つ固有資質で攻防一体の能力である。 だが起動はともかくレリックウェポン化したとはいえヴィヴィオの魔力だけではゆりかごを聖王の鎧で包み込む事は出来ない、 其処でベリオンと融合させる事で体内に搭載されているリンカーコアと、ゆりかごの動力炉の出力を合わせる事で使用可能となったのだ。 「起動確認しました」 「ではこの世界を新たな世界へと創り変えよう」 スカリエッティの宣言を機にゆりかごは砲撃を開始、虹色の直射砲が山を海を大地を雲を空を貫き破壊が始まった。 そしてゆりかごを警護するガジェットもまた行動を活発化、森を林を家をビルを街を破壊し始めた。 まさに終焉と呼べる光景、避難所に集った住民は互いに抱き合いながら恐怖に震え絶望の淵に叩き込まれていた。 時は少し遡りレザードと機動六課陣が対峙し膠着状態が続く中、先に動いたのはシグナムとアリューゼ、 左右から正面に向かいカートリッジを二発使用、レヴァンティンは炎に包まれバハムートティアは熱せられた金属のように真っ赤に染まり出す。 「紫電一閃!!」 「ファイナリティブラスト!!」 振り下ろされた二つの強力な一撃、だがレザードはグングニルを水平に保ち両端の刃にて、いとも簡単に受け止める。 必殺の一撃を容易く防がれシグナムは苦虫を噛む表情を浮かべる中、 アリューゼは動じる事無くカートリッジを一発使用、刀身に黄色い付加魔法チャージを発生させて再度振り下ろす。 これには流石のレザードも押され地面スレスレで止まり上空を見上げると、今度はシグナムが飛竜一閃の構えをとっていた。 「飛竜―――」 「そうはさせん!!」 レザードは勢い良くグングニルを投げつけシグナムの腹部を貫き、呻き声を上げながらうずくまり、苦しみ悶えているシグナム。 一方でアリューゼが再度突撃し突きの構えのまま襲いかかるが上空へと回避、攻撃は大地を削るだけに終わり 上空へと避難したレザードは不敵な笑みを浮かべ、アリューゼに向けてダークセイヴァーを撃ち放つ。 だがアリューゼの前にザフィーラが立ちふさがり渦を巻く強力な障壁を張ってコレを防ぎ、 ザフィーラに合わせるように地上からメルティーナのスティンガースナイプ、ティアナのクロスファイアをそれぞれ二十近く撃ち放ち 計四十前後の誘導性がある魔力弾がレザードに襲い掛かるがリフレクトソーサリーにて全てを跳ね返した。 二人は跳ね返された魔力弾を必死に相殺する中、シグナムに突き刺さったグングニルを呼び戻し そのままザフィーラに投げつけて障壁を打ち破り、ザフィーラの右腕を貫き串焼き状態に変えた。 その頃スバルはレザードに向けてウィングロードを伸ばし滑走、 カートリッジを一発使用してリボルバーキャノンの準備を始める。 一方レザードがいる位置より更に上空ではフリードリヒに乗ったキャロとエリオの姿があり キャロの支援魔法を受けたエリオはフリードリヒから飛び降り垂直落下の姿勢でカートリッジを一発使用、 刀身に稲妻が走り落下速度を維持したままレザードに迫る、奇しくもこの時スバルの攻撃も準備を終えており互いにタイミングを合わせ攻撃を仕掛けた。 「リボルバァァキャノン!!」 「サンダァァレイジ!!」 『ストライクドライバァァァ!!』 スバルのバリア破壊とエリオの斬撃が交差するストライクドライバーがレザードに襲いかかるが、 当のレザードは移送方陣にてこの場を移送、二人の攻撃は虚しく空を切った。 「シャマル!!」 「出ました!此処から二時の方向です!!」 だが既に先を読んでいたはやてはシャマルに予めレザードの移送先を検索を指示、 シャマルは自信ありげに結果地点を指し暫くして魔法陣が現れ始め、 はやてはヴィータとフェイトを派遣、レザードの姿を確認するや間髪入れず攻撃を仕掛ける。 「うりゃあああ!!」 「はあぁぁぁぁ!!」 「何っ!?」 移送後いきなり、右から来るヴィータのラテーケンハンマーと、左から来るフェイトのライオットザンバーにレザードは戸惑う姿を見せるが すぐに冷静さを取り戻し両手にシールド型のガードレインフォースを張り攻撃を受け止め魔力素が火花のようにチリチリと散る。 『なのは!!!』 「準備完了!いつでもいけるよ!!」 二人の合わさる声の先には地上からレイジングハートを向け足下に魔法陣張り巡らせたなのはの姿があり、 レイジングハートの先端と末端部分に環状の魔法陣が張られていた、これはなのはがもっとも得意とする魔法である。 「ディバイン!バスタァァァ!!」 放たれた桜色の直射砲ディバインバスターは真っ直ぐレザードに向かい、 鍔迫り合いをしていたヴィータとフェイトはタイミングを合わせて離脱、レザードに直撃するハズであったが 既に張られた右のガードレインフォースをディバインバスターに向けてコレを防ぎ難を逃れた。 「まだまだ詰めが甘いですね」 「それはどうかな? 」 なのはの意味深な言葉にレザードは周囲を確認すると、遙か上空でははやてがフレースヴェルグの準備を終え今まさに撃ち放とうとしていた。 「こん時を待っとった!!いくでぇぇぇ!!」 撃ち放たれた銀色の矢、レザードは険しい表情を浮かべる中、左のガードレインフォースを向け攻撃に備える。 そしていざ直撃するとレザードが考えていた以上の威力があり、衝撃が辺りに響き渡る中、レザードのシールドに亀裂が走り始める。 「…ほぅ、これほどの威力があるとは」 レザードがはやての攻撃を評価する中、シールドが砕け散りフレースヴェルグはレザードを飲み込み大地に激突した。 辺りは土煙に覆われ姿を隠す中、レザードはゆっくりと土煙から姿を現し上空へと上っていった。 「…思っていたより、やる」 素直に評価するレザード、実際のところ他のメンバーの手を借りたとは言えレザードのシールドを砕くのは容易ではない。 一致団結、彼女達のレザードに対する怒りが力を増しているのかもしれない。 とは言え全力を出せば彼女達の団結力も稚技に等しい…そうレザードは考えていると、ゆりかごからの連絡が入る。 今し方ゆりかごは聖王の鎧を起動させ各地の破壊を開始、現在は南下しているという。 一方はやての下にも連絡が伝わっており、他の局員が対応するがガジェット及び不死者に阻まれ またはゆりかごの砲撃に苛まれ思うようにいかないのが現状であった。 「仕方ない、ゆりかごを止める為に此方の戦力を―――」 「我が…それを許すと思うのか?」 はやての作戦を耳にしたレザードは魔力を解放、ザフィーラの右腕に突き刺さるグングニルを手元に戻し 本型のネクロノミコンに変え一枚ずつページが飛び回りふわりと宙に浮く すると白金に輝く魔力光が辺りを照らし威圧感は先程以上、モードIIIカタストロフィを起動させた。 「これが…レザードの本気!!」 「その通り、さて…暫くの間、相手をしてやろう!!」 その威圧感は今までとは比較にならない程、蛇に睨まれた蛙とはまさにこの事である。 誰もが一歩も動けず威圧されている中、レザードは左手をなのはに向け親指と中指でパチンッと音を奏でる。 次の瞬間、足下は大爆発を起こし爆発に巻き込まれたなのはが宙を舞い、 なのはを助ける為にフェイトが向かい、一方でヴィータが目の色を変えカートリッジを二発使用、 グラーフアイゼンをギガントフォルムに変えてレザードに突撃する。 「ギガント!ハンマァァァ!!」 「ガードレインフォース!」 だがいとも簡単にシールド型のガードレインフォースで防がれ、魔力素が火花のようにチリチリと散り ヴィータは更にカートリッジを更に使用して威力を高めるが一向に砕ける様子を見せていなかった。 しかもレザードは涼しい表情を浮かべて見上げており、目の当たりにしたヴィータはさらに怒りがこみ上げていた。 そんな状況のレザードから思わぬ言葉がヴィータの耳を貫く。 「ふっ…八年前の再現には至らなかったか…」 「て…テメェ!あの時の事知ってんのか!!」 「当然だ、あの仕掛けを仕掛けたのは我だからな!」 ヴィータの手が震える、あの時の惨劇、手についたなのはの血…そしてなのはを傷つけたあの兵器… …全てはレザードが仕組んだ事…ヴィータは怒りの感情に満ち溢れ感情のままカートリッジを全て使用、 大きく振り上げグラーフアイゼンのリミットブレイクであるツェアシュテールングスフォルムに切り替え 特徴的な巨大なドリルが音を立てて回転し勢いが乗ると一気にレザード目掛けて振り下ろした。 「ツェアシュテールングス!!ハンマァァァァ!!!」 「グングニルよ!あの鎚を貫け!!」 迫り来るヴィータの一撃に対し左人差し指を向けレザードの周囲で輝く光が集まり出しグングニルに変わると、 横回転しながら加速し一陣の矢の如く迫りその先端と激突、その衝撃は周囲の建物を揺らす程強力であった。 「ほぅ…流石はアームドデバイス、中々の硬度…だが我は言ったハズだ、材質が違うと!」 次の瞬間ツェアシュテールングスは砕け散りヴィータの手には柄の部分のみ残された。 グングニル…いやネクロノミコンはオリハルコンと呼ばれる材質で出来ている、 レザードの世界でも神の金属と呼ばれる物で、軽く…そして硬度のある金属なのである、故にヴィータのグラーフアイゼンは砕け散ったのだ。 ヴィータは一瞬の出来事に呆然としていると、その隙をついたレザードがヴィータの右隣に位置付け魔力を纏った右手を向けていた。 「こうなってしまえば鉄槌の騎士も形無しだな!」 「ヴィータ!逃げ―――」 シグナムの叫びも空しくヴィータはライトニングボルトの前に消え去り、地上に向け雷鳴が木霊する。 そして跡地にはバリアジャケットの一部が黒く焦げ、体の至る所から白い煙を放ち白目を向いたヴィータの姿があった。 この光景にシャマルの治療を受けているシグナムが立ち上がる、先程の攻撃の痛みは完治していないが、 目の前で仲間が倒れ何もしない事が出来る程、今のシグナムは冷静になる事は出来なかった。 「待ってシグナム!まだ――」 「これだけ痛みが取れれば十分だ!」 そのまま飛び立とうとした時、レザードの下に一人の人物が迫る。 アリューゼであった、しかしその姿は二重に見え分裂しているように思えた。 そしてレザードの頭上で刀身を振り下ろすが、何時の間にか戻っていたグングニルに押さえ込まれた。 「ほぅ…レヴェリーか」 レヴェリー、自身の分身を造り動きをトレースさせる幻術であるが、分身もまた本体の30%の威力を誇り幻術としては高度な魔法である。 それを一撃受けただけで見抜いたレザード、だがアリューゼは気にする事無く再度攻撃を仕掛け 左払い、突き上げ、振り下ろしと次々に打ち出すがその全てをグングニルで防がれてしまう。 「対した剣圧だ」 「よく言う!簡単に受け止めやがって!!」 アリューゼの腕はレザードより遥かに逞しく本来であれば容易に防ぐ事は出来ない、 だがレザードの肉体は特別、神の器たるハーフエルフの肉体しかも神王の器である為か、 または自身の力を存分に振るえるよう調節されている為か、本来の肉体とは異なる力を持っていた。 とは言え元々魔導師である為、魔力で戦う事を得意とし槍や接近戦に疎いレザード、 すると其処にシグナムが加勢し流石のレザードも達人二人の剣捌きに防戦一方、バリアを張って攻撃を受け止めた。 「流石だ…貴様等ならばこの力存分に振るえようぞ!」 「なっなんだ?!」 「レザードから赤い魔力だと!?」 湯気のように赤い魔力が立ち上り戸惑いの色を見せるアリューゼとシグナム、 そして赤い魔力はグングニルにまとわりつくと光を放ち、刀身は赤く染められていた。 マイトレインフォース、レザードが持つ武器と一撃の威力を1.5倍高める効果を持つ支援魔法である。 「さて…反撃と参りましょう!!」 レザードが不敵な笑みを浮かべる中、騎士の本能かグングニルに危険を察したシグナムはカートリッジを三発使用、 紅蓮の炎に満ちた紫電一閃を振り下ろしバリアを破壊、そのままレザードに迫るが グングニルを振り上げレヴァンティンと激突、一瞬にして砕きガラクタに変えた。 だがレザードの攻撃は終わりではない、次にアリューゼ目掛けてグングニルを投げつけ 今までとは異なる程の加速された凶刃は心臓に突き刺さり、アリューゼごと地面に激突した。 一瞬の事で呆気にとられていたシグナム、その顔に右手を向けアイシクルエッジを唱え 突き刺さる氷の刃を中心に凍り付きそのまま自然落下、地面と激突すると粉々に砕け散った。 「脆い…騎士とは名ばかりか……」 瞬く間に三人を撃破したレザード、既に彼の魔法には非殺傷設定などされて無く受ければ良くて即死、悪ければ致命傷を負うことになる。 目の前に突きつけられた絶対の恐怖…死、スバルは副隊長達の死を前にして震えが止まらなくなり また自分の無力さを噛みしめ嘆いていた、すると其処にレザードが静かに降り真っ直ぐスバルの下へ歩み寄る。 「くっ……来るな…来ないで!!」 レザードが一歩歩み寄る度にスバルは一歩後退りする、それ程にまでスバルは恐怖をしていた。 一方レザードはスバルの恐怖でひきつった顔を目にし、含み笑いを浮かべるも姉との違いに呆れた様子を見せていた。 「やれやれ…今の貴様の姿を見たら姉は悲しむ……いや嘲笑うだろう」 「姉……ギン姉!?」 「そうだ、今は我々の処にいるのは知っているだろう」 ギンガの誘拐、その現場に居合わせていたスバル、あの時の悲しみは今でも胸に潜めている。 今ギンガは元気にしており、スカリエッティの配下としてナンバーズと暮らしているという。 「そんな…ギン姉が……」 「何故ならナンバーズの中には貴様の妹もいるからな」 「いっ…妹!?」 ナンバーズの一人ノーヴェ、彼女の細胞はスバル、ギンガと同じクイントの細胞で造られた存在、 言うなれば腹違いの妹、ギンガはノーヴェを妹として可愛がりノーヴェもまた新たな姉として受け入れているという。 「貴様だけ蚊帳の外と言うわけだ」 だが、今此処で仲間達を裏切り此方に付く気があるのなら喜んで向かい入れ、 また魂が欲しいと言うのなら与えてやると優しい口調で言葉を並べるレザード。 その言葉にスバルは心が揺れる、最初はスカリエッティからギン姉を助け出すつもりであった。 だが目の前で起きている現実、自分より遙かに強い副隊長達の死、それを容易く行ったレザードの実力、 適わない…どれだけ自分を鼓舞しても震えが止まらない、本能で恐怖しているのだ。 「さぁどうする?この手を取るかスバル…」 「わっ私は………」 差し伸べられたレザードの左手、これをとればギン姉…そして妹であるノーヴェと仲睦まじく暮らせる。 だがそれはミッドチルダを機動六課の仲間を見捨てると同義、 どちらも捨てられない選択にスバルは戸惑いを見せているとレザードの背後を橙色の魔力弾が螺旋を描いて襲いかかり レザードはバリアを張ってこれを防ぐ、その先にはティアナが銃を構えていた。 「スバル!気をしっかり持って!!」 「ティアナ………」 レザードの言葉が全て真実であったとしてもレザード達が行おうとしている事を正当化させる理由にはならない。 それにギンガは洗脳されている可能性もある、だとすれば洗脳から解放出来るのは真の妹たるスバルしかいない!っと力強く答えた。 「絆はそう簡単に断ち切れないんだから!!」 「っ!!そうか…その髪の色、その武器、技、何処かで見た事があると思えばあの時の男と似ている」 「なっなに!?」 五年前、ある不死者が研究所から逃げ出しレザード自らが赴き抹殺した。 その時目撃者として管理局の局員がいた、ティアナと同じオレンジの髪に二丁拳銃を扱う男、 少々…そう不死者抹殺より少々手間取ったが、その男の抹殺も一緒に行った事があったと手のひらをポンっと叩き思い出す。 「そう言えば、集団暴行に見せかける為に遺体を切り刻んだ記憶があるな…」 「アンタが…アンタが兄さんを!!」 今まで仇などいないと思っていたティアナの前に突然現れた仇討ちに、 髪をふわりと立たせ持っているデバイスが振るえるほどに握りしめ 今までスバルにも誰にも見せたことのない瞳に怒りを宿したティアナ、 …いや最早怒りでは無く殺意、その感情はカートリッジ全てを使い、足下に魔法陣を張りファントムブレイザーの構えをとらせた。 「兄さんの仇ぃぃぃぃ!!!」 感情のまま怒りと殺意が込められたファントムブレイザーは放たれ激流のようにレザードに迫る、 だがレザードは涼風を感じるかのように動じることなくバリアを張り攻撃を受け止め、 また自身の足下に広域攻撃魔法特有の多重環状魔法陣を張り巡らせた。 「セラフィックローサイト」 右手を向けた先に光が集まり巨大な光の直射砲に変わるとティアナの渾身の一撃を掻き消し そのまま吸い込まれるようにティアナを飲み込み、遠くにそびえ立つ山に激突、山は一瞬にして消え去り またセラフィックローサイトが通った場所は大きく削られ草木一つも残らない更地と化していた。 「兄妹揃って愚か者めが……」 レザードの放った何気ない一言、それはスバルを恐怖から解放させた。 スバルはティアナの決意を知っている、兄の死を意志を引き継ぐ事により乗り越えた。 それはまたティアナに大きな試練を与える事にもなるが、決意を胸に秘めていれば乗り越えられた。 スバルもそうだ、決意を胸に秘めていればギンガを救う事だって出来る、その障害が例え大きくても乗り越えられるハズ。 だが奇しくもそれに気付かされたのはティアナの命を懸けた特攻、無駄には出来ない…例え自分の腕が使い物にならなくても… 「私は…」 「ん?」 「私はもう迷わない!!」 決意を秘めたその瞳は金色に輝き全身から魔力が溢れ出しカートリッジを三発使用、 A.C.Sドライバーを起動させ更に右拳には自身のISである振動破砕が発動していた。 そして突撃、躊躇無く拳を振り下ろすがレザードのバリアに苛まれる。 ところが振動破砕による振動エネルギーがバリア全体に伝わり亀裂が生じ暫くして砕け散った。 「なんだと?!」 「イケる!!」 振動破砕は四肢から衝撃波を放ち共振現象を起こし相手を粉砕する、“物質”においてはまさに一撃必殺な技。 そしてがら空きとなった腹部、それを見逃す手は無いスバルは再度振動破砕を行い躊躇無く振り抜きレザードを腹部を直撃した。 ……だが直撃した腹部は光の粒子と化し貫くと言うより通り抜けた感触を得て拳はレザードの背に出ていた。 しかもレザードの口元が徐々につり上がり、全く効果が無い事を証明していた。 「なっなんで!?」 「残念だが…アストラル体の我の体には通じん!」 振動破砕は魔法の源である魔力素に働きかけ結び目を解くことで魔法障壁をも砕く事が出来る強力な攻撃である。 だがそれは物質での話、アストラル体である今のレザードの肉体には効果が無い、ミッドチルダでは幽体が研究されていないからだ。 つまりこの世界でレザードを傷つける者は誰もいない、そんな絶望な事実にスバルの瞳孔が開く頃、 張本人であるレザードは不敵な笑みを浮かべながら左手でスバルの右腕を掴む。 「なっ何を!!」 「知れた事…その右腕についているデバイスを貰う!」 次の瞬間、右手にグングニルを携え大きく振り下ろし、右肩ごと切り落とし スバルは左手で傷口を押さえてうずくまり、傷口からは稲光がショートしているように放っていた。 その姿に高笑いを浮かべ移送方陣にてスバルの右腕をゆりかごに転送、終えるとうずくまるスバルに右手を向けた。 「では死んで…いや、壊れて貰おう!」 スバルは最後の抵抗にレザードを怒りの眼で睨み付け悔しがる表情を浮かべていると 後方の空間に円上の鏡が現れ糸が二本飛び出しスバルに巻き付くとそのまま引きずり込まれ、次に現れたのはシャマルの腕の中であった。 旅の鏡にてスバルを引き寄せた結果である、そしてシャマルの前にはザフィーラが立ちふさがり障壁を張りつつ 右拳を振り下ろし鋼の軛を打ち出しレザードを縛り付けようとするが、 レザードはグングニルで薙払い衝撃波が走り一瞬にして鋼の軛を振り払いザフィーラの障壁も打ち破った。 「では、今度こそ死んで貰おう――」 とその時、上空から金色の閃光と地上から黄色の閃光が走り、 それに気が付いたレザードはザフィーラに向けていたグングニルを上空に左手を地上に向けシールドを張り閃光を受け止める。 閃光の正体、それはエリオとフェイトであった、フェイトはなのはをキャロに任せ 真ソニックフォームとライオットザンバー・スティンガーを発動させ エリオはバリアジャケットの上着を脱ぎ足下を電気で覆う事で加速を促していた。 「ふっ…そんなに死に急いでいるのならば先に残滓達を片づけるとしよう」 余裕のある表情でフェイトを見上げるレザード、その態度に二人は苦虫を噛むような険しい表情を浮かべ、一度レザードから離れ再度攻撃を仕掛ける。 上空からのフェイトの攻撃、地上からのエリオの攻撃、二人の息のあった攻撃にレザードは全方型のガードレインフォースに切り替え攻撃を防ぐ。 だが二人の怒濤の攻撃は止まらずエリオの紫電一閃、フェイトはスティンガーを合わせたカラミティに切り替え一気に振り払った。 この攻撃によりバリアは破壊され二人の攻撃がレザードに直撃するが、アストラル体であるレザードの肉体には効かず、受けた場所は光の粒子と化していた。 するとレザードは右手をフェイトに左手をエリオに向け三種のバインド、レデュースパワー、レデュースガード、プリベントソーサリーで縛り上げ、 そしてプリベントソーサリーの効果によりバリアジャケットが強制解除、二人は制服姿となった。 「くっ!こんな事で!!」 「無駄だ…貴様等如きにこのバインドは外せん」 そのまま二人を置いてザフィーラ達に歩み寄り右手を向けると足下に多重環状魔法陣を広げ 雷が発生し徐々に大きくなると竜骨の形を象っていた。 「ブルーディッシュボルト」 放たれた雷の竜骨はザフィーラの盾を瞬時に砕き、ザフィーラの身スバル、シャマルを飲み込み天高く上り 雲に直撃すると強力な稲光を放ち辺りを照らし雲を晴らし消滅した。 続いてフェイト達に体を向ける二人の目には絶望の色は無く、その瞳が気に入らないレザード、 どうにかして絶望の色に染められないものか…とその時一つの案を思い出し不気味な笑みを浮かべる。 「まずはその小さい方だ」 レザードは右人差し指を向け刃と化したページを飛ばしエリオの両腕脚を斬りつけエリオに激痛が走る中、 今度は突き刺しエリオの体を浮かせフェイトが覗ける位置に付ける、そして一枚ずつ急所を外しながらページを飛ばしていく。 その度に刻まれ貫かれ激痛が走りその都度叫び声を上げるエリオ。 「うぁああああああ!!!」 「良い声で鳴く、楽器としてはまずまずだ」 更にページを飛ばし両肩・頬・右目・左わき腹・耳を切り裂き、とうとう左手首と右足首が切り落とされる。 激痛に大量出血、致命的な傷…制服は黒ずんでいるかのように血で染まりあげ、既に声を上げる事すら困難、いわゆる瀕死である。 それを目の前でまざまざと見せつけられるフェイト、顔や服はエリオの返り血を浴び赤く染まり エリオの変わり果てた姿に真っ青と血の気の引いた表情に瞳は絶望の色を宿していた。 「そうだ!その表情が見たかったのだ!!」 レザードはフェイトの顔に指を指し喜びに満ちた表情を浮かべる、 その表情こそレザードが求めるもの…そしてそれを堪能した以上、用が無くなりグングニルにて腹部を貫き 更に縦に回転、エリオは二つに分断され溢れ出した血はフェイトを染め上げた。 「あ……ぁあ………ぁあああああああ!!!」 「壊れたか…まぁいい」 既に興味を無くしたレザードは先程と同様に魔法陣を広げフェイトを中心に炎が囲むように走る。 「灰も残さん、イフリートキャレス」 次の瞬間、指をパチンッ鳴らし炎はフェイトに迫り巨大な火柱となって燃え上がる。 その炎の勢いは痛み熱さを感じさせてくれる暇を与えない程で強烈な熱は周囲に充満した。 ifへ 目次へ if2bへ
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マクロスなのは 第23話『ガジェットⅡ型改』←この前の話 『マクロスなのは』第24話 『教導』 前半 『アルトくん!!』 『アルト隊長!!』 遠方にて支援狙撃を続ける2人の呼びかけがあるまでもなく、敵から意識を離していなかったアルトはガウォークで急降下して現域を離脱。直後ガジェット部隊5機よりロックオン、ミサイルが放たれた。 ロール降下したため天井を下界に向けるアルトは真下に顔を向けると、むこう側に見える自らの下半身と共にヘルメット内蔵のHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)に映りこむ5個の赤いマーカーを確認。マーカーの横に表示される距離の数字が命中を表すゼロに近づかんとその数を減らしていく。 ロックオン警報の騒音の中アルトはVF-25の折っていた足を戻して推力を全開にし、ミサイルからの退避を図る。 『隊長、今落とします!』 さくらの声に遅れること数秒、バックミラーが一瞬青白い光を捉え、後方を遷移していたミサイル群をその花火の下に誘爆させた。 「サンキュー」 アラートが消えたことで追尾してきたミサイルの撃墜を確認したアルトは、インメルマンターンで高度を稼ぎつつ戦闘空域に復帰した。 そこで先ほど近くにいたはずのフェイトやヴィータが自らのフォローに入らなかった理由を知った。 当初5機だったガジェットの迎撃戦力だが、いつの間にやら目標の重点を輸送船『キリヤ』から変えたらしい。新たに10機のガジェットが戦闘能力を一時的に減衰させた天城へと攻撃を集中させており、遠方の狙撃部隊ともども彼のフォローにかかりきりだったようだ。 地上に降りられれば推進剤を使わないのでVF-1Bの復旧が早くにできるのだが、このように海上ではそれも叶わず足手まといとなるしかない。 しかし天城のしぶとさは折り紙つきなものがあるし、守るフェイト達の技量も申し分ない。過程はともかく天城が囮となることで防衛目標のキリヤから大半のガジェットを引き離せただけでもよかったと思いなおした。 (大使達の到着まであと2、3分ぐらいか・・・・・・) レーダーに映る2機の機影は自家用機だろうか?小型の機が時速600キロほどでこちらへと遷移しており、防空任務もあと少しのようだ。 アルトは切り替えに伴って前方に向き直ると、目前に迫るガジェットは5機。一番最初に迎撃行動を取った5機のようだった。 翼下に懸架された短距離MHMM(マイクロ・ハイ・マニューバ・ミサイル)のシーカーがアルトの視線によって目標をロックし、10発のMHMMをランチャーポッドから放出、空になったポッドを投棄する。 一方ガジェットも回避行動に入る前にMHMMを放ち、都合15発もの飢えた狂犬が迫る。 それに対抗してVF-25に搭載されしアクティブ・ステルス・システムがミサイルを含む敵のレーダーすべてにハッキング。そうして情報を書き換えることで追尾システムに混乱を起こさせて命中させないようにするのだ。しかし当然それのみでは狡猾な狂犬を騙しきることはできない。 散らされず生き残った10発近いミサイル群にヘッドオンしたVF-25は命中寸前に機体上面のスラスターを全開。機体全面を下降させるようにしてそれらを素通りさせると、反転したそれらから逃げるように上昇をかけてミサイルたちを束ねる。そこで推力偏向ノズルを数瞬左に振ったかと思うと、頭(機体前部)を支点に重い尻(機体後部)を機体上面から見て反時計回りに振り上げて180度横テールスライドした。 前方を向いたまま固定されたガンポッドの眼前には並んだ忠実な犬達。ガンポッドはそれらに餌をやるように青白く光る魔力弾をばらまき、食いついたいけない犬を魔力爆発の中に葬った。 最後まで獲物を追い続けた飼い主に忠信な犬は自らの腹の中に眠る近接信管を作動。その役目をVF-25へのダメージとして果たした。 爆発とGとで揺さぶられる機内で転換装甲とPPBSの制御をしつつ敵編隊と肉薄していく。 その中こちらのミサイルが命中して1機の機動が乱れる。 「捉えた!」 急加速に続いてガンポッドの弾丸を浴びせようとしたが、他4機が立ちふさがるようにミサイルを10発ほど斉射して友軍を援護した。 アルトは反射でスラストレバーをフルリバースすると、機体は足を前に振り出して急制動する。そこで直接追ってこないように牽制としてガンポッドを掃射しつつ、反転退避をかけた。 「しかしなんで連中がいきなり連携を・・・・・・AIをゴーストのにでも変えやがったのか?」 反転から加速へと続いた急激なGにあえぎながら呟く。図らずしも真理を突いたアルトだったが、次の瞬間鳴り響いたロックオンアラートによって吹き飛んだ。 アラートと同時に多目的ディスプレイには「64以上のレーダーロックを受けているため、アクティブステルスシステムの性能低下」を警告する表示が付く。元の世界では数の多いバジュラやゼントラーディの大編隊との少数機での遭遇、キロメートル級戦闘艦の一斉ミサイル発射などでしか点くような場面のない表示だ。そうでもなければたった1機に対して64以上もの個体からそれほどの時間差もなしに一斉に照準が行われるものではない。 レーダーには後方と左右から多数のミサイルが迫っていることを示しており、追っていた5機だけでなく左右の他編隊(キリヤを攻撃し続けていた編隊とフェイト達と戦っている編隊)のガジェットもミサイルを一斉に撃ってこちらを本気で落としに来たようだった。 先の表示が付いた場合、チャフにフレアに装備の全投棄による囮など遮二無二(しゃにむに)なって逃げるもしくは友軍の連携をもって全力で迎撃するのがセオリーであり、唯一に近い生存方法である。 しかし現状、そのどちらの選択肢も取れないアルトは第3の選択肢に賭ける他なかった。 「メサイア、FASTパック装備!いくぞ!」 『Yes sir.』 機体の胴体部が青白い光に包まれ、それも収まらぬうちに側面スラスターを全開にして鋭くターン。遠心力で振り払われるように弾き飛ばした魔力が、青白く煌めきながら空中に拡散していく。 VF-25は出現させた4つの大型ブースターから膨大な粒子の尾を引きながら後方だった敵(つまり当初の5機)へと最加速させ、左右から迫っていたミサイルを後ろに付けつつ直進する。機体の各所にあるチャフ・フレアディスペンサーからはありったけのチャフとフレアがばら撒かれ、推進排気の粒子の魔力光を乱反射して妖しく瞬く。 そしてついに前方からのミサイルに接敵。アルトの操縦に従ってVF-25の推力偏向ノズルが、各種空力制御板が、FASTパックの推進ノズルがこれ以上ないほど正確に制御されて、まるで機体を木の葉のように舞わせる。その舞いごとにヘッドオンした前方のミサイルがVF-25をギリギリで素通りしていく。 しかしアルトの神業的操縦技術があろうと、ミサイルとしてはそんな簡単には避けさせてくれない。 ガジェットのミサイルはベルカ式カートリッジシステムの大容量カートリッジ弾を少し大きくした程度で、バルキリーのMHMMより遥かに小さい。しかし技術が先行しているのか、はたまたロストロギアの恩恵かMHMMに匹敵する速度と威力を持っていた。 最接近に合わせてミサイルは近接信管を発動させて、VF-25をその魔力爆発の奔流で呑みこもうとする。 しかしここはアルトの度胸が勝った。 FASTパック装備による迷いのない正面接触はミサイルが想定していた相対速度を上回らせ、VF-25が爆圧に挟まれるような致命的な位置からほんの少し後方にズレたのだ。 アルトは魔力爆発のあおりをフィードバックして暴れる先進型デジタルFBL(フライ・バイ・ライト<コンピュータを介した飛行制御システムの一種>)の操縦桿を抑え込み、直進飛行を継続しようとする。 鳴り響く2重奏のアラート。 ロックオンアラートに交じって新たに鳴り始めたアラートに多目的ディスプレイを睨むと「SPS-25S/MF25(FASTパック)に深刻なダメージ」とあり、機体を上から見た簡易図の右舷側FASTパックが真っ赤に染まっていた。 一度出してしまったら2度目は当分できない虎の子の装備だったが、迷う間もなくそれをパージした。 バックミラーに一瞬映った右舷側FASTパックは機関部より煙を吐いていたが、後方より追ってきたミサイルと接触して爆発。それからは誘爆に次ぐ誘爆により、無数のミサイルと引き換えにその原形を失って行った。 時間にして10秒に満たぬ切り札の活躍に惜しい思いが駆け巡るが、かの切り札が残してくれた意志はしっかりとこのVF-25に残っている。 それは形としては莫大な推進力によって得た運動エネルギーに過ぎないが、いついかなる時でもそれは空戦では大切なものだった。 「射程まであと少し・・・・・・!」 宇宙空間なら弾頭の到達時間が多少伸びるだけで大して気にもしないが、重力と空気抵抗のあるここではガンポッドの実体弾の有効射程は3000メートル。敵が転換装甲であるなら実質1000メートルがいいところか。 接近を阻止する様に放たれる弾幕に機体を焼かれながらも、ついにターゲットレティクルが敵へと収束して赤くなる。 ロック、レンジイン! 「喰らえ!」 ガンポッドから毎分300発という速度で58mm高初速徹甲弾が放たれ、至近であればバルキリーの転換装甲をも5、6発で貫徹する運動エネルギー弾は直撃した2機を紙屑のように引き裂いてその構成部品を大気中にまき散らした。 直後アルトはスラストレバーを引き起こして45度に傾けると、フットペダルを蹴りこんだ。 この操作によって機体はガウォークに可変して空中を滑る。眼前には撃墜は免れたが、被弾して動きの鈍ったガジェット。このまますれ違ってしまえばみすみす転換装甲の復旧時間をやるようなものだ。VF-25は前進する慣性力をそのままにガウォークの立体機動によって敵を追い詰め、その手に掴んだ。 バルキリーにとって掌の大きさ程度のガジェットの感触をEXギアのフィードバックによって認知したアルトは、バトロイドへと可変し残った2機のうち近かった方へと投擲した。投げられて制御不能に陥ったガジェットがきりもみしながらその1機に向かっていく。 アルトはそれが直撃して2機とも撃墜する1石2鳥を確信するが、それは1発のミサイルによって防がれた。 その視線は魔力爆発によってあっという間に空中分解したガジェットを見送るが、内心驚愕していた。 「あいつら、味方を助けるために味方を撃ちやがった・・・・・・」 あのミサイルは間違いなくガジェットのもの。しかも通常はIFF(敵味方識別装置)でも積んでいるのか間違って追尾しないし、当たってもミサイル自体の破損以外で誤爆しているところは見たことが無い。 となると意図的としか考えられないが、こんな非情だが友軍の意図的な破壊すら勘定に入れた戦い方ができるのは人間か、あるいは第25未確認世界の最新型AI、それもゴーストクラスのAIだけだった。 ―――――『眼と眼があった瞬間』とはこのことだろうか? アルトはヘルメットのHMDに映り込んでいた観測機器を外装したそのガジェットに視線を向けると、なぜかそう感じた。 対人戦では幾度か感じたことがあるが、機械に対してそんな事を思うとは。しかし彼の鋭敏な感性は明白にその無機質な飛翔体から意思を、一般人に分かるようカテゴライズすればエースパイロットが発する殺気に近い何かを感じていた。 そのガジェットは撃ち尽くしたらしいミサイルポッドを棄てて降下してくる。 反射的にバトロイドのガンポッドで迎撃するが、スラスターを機体対G性能の限界まで使って回避運動するそれには全く当たらない。そうかと思えば衝突警報が真横の死角からの攻撃を感知。どうやら先ほど救われた1機らしい。アルトはこれをファイターに可変することでかわしたが、ミサイルもとうに底をつき、機体にもダメージが蓄積されているこの状況で2対1ともなれば必然的に不利にならざるを得なかった。 (*) 「派手にやってるじゃない」 ようやく視認できるようになり、機体の高性能カメラで管理局の部隊と同業者か知らないがガジェットとか言う機械を使う勢力が戦う様を眺める。 キリヤによれば管理局の護衛を受けているという。どうも政府に潜り込ませたこちら側の工作員が気を効かせて自分達を他世界から来た密使ということに仕立て上げ、管理局を味方に付けたようだった。 『どうします姉(あね)さん?こいつは武装なんてしてませんし、とっととずらかりましょうぜ!』 裏ルートで手に入れたVF-1C(民間用デチューン仕様)に乗る手下が呼びかけてくる。 「まぁ、あんたはとっととキリヤの格納庫に入りな」 『わかりました。・・・・・・あれ?でも、姉さんは―――――まさか!?』 「あん?決まってるじゃないかい。あたしら次元海賊「暁」を襲ったやつらにお灸を据えてやるのさ」 舌舐めずりと同時に彼女は左手に握っていたスラストレバーを押し出し、EXギアとかいうバリアジャケットから機体に嘗てクラスSと言われて持て囃された自分の魔力を供給。MM(マイクロ・マジカル)リアクター(小型魔力炉)から増幅して出力した青白い粒子をノズルから噴射した。 『ちょっ、姉さん!』 「うっさいね、ちょっとは楽しませなさいよ!」 機体は民間機であるためMMリアクターを積んでいないVF-1Cに合わせていた出力からミリタリーパワーとなって、戦闘空域へと先行していった。 (*) 彼女の乗るVF-11の試作機YF-11Aはキリヤ上空を占拠していたガジェット7機に対して、搭載されていたミサイルポッドのMHMMをすべて斉射。32発にも及ぶ弾幕は1機につき4発以上という大盤振る舞いであったため、いかがミサイル妨害装備を搭載したガジェットと言えど分が悪すぎる。 7機のうちキリヤ攻撃のアプローチに入っていて逃げ遅れた3機がその身を海洋汚染の材料とし、残りの機体も一時退避を決め込んでキリヤ上空から離脱していった。 (無人機のくせに損失が怖いと見える・・・・・・) よほど高価なものなのだろう。と彼女は思う。 次元海賊と言えど武装その他は供給元に頼っているため、それらを研究開発、さらには量産すら自前でやってのけるスカリエッティ勢にとってはあれらが捨て駒でしかないことはわからなかった。 あの退避もゴリ押しせずに態勢を立て直してからの攻撃を選んで試験機体を出来るだけ多く残したかっただけで、他意はなかった。 しかし彼らはすぐにキリヤへと戻って来ることは叶わなかった。後方に置いてきたVFー1Cに寄り添う様に管理局の魔導士1人とバルキリー1機が輸送船『キリヤ』までやって来て、砲撃で敵を散らし始めたのだ。どうやら先ほどまで中距離で火力支援をしていた部隊のようだった。 そこへ開いていた回線から通信が入り、ホロディスプレイが立ち上がった。 『この空域での作戦行動を任されている時空管理局機動六課の八神はやて二等陸佐です。大使の護衛機とお見受けしますが、確認のため機載のIFF(敵味方識別信号)の起動、もしくは貴官の所属を述べてください』 開いた画面の中で、佐官にしては若い小娘が淀みなく告げる。 調べた限り現在武装したバルキリーは例外なく管理局の所属であるはずなのでこの質問は道理だったのだが、もちろん応えられるわけなかった。 しかし答えあぐねていたところで、あちらに1本の連絡が入った事で追及が止まった。 『―――――え、なんやて?内閣府から?至急で?すみません、ちょっと失礼します・・・・・・』 音声がミュートになったのか相手の声が聞こえなくなる。この場で管理局とガジェット達の両方を相手取って戦うのは勘弁と思っていた彼女としては、願ってもないだろうチャンスを無駄には出来ないとVFー1Cに秘匿回線を開いて 「今のうちにキリヤに乗り込むんだよ」 と指示した。 キリヤの上部ハッチが開閉し、VFー1をその腹の中に収めて行く。甲板上部に開いた搬入口は1つしかないので、自分はまだ乗れそうになかった。 一方画面の向こう側では声は聞こえぬが相当白熱しているようだ。確かはやてと言ったか、その小娘が怒りもあらわに通信相手に怒鳴っている。 唇を読もうとしたが、「武器輸出を容認する~」まで読んだところで気づかれて映像回線も保留にされてしまった。 時間が過ぎて行く――――― 変わらない「少々お待ちください」との文字と、MTT(ミッドチルダ電信電話株式会社)のロゴを映し出した画面を見つめていても仕方ないと周囲に視線を投げる。 今キリヤ上空には3人の魔導士と1機のVFー1Bが旋回しつつ敵を近づけぬよう防衛線を張り、狙撃仕様らしいVFー11はVFー25の援護を近距離にて行っていた。 狙撃仕様で近距離戦闘とはこれいかに?と思ったが、VFー25とガジェットは互いの高機動ゆえに至近距離で戦闘を行っていて、遠距離狙撃など出来なかったようだった。 (あんな重そうなライフル持ってるのに、いい動きするじゃない) その動きは自分が知っているような狙撃屋(スナイパー)の動きではなかった。 ある時はファイターで間合いを詰めたかと思うと、敵の攻撃をガウォークの立体機動力とバトロイドの耐弾性で無力化する。そして追い詰めた敵を一撃必殺の青白く輝く砲弾で貫き大海原に沈めていく。 重い獲物であるライフルはうまく機体の推力で打ち消すことで、その質量を感じさせなかった。 これこそなのはがさくらに教え、アルトの指導の下バルキリー用に昇華させた近・中距離機動砲撃戦術の一端であった。 そんな戦闘を眺めていると、キリヤから通信が入る。VF-1の収容が完了したので、このVF-11も収容してとっとと逃げようという要旨だった。 「わかった。ここに残る道理もないし、とっととずらかろうかい!」 答えるとともにキリヤの甲板にガウォークの機体を下ろすと、格納可能なファイター形態に可変して翼をしまい込む。その間にも搬入口からノーズギア(機首の車輪)を引っ張る形式の牽引車がやってきて、慣れない機体のそれとのドッキング作業に躍起になっていた。。 上空の管理局部隊は武装したバルキリーを他国の民間船に乗せようとしていることで戸惑っているようだったが、ガジェットのキリヤに対する攻撃も未だ止ま無いこともあってか別段行動までは起こそうとはしなかった。 「何してんだい早くするんだよ!」 キャノピーをあけて手下どもに怒声で発破をかけるが、その解答は想定外のものだった。 「規格が合いません!!」 「はぁ!?わざわざ管理局の規格に合わせたもの持ってきておきながらそんなことないでしょうが!!さっきのVF-1だって―――――」 「あれには合ってたんですが、これとは違ったんです!!」 彼は言うなり艦の修理に使う溶接具を持ちだしてきた同僚たちと、ノーズギアを簡易溶接で繋ぎ始めた。 彼女達は知らなかったが、持っていきたYF-11Aはその型番が示すようにVF-11の試作機としては最初期型。そのためこれは技術開発研究所製だ。 その頃オーバーテクノロジーの全容を測りかねていた管理局の技術者たちはアルトの講釈で「何でもないように見える構造にも、オーバーテクノロジーではなんらかの意味がある場合がある」と言われ、その立証試験機としてもこのYF-11Aをノーズギアなども含めてすべて第25未確認世界の設計図通りに作ったのだ。 これのおかげでオーバーテクノロジーに対する理解の向上と、エンジンの大出力化などVFの改良に大きく貢献していたという。 そんな理由のおかげで第25未確認世界の規格だったそれを彼らは簡易溶接で無理やり牽引車に繋げると、搬入口に引っ張り始めた。 ・・・・・・しかし少し間に合わなかったようだった。 開いていたホロディスプレイに光が戻り、先ほどの小娘、八神はやてを映し出す。 反射的に身構えた自分にはやてが告げる。 『ご安心ください。これは秘匿回線です。我々以外は聞いていません。・・・・・・あなたはハルピン・ギャビロフ特務一佐ですね?失礼しました。機動六課一同は貴官の任務の成功をお祈りしております。以上、交信終了』 「え・・・・・・?」 突然本名を言われたかと思えば、謝られてさらに敬礼までされて送りだされてしまった。てっきり偽装がばれて袋叩きに会うものだと思っていたのでまったくの寝耳に水の対応に逆に戸惑う。 確かに自分には時空管理局での従軍経験がある。調べればそのギャビロフなる人物は第三一管理世界出身で最終階級は三等海佐だったとわかるだろう。しかしもう10年も前の話だし、当時艦長をしていた本局のML級強襲巡航次元航行艦『カトリーヌ』ごと謀反を起こして次元海賊「カトリーヌ」を立ち上げてしまっていた。 (確かあの事件は、事故での喪失扱いで決着したって聞いたわね・・・・・・) はやてがこちらの本名を知っているところから察するに、その接点を利用してか内閣府に潜っている工作員が上手いこと話をでっち上げたのだろう。 (さすが先代、こんな工作員を送り込むなんて優秀ね・・・・・・私はあの人を越えなきゃいけないのか・・・・・・) 次元宇宙に主義も主張も違うが、数多ある次元海賊の中で自分の所だけが唯一管理局のミッドチルダ中枢に工作員を擁している。 それは自分が立ち上げた次元海賊「カトリーヌ」を吸収した次元海賊「暁」の首領であった彼がその類稀なる才覚を持って潜り込ませた人員だった。 そして今回の作戦のキモとなった輸送船『キリヤ』もその先代が盗み出してきたものだった。 (ほんと、敵わないわね・・・・・・) 搬入ハッチ閉鎖。そして手下たちが機体を床にロープで固定すると、輸送船『キリヤ』は深く静かに次元航行へと移って行った。 (*) 次元海賊の輸送船『キリヤ』を取り逃がしたが、ここまでの本来の目的は改良型の試験。作戦は成功だ。 しかしそれは〝彼〟にとって、望んだ経過とは違っていた。 (「管理局め・・・・・・出てきたら落とさない程度に返り打ちにしてやろうと思っていたが、侮れないな・・・・・・特にVF-25のパイロットは・・・・・・」) あれだけのミサイルを叩き込んでおきながら撃墜することかなわず、結局喪失した友軍の半数以上が奴の手に掛かけられて落ちていたのだ。 (「本来なら管理局に目標を変更するところだが『ここからは僚機のガジェットは本来のAIに任せて、管理局との戦闘による撃墜の試験データを収集せよ』とは酷な命令をしてくれる・・・・・・!」) せっかく生き延びさせた24機の内の9機。そのうちほとんどを見捨てなければならないのだ。 (「仲間意識か・・・・・・」) それぞれのAIの修正は自分で行った。それは自分以外の24機すべてを遠隔管理するのは不可能なため、命令に従うようにしたり、自分のデータをもとにチャフ・フレアを使った攻撃の回避方法の知識をインプットするだけの作業だ。 しかしそれは人間でいうと新兵に訓練を叩き込む教官のような作業だった。 全機が試作機だったことからスラスターの位置が試行錯誤のためバラバラに配置されていたりと、画一化されていなかった。このことからある程度それぞれの機に思い入れができてしまっていたのだ。 もっとも「ユダ・システム」である自分も創造主、スカリエッティから自我を持つよう改良されなければこんなことは考えなかったはずだった。 まだ生まれて間もない彼は250ミリ秒間、自分が第25未確認世界で活躍する兄弟達のように完全な戦闘マシーンとして生まれ出ることができなかったことを悔やむ。そして自分のような存在は作るのには手間がかかりすぎて現実的でなく、こうすることによって正規のAIが改良されて生存率が上がるのは喜ばしいことと思いなおした。 キリヤを守っていた敵部隊が徐々に活発な活動を再開し、支援砲撃も始まった。 ガンガン被弾する友軍機。 彼には口はないが舌打ちすると、友軍1機を伴ってホログラムで光学迷彩を展開。撤退しながらの試験データ収集を開始した。 (*) 『ライトニング1、2機目を撃墜。さくらちゃん、援護ありがとう』 『いえ。次、左下方です』 『了解!』 キリヤの戦域脱出によってガジェット側にとって消化試合になったのか、特に目的意識もないように見えるⅡ型改の撃墜は極めて順調に推移していた。 そんな中で1人、早乙女アルトはあることを不審に思っていた。 (おかしいな・・・・・・2機足りないぞ?) その内1機はあの気を感じた観測機器を外装した機体だった。 (もう落としたのか・・・・・・?) しかし以外な形でその2機は見つかった。 『こちら『ホークアイ』。そこから10キロの地点に転送魔法陣、8キロ地点には迷彩を解除したらしいガジェットを2機確認。空域から逃げるつもりらしい』 成層圏から撮った2機の高解像度写真が表示される。そこには彼が最も警戒する観測機器が外装された機体が混じっていた。 「ッ!?アイツ、逃がさん!!」 言うが早いかスラストレバーを全開。煌めく尾を引く流星となったVF-25は2機に瞬時に追いつくと、普通のガジェットの方へと攻撃を加える。 ガンポッドの曳光弾が赤い線となって目標に伸びていく。 しかしこちらはあの機体の制御下なのか、他の置いてきた8機と違ってその動きは鋭かった。 ガンポッドの火線を左右にブレイクしてかわしたかと思うと、オーバーシュートしたこちらに2方向から同時にミサイルを発射。ミサイルに挟まれる形になったVF-25はその場にチャフ、フレアを撒きつつ右ロールして上昇をかける。とどのつまり右下降旋回するVF-25はその軌道を継続しながらバトロイドに可変、足の噴射を操って身を翻す。 目前には各種欺瞞装置に騙されなかったミサイル群。人の形となったVF-25の2本の腕に保持されたガンポッドがそれらをしっかりと捉えていた。 「ディバイン、バスター!!」 熱血マンガよろしく技名を叫んで射出された青白い魔力砲撃は、防備ゼロの小型軽量ミサイルを薙ぎ払い、その向こう側にいたガジェット1機をも巻き込んだ。 魔力砲撃とは言えクラスSに増幅されていたそれはガジェットの転換装甲をも貫き、機体を焼き尽くした。 「あとはお前だけだ!」 バトロイドからファイターに可変する過程で機首を敵へと向け、突入した。 この勝負受けるかと思いきや、敵は急降下。海面へと落ちていく。 「ちっ!」 操縦桿を倒して無理やりスピリットSを実行する。刃物のような鋭角の軌道を描いて反転したVF-25は海面へとまっしぐらのガジェットの後ろにつき、実体弾の雨を見舞う。が、次の瞬間にはその視界から消えていた。 スラスターによってコブラ機動に突入。一気に速度を落とし、こちらを前に放り出した結果だった。 しかしこちらも指をくわえているわけがない。海面すれすれでガウォークへと可変したVF-25は水上をターンしながら右腕1本で保持したガンポッドを薙ぐように撃ち放つ。 高度20メートル程度の低空を遷移するガジェットはそれをロール機動で回避して見せると、1キロ先まで迫った転送魔法陣への再加速を図った。アルトもそれに続いてファイターに可変しつつスラストレバーを跳ね上げる。 加速する両機は白い音速の壁を突き破ると、一転上昇をかけてシザースと呼ばれるDNAのような螺旋機動をしながら互いの後ろを取ろうする。 そこで再びアルトはガジェットを見失う。スラスターを使った姑息な予測軌道ずらしだったので見失った時間は1秒に満たなかったはずだが、後方を取った敵がこちらを照準するには十分な時間だった。 ミサイル警報。数は6発。 VF-25は推力偏向ノズルを上に蹴り上げて胴体を下げ、機首を上向きに。そのまま進行方向と逆に機首を持っていくと、同時進行で生成していた機体周囲の魔力球10個が活性化する。 「当たれ!」 視線ロックで敵ミサイルをロックオンしたハイマニューバ誘導弾が、デバイス「メサイア」の誘導に従ってそれらとの正面衝突を果たした。 ミサイルを持たぬこちらがまさか正面から迎撃するとは思っていなかったのだろう。ガジェットが勢い込んでミサイルの後追いにやってきて、ミサイルに当たらなかったハイマニューバ誘導弾を2発ほど受け止めながらVF-25の脇を通り抜けて行った。 即座に反転。そこにはガジェットの無防備な背中があった。 照準。ファイア――――― ガンポッドからそれが撃たれる前にガジェットが魔力爆発に包まれた。 (*) 彼は満身創痍になった体と、損傷によってブラックアウトした機能を復旧、もしくは再起動していく。 攻撃の直前でミサイルの自爆による目くらましをした甲斐あって、ハイマニューバ誘導弾と自爆のミサイル分の被害ですんでいた。被害は破片がユダシステムにも関連する部分まで抉るなど決して軽くないが、それでもVF-25の58mm弾を受けるよりはましだっただろう。 壊れかけた後部カメラには、こちらを見つけなおしたVF-25が向かってきているのが見えた。 損傷の衝撃で混乱する彼はそれを焼き付けるように記憶しながら開いていた転送魔法陣に突入、空域からなんとか脱した。 (*) 10分近く空域を警戒飛行した迎撃部隊だが、増援の様子はなかったため来たときと同様の手順で撤退を開始した。 (*) 帰還途上 「これより滑走路へのアプローチに入る。ランディング予定は5分後」 『了解アルト一尉。―――――時間も時間なので、静かにお願いしますよ』 「わかってるよ」 ささやき声で補足するロングアーチスタッフ、ルキノ・リリエ通信士にうんざりしながらも応える。もともと自分は六課所属。周辺住民が騒音に対してどれほどうるさいのか身に染みていた。 いままで魔導士という無音の存在が当たり前であったため、昨今の特に軍用であるバルキリーの騒音は彼らにとって未知との遭遇に近い心理的ショックを与えていたのだ。 しかしこれほどの質量を持つものを音速以上で飛ばそうというのだから、やむを得ぬ対価であることもまた事実であった。 ともかくアルトはスラストレバーを必要推力ギリギリに設定すると、先ほどから聞きたかった事柄を問い詰めることにした。 「所でロングアーチ、あの輸送船はどこに向かったんだ?というよりなぜ武装したVF-11が民間船に?」 アルトの問いに対して、ルキノでなくはやてが応える。 『あの船の動向については管理局法第32条E項において機密とします。いくらアルトくんでも教えられん』 「第32条のE項?」 聞きなれない条項に視線が泳ぎ、バックミラーに映る優秀な同僚に収束する。 「えっと・・・・・・第32条が「機密」についての条文で、E項は確か「機密に当たる作戦行動」・・・・・・だったかな?」 『さすがフェイトちゃん。アルトくん、ともかくこれは管理局の作戦行動やから、心配せんでも大丈夫やで』 「おまえがそこまで言うならいいんだが・・・・・・」 そこへはやて達と一緒に指揮所で缶詰めになっていると思っていたロングアーチスタッフであるシャーリーが扉から現れる。しかし――――― 『どうしたのシャーリー?』 誰が見てもその挙動不審に気づけたようだ。VFー11Gに乗るなのはが問う。 「えっと・・・・・・皆さんが戻って来てから伝えます・・・・・・」 そう言い残してそそくさと指揮所を後にした。 「なんだ?」 『う~ん・・・・・・はやてちゃんは何のことかわかる?』 「さぁ、どうなんかなぁ~」 どうやら知ってはいても教えてくれる気はないようだ。個人的なことだろうか? その場でアルト達には何だろうと顔を見合わせることしか出来なかった。 シレンヤ氏 後半へ
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フェイトの2人の母 「生みの親」であるプレシア・テスタロッサ。「育ての親」であるリンディ・ハラオウン。 右側の写真にプレシアとともに写っているのはフェイトではなく、姉のアリシア。こちらは両者とも故人。 左側に映ったハラオウン家の家族写真に映っているのは、兄のクロノと義姉のエイミィ。 2人の子供(フェイトにとっては甥と姪に当たる双子)カレルとリエラ。フェイトの使い魔であり、ハラオウン家家事手伝いのアルフ。 公開意見陳述会 主要世界において1~2年に一度行われる会議。 発表された地上本部の運用方針に対しての議論が行われ、その様子は当該世界の地上のみならず、各世界に公開される。 限定解除 犯罪や隠遁活動を行う魔導師は、通常活動の際に自身にリミッターを施すことが少なくない。 大きすぎる魔力は探査にかかりやすく、さらに維持活動のためのエネルギー(食料等)の補給がより多く必要となる事もあるため。 そのため、通常時は限定下で活動、必要に応じてリミッターを開放・本来の魔力を発揮する。 IS シルバーカーテン シルバーカーテンによるクラッキングで、地上本部の管制システムに侵入。センサー・サーチャー類の情報を幻惑。司令部を混乱させている。 いかに優秀な電子戦技能の所有者といえど、管理局の使用する管制システムは「鍵」を持たない外部の者からの侵入を許すことはない。 内部にすでに侵入していたセインとチンクらによる内部からの「鍵」の入手や、適切かつ正確な「事前情報」の保有が、 この潜入を容易なものとしている。 IS ディープダイバー 無機物を透過して移動する、No.VI・セインのIS(先天固有技能)。バリアやフィールドで遮られやすいという欠点を持つが、 「事前情報」による内部把握によってその網目を潜り、中枢司令部まで到達している IS ランブルデトネイター No.V・チンクのIS。自身が一定時間接触した金属片を爆発物に変化、チンクの意志によって任意のタイミングで爆破することが可能。 通常は愛用のスローイングナイフ「スティンガー」に付与して使用する。 IS ヘヴィバレル NO.X・ディエチのIS。「自身の内包エネルギーを砲撃状に撃ち出す」という一点のみに絞られたこのISは、単純故に威力・精度と応用性に富む。 今回使用された砲弾は麻痺性の気体兵器で、着弾後に空気と反応、ガスとなって広範囲に広がってゆく。 IS スローターアームズ NO.VII・セッテのIS。固有武装・ブーメランブレードを制御する技能で、空戦技能はトーレと並んで12姉妹屈指の性能を誇る。 バリアジャケット防御データ 魔導師たちが纏うバリアジャケットは、通常その魔導師が遭遇しうる状況をある程度セレクトして対応するフィールドやバリアを設定している。 六課メンバーのジャケットは衝撃・熱変化や魔力攻撃に対して高い防御性能を誇るが、気体兵器についてはごく一般的な一時遮断機能しか持ち合わせないため、 術者自身やデバイスに頼った防御が必要となる。今回のように対応すべき状況が特定された場合は、解析した情報に合わせてデータを更新することで、 より万全な防御を行うことが可能となる。 ユニゾン 古代ベルカ式特有の、騎士と融合騎(ユニゾンデバイス)の「融合(ユニゾン)」による強化。 通常は騎士の体をベースに融合騎が融合する(逆の場合も、稀ながら存在する)融合により、騎士は融合騎の、 融合騎は騎士の魔力を自由に使用することができる他、騎士と融合騎がそれぞれ独立して魔法を使用することも可能。 また、両者が同一の魔法や魔力運用行動を行うことで、威力や精度を倍加することができる。なお、瞳と髪の変色は、ユニゾン時特有の変化。 魔力運用 魔力を体外で結合できないAMF状況下において、 AMFの影響を受けづらい「体内」で練り上げた魔力を体から離さずに運用することで魔力使用を可能としている。 今回はエレベーターワイヤーを使用したラベリングの際、防御魔法を掌に集中、掌を保護している。 ギガントハンマー グラーフアイゼン・ギガントフォルムによる打撃。 ヴィータとリインフォースIIの魔力を乗せた打撃は、物理・魔力量面で高い破壊力を誇る。 武装・ジェットエッジ No.IX・ノーヴェの固有武装。足首部分にスバルのリボルバーナックルにおけるスピナーと同様の機構を持つ「ブレイクギア」を持ち、 踵部分に噴射推進による加速機構を持つ「蹴り」のための武装。 フローターマイン No.XI・ウェンディによる射撃応用。「射撃型」であるウェンディは、ミッド式魔法と極めて近い運用でエネルギーを使用する。 空間に漂う反応弾は、衣服が触れる程度の反応でも爆裂する、殺傷力の高い弾丸。 設置までにかかる時間は、前衛として突撃したノーヴェとのコンビネーションで稼いでいる。 騎士と融合騎 騎士と融合騎の間には、「相性」が存在し、融合相性の良い騎士と融合騎であれば、1+1が3にも4にもなる可能性を秘めている。 反面、相性が良くない場合、1+1が2にすらならず、1.5や1.2で終わってしまう事もある。 「融合した騎士の力を高めてやれない」事は、融合騎にとっては何よりもやるせなく、悲しい事実である。 烈火刃 アギトの魔力変換による武器強化魔法。刃に炎を灯して熱による付加効果を与える。 術者との相性や融合練度によっては、長く伸ばした炎を武器の延長のように使用する事も可能となるのだが、 ゼストとアギトには、そこまでの精度を得るための相性も時間も与えられていなかった。 エリアルショット ウェンディの射撃。ライディングボード前部に集中したエネルギーを弾丸状に射出する。 弾速やターゲッティングも速く、正確な射撃ではあるが、エリオの回避能力がそれを上回っている。 IS ブレイクライナー No.IXノーヴェのIS。ウイングロードと類似した、 空中に道を造り出すエネルギー運用「エアライナー」と武装「ガンナックル」「ジェットエッジ」による突撃と破壊。 最前衛として戦うための武器のみを十分すぎるほど与えられた、ノーヴェの誇る固有技能。 フェイク・シルエット 戦闘機人の知覚も騙す、ティアナの幻影。 ウェンディが察した通り、ティアナはある事情から「戦闘機人の持ちうる知覚情報」についてのデータを保有している。 コンビネーション ブーステッドイリュージョン ティアナとキャロ、後衛コンビによるコンビネーション。 キャロのブーストによってティアナの幻術を強化・増幅、圧倒的な数の幻影を作り出している。 ガンシューター ノーヴェの射撃。ガンナックルからエネルギー弾を射出する。牽制や範囲制圧を行う際に使用する。 ウンヴェッターフォルム ストラーダのフォルムIII(ドライ)。エリオが保有する「電気変換」の資質を最大限に強化するための形態。 ガジェットをはじめとする機械兵器に対して、特に高い効果を発揮する他、 フォワード4人の中では貴重な「範囲攻撃」を獲得・強化することを目的としている。 サンダーレイジ ストラーダ尖端からの電撃放出による範囲攻撃。 接触した対象を中心に、周辺に弾ける電撃によって対象をスタン・あるいは破壊する。 IS レイストーム No.VIII・オットーのIS。ミッドチルダ式魔法と酷似したエネルギー運用により、後方からの広域支援を旨とする。 攻撃のみならず、防壁・結界展開といった能力も保有している。 風の護盾 シャマルの防御魔法。広い範囲に防壁を展開し、対象の攻撃を防ぐ。 指定空域に発生する攻撃に対して自動的に防壁が展開され、その正確さと強度から、堅固な防御性能を誇るのだが…。 ブラックアウトダメージ 強力な純粋魔力ダメージを受けたり過剰な魔力使用などによって、術者の魔力が完全に底をつくと、術者は意識を失う。 これは「ブラックアウト」と呼ばれ、魔法の練習や訓練などでも起こりうる状態。 だが、限界を遥かに超えた大魔力使用など、術者自らが瞬間的に強大な過負荷をかけた場合、 魔力のみならず身体にもダメージが及ぶことがある。これをブラックアウトダメージと呼び、 リンカーコアを中心に全身への負荷が体組織の損傷を引き起こすことから、時に深刻な事態になることもある。 リインフォースIIはゼストの攻撃からヴィータとグラーフアイゼンを護るための防御魔法使用で、この状況となった。 IS ツインブレイズ No.XII・ディードのIS。 双剣を使用した空戦技能の総称で、使用する双剣の刀身も、ディード自身のエネルギーによって生成、実体化して固定される。 射撃魔法 魔導師としての経験を持つヴァイス。生来の魔力に恵まれなかった彼だが、高度な制御能力による精密狙撃を得意としていた。 未調整の汎用デバイスでAMFを貫通する多重弾殻を連射できている事からも、その技術が伺えるのだが…。 ザンバーフォーム バルディッシュのザンバーフォーム。巨大な魔力刃を持つ大剣で、切断・破壊といった攻撃能力において高い性能を誇る。 10年前の時点では体格との比率などから小回りが利きづらい面もあったが、体格・魔力制御能力ともに成長した現在では、 狭所や高速戦への対応も十分に可能となっており、伸長する刀身による遠い間合いや、重く鋭い一撃など、 「強敵」を相手にする状況において、フェイトはこの形態に深い信頼を置いている。 轟炎 アギトの火炎魔法。極大の火炎球を発生させ、それを対象に叩きつける。着弾時には高温高圧の燃焼爆発を発生させる危険な魔法。 本来はユニゾンアタック用途の魔法であり、騎士の魔力も使用して発動、発射するためのもの。 アギトが単体で使用するにあたっては、大幅な魔力消費や発射制御時の高い負荷など、アギト自身の危険度も高い。 フルドライブ 魔導師や騎士は、通常、自身が保有する「潜在魔力」の6割程度までしか使用できないと言われている。 それ以上の魔力使用による負荷は身体にダメージを与える事から、体が本能によって過剰使用を拒否する。 デバイスも同様で、耐えうる負荷強度にはある程度余裕を持って使用しないと本体破損の危険がある。 その本能や安全機構を、あえて無視して限界に近い出力を出すのが「フルドライブ」である。 過剰負荷によるダメージは身体に残り、傷や体調不良を持っている術者であれば、それらを悪化させる要因にもなる。 戦闘機人・タイプゼロ 人の体をベースに機械式の動作機構を持つ戦闘兵器「戦闘機人」。スカリエッティ一味が「タイプゼロ」と呼ぶ「2体」は、 同じ戦闘機人であるナンバーズらとは異なる製作者の手で、異なる製作コンセプトで製作された機体。 スカリエッティは貴重な研究対象として、この2機を捕獲しようとしていた。 振動破砕 スバルの固有技能。四肢端末部からの振動波発生により、対象に共振現象を発生させ、粉砕することを旨とした破壊技術。 接触によって伝達される振動は、対象の外装・装甲のみならず、内部で護られた骨格・機械部品といった「脆く固い」部位にも瞬時に到達、 共振によって破砕する。絶対的な威力を持つ反面、使用者であるスバル自身やその装備品へのダメージも甚大。 IS エリアルレイヴ No.XI・ウェンディのIS。固有武装ライディングボードに騎乗、飛行する能力。 飛行移動は勿論、貨物運搬にも有効であり、小型貨物機に匹敵する高重量を運搬することも可能。 ハードシェル No.V・チンクの防御技能。防御武装・シェルコートの補助を得て発生させる球状の防壁は、衝撃や爆発からチンクを護る。 施設規模の大爆発にも耐える、高い強度を誇るが…。 オーバーデトネイション チンクの攻撃技能。空中に放った多量のスティンガーを対象に向けて集中発射、爆破する。 プロテクション スバルの危機に、マッハキャリバーが独自の判断で発動させた防御魔法。スバルが発生させる振動破砕の余波や、 限界超過で放たれる踏み込みや蹴りの衝撃で破損しながらも、スバルを護るべく、最大強度で発動させている。 リアクティブパージ スバルらのバリアジャケットに搭載された最終防御機構。防御で防ぎきれない衝撃に対して、 バリアジャケット自身が構成魔力を爆破することで衝撃を緩和、術者の身体ダメージを抑え、生命を護る。 爆散するのは「装甲」を担うジャケット外装部のみだが、爆散衝撃の緩和の際、アンダージャケットも破損・消耗するため、 リアクティブパージ発動後は、術者はほぼ無防備な状態となる。 記憶転写型クローン ミッドチルダをはじめ主要世界では、「人間」をクローニングする技術は、特定医療分野における一部の特例を除いて厳重に禁じられている。 だが、さまざまな目的のために生み出される「違法クローン」は後を絶たない。 中でも10数年前から台頭しはじめた「プロジェクトF」という名で呼ばれるクローニング技術は極めて優秀で、 元となった人物の特徴や記憶を鮮明に受け継ぐクローンを作成することが可能。このため、 「亡くなった者の復活」という目的でこの技術を求める人物は決して少なくない。だがこの技術で生まれたクローンも、 オリジナルとは異なる個性や性格、資質を発揮することも多く、完全なものではありえない。 デューゼンフォルム ストラーダのフォルムII。ヘッド部に6機、柄の末端に1機、計7機の推進機構を保有する、「ロケット推進槍」とでも言うべき形態。 ヴィータの愛機グラーフアイゼンのフォルムII、ラケーテンフォルムを参考に生み出された。 推進加速による斬撃・刺突の強化のみならず、推進制御によって空中で姿勢をコントロール、限定的な飛行活動を行うことも可能となっている。 竜騎召喚・ヴォルテール 大型召喚獣の召喚は、通常は長い詠唱制御によってのみ達成されるが、「キャロの危機」に際しては、 ヴォルテールはキャロの意志と呼び声のみ(状況によってはそれすらなくとも)現れる。 キャロの巫女としての資質であり、「真竜」ヴォルテールの意志でもある。 ギオ・エルガ ルシエの古い言葉で「咆吼する炎」の意。周辺大地の魔力を吸収し、炎熱を伴う巨大な魔力砲として撃ち放つ、ヴォルテールの殲滅砲撃。 クイント・ナカジマ ゲンヤの妻で、スバル・ギンガの「母親」。陸戦魔導師で、かつての階級は准陸尉・魔導師ランクはAA。魔法術式は近代ベルカ式。 学生時代から研鑽を積んでいたシューティングアーツを駆使して、地上本部の陸士隊配属後は捜査官として活動していた。 戦闘機人 人の体と機械を融合させ、戦闘兵器としての能力を高める研究と、その成果。スカリエッティ製の戦闘機人は、 基礎フレームと呼ばれる駆動骨格、機械強化された知覚器官(ズームレンズを内蔵した瞳等)を持ち、 全身の生体部品も技術の粋を尽くして強化されている。 闇の書の罪 長きに渡って管理局を悩ませてきた、無限に転生し、破滅と悲劇を生み出していったロストロギア「闇の書」。 たまたまその主に選ばれ、自身も生命の危機に晒された八神はやてにとって、闇の書の罪は無関係と言って良いものであるのだが、 はやては自身とともに過ごした守護騎士たちと「闇の書の意志」…初代リインフォースとの絆をもって、 その罪をともに贖ってゆく決意を決めている。 人造魔導師 人工的な手段によって「強力な魔導師」を生み出す研究。スカリエッティが完成させた「人造魔導師」は、 人口のエネルギー結晶を魔導師のリンカーコアと融合させ、エネルギー結晶が内包する力を自在に引き出すというもの。 人造魔導師研究の中でも、使用する結晶体に、膨大な力を持つ「レリック」を使用することで生まれるものが「レリックウェポン」。 古代ベルカで行われていた研究をスカリエッティが解析・復活させ、 独自の改良を加えて完成させた(ルーテシア・ゼストの両名は、このレリックウェポンの実験体でもある)。 アースラ 時空管理局が保有するL級艦船で、かつてリンディ・ハラオウンが次元航行部隊の艦長職についていた際に乗っていた艦。 なのは・フェイト・はやてらが管理局に入局したばかりの頃、その活動のほとんどはこの船を拠点として行われていたため、 3人にとっては思い出深い艦でもある。 聖王の器・王の印 「聖王の器」ヴィヴィオと、「王の印」レリック。 両者の結合によって生まれるもの。それこそがスカリエッティが求めてきたものの「鍵」となる。
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同じ想い 同じ願い 同じ理由 違う道 「くそっ、一体何だってんだ!?」 影山は一人毒づく。 いつの間にかあのような部屋に連れられ、殺し合えなどと言われても訳が分からない。 湧いてくるのは、何の躊躇いもなく人を殺したあの二人への怒り。 「……一体何なんだ?」 矢車は一人呟く。 いつの間にかあのような部屋に連れられ、殺し合えなどと言われても訳が分からない。 湧いてくるのは、何の躊躇いもなく人を殺したあの二人への疑問。 「これは……殺し合いに参加させられた奴のリストか?」 知り合いがいないか、名簿を読み進め……思わず声をあげる。 「シャマ姉!? それに兄貴まで!」 他にも知っている名前はいくつかあったが、彼にとって重要なのはその二人だけだ。 「これは……この殺し合いに連れてこられた奴のリストか?」 名簿を読み進め、思わず声をあげる。 「シャマル!? それに相棒も……!」 他にも知ってる名前はいくつかあり、彼はそれらにも目を通す。 「兄貴は平気だろうけど、シャマ姉を守らないと……!」 ホッパーゼクターが呼んでも現れないことには気づいていたが、それでも矢車なら並の相手では敵うまい。 だがシャマルは違う、単独での戦闘力はほとんどない筈だ。 一刻も早く見つけ出し、守らなくてはならない。 「相棒なら平気だろうが……シャマル……」 ホッパーゼクターが呼んでも現れないことには気づいていたが、それでも影山なら多少は問題ないだろう。 だがシャマルは違う、単独での戦闘力はほとんどない筈だ。 一刻も早く見つけ出し、守らなくてはならない。 ――二人が想うのは、同じ女性 「待ってて、シャマ姉!」 「シャマル……」 ――二人が願うは、同じ願い 「シャマ姉を助け出すんだ……!」 「助けてみせる……この闇の中で、俺は光を目指す……!」 ――二人を動かすのは、同じ理由 「だって、俺はシャマ姉が……!」 「……」 ――二人が選ぶ道は…… 「シャマ姉のためにも、ここから脱出する方法を見つけないと……!」 「シャマルを優勝させ、ここから脱出させる……!」 【影山@リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー】 【一日目 現時刻AM0 22】 【F-8 山】 [状態] 健康 [装備] 無し [道具] 支給品一式、不明支給品1~3個 [思考・状況]1 シャマルを探し出し守る 2 脱出する方法を探す 3 兄貴はどうするのかな…… 【矢車@リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー】 【一日目 現時刻AM0 22】 【B-10 丘】 [状態] 健康 [装備] 無し [道具] 支給品一式、不明支給品1~3個 [思考・状況]1 シャマルを探し出し守る 2 シャマル以外の者を殺害しシャマルを優勝させる 3 相棒はどうする……? 038 本編投下順 040
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コメント 「ドラなの」 ・映画は旧キャストしか見てないけど、1話見た限りでは面白そう。このまま最後まで読んでみたい。 ・しずちゃんは先生がいないのを知った上で、車椅子のはやてに任せて帰宅したの? -- 名無しさん (2010-11-12 04 45 31) ボイスは旧キャストで! ボイスは旧キャストで! -- あたたたたたたた (2010-11-12 06 50 22) やべぇ、こういうのずっと待ってた -- ツカジ (2010-11-12 12 42 31) ドラえもんとリリカルなのはのクロスは大好物だ 続きを待つぜ -- 名無しさん (2010-11-12 22 59 34) 違和感のない感じで面白そうです 期待します -- みかがし (2010-11-13 11 29 28) こういうのは大好物です! 文章も上手いですしもっと読んでみたいです!! -- 空に生きる人 (2010-11-13 12 21 13) ドラえもん物は少ないので非常にうれしい 最後まで読みたいです! -- 名無しさん (2010-11-14 02 10 53) ぬるぬる動く新ドラで旧キャストの声でお願いします!! -- 名無しさん (2010-11-14 22 10 16) 「ドラなの」作者のシレンヤです。 皆さんのおかげで続編を書く決心ができました。ありがとうございます。 そしてこれからもよろしくお願いします。 さて、1番最初にコメントしていただいた名無しさんへ。 しずかちゃんについてですが、「まさか1人でやるとは思ってなかった」ってことでお願いします。 それと皆さんの言われるキャストですが、自分はもう新旧どちらも好きで慣れてしまっているのでそれぞれの癖が出るかもです。 でも新キャストも慣れれば純粋に楽しめます。騙されたとでも思って、ぜひ「新・魔界大冒険」を見てみてください! -- シレンヤ (2010-12-08 21 07 16) 読んでてとてもわくわくしてきます! 続きを期待しています!! -- UGA (2010-12-15 21 05 36) ようやくきましたか! 楽しみにしているので、頑張ってください -- みかがし (2010-12-19 03 07 28) いつの間に更新されてたんだ・・・ 続きが気になる! -- 名無しさん (2011-01-08 23 15 40) 最高に面白いです!! しかし、ドラエモンはどういう扱いなんでしょうか? -- UMA (2011-01-11 21 59 22) UGAさんにみかがしさん、1月8日の名無しさん、そしてUMAさん。こんな作品でも面白いとか言っていただけてうれしいです! 本当にありがとうございます!毎度ですがこれからもよろしくお願いします! さて、UMAさんの「ドラエモンはどういう扱いなのか?」ということですが、原作ドラえもんと同じです。 「確かに器用なことをするけど~」と一般人にとってはそれだけの存在です。 ちなみに管理局からみると完全にノーマークで、はやてやなのは達にとっても友達という修飾詞が付くだけで一般人と認識は変わらないというつもりです。 -- シレンヤ (2011-01-20 19 47 49) タケコプターって充電式だけど、そこまで変えちゃうの? って言うかタイムふろしきで、はやて直るだろ。 -- LCS (2011-01-21 21 19 42) ジャイアンの歌は、大規模な音響装置を使うだけで 大量破壊兵器になるといわれているのに、よくぞ耐えたなw -- ライビッシュ (2011-01-22 17 32 38) 聴くだけで脳がムズムズすると言わしめたり、歌を流したTVが壊れたり、運悪く聴いた先生は倒れるくらいなのに、直るのか? -- 名無しさん (2011-01-22 19 41 14) まずLCSさんにライビシュさん、そして名無しさん読んでくださってありがとうございます。 さて、LCSさんの言われたタケコプターについては諸説あり充電(バッテリー)式と電池式があるそうです。内これはおっしゃる通りの充電式です。 と言っても連結核(連結と核で英訳すると何かわかる・・・・・・かも)を通したMEPの変換エネルギー体を充填するバッテリーです。 タイムふろしきについては盲点の指摘に感謝するところ大であります!早くて助かりました。さっそく対応させていただきます! ライビッシュさんと1月22日の名無しさんのジャイアンの歌についてですが、耐えたのは対閃光手榴弾設定の賜物ってことですね。 また、これは治ったんだから仕方ないということで手を打ってください。おねがいします。 それではこれからもドラなのをよろしくお願いします! -- シレンヤ (2011-02-07 18 16 51) タケコプターが充電式じゃないのは残念だがこの世界って魔界大冒険みたいに世界観が微妙に変わってるから納得できる設定かも やっぱし、のび太から見ても平成2桁アニメのキャラには違和感あるか 「チンカラ・ホイ!」をのび太が使うのを待ってる、この世界だとstsの頃には射撃では無敵ですよねのび太は、魔力低そうだけど -- はらっら゙ (2011-03-07 02 46 18) はらっら゙さんコメントありがとうございます。 でも残念ながら「チンカラホイ」は第2章の冒頭で口走っていますが、効果ありませんでした・・・・・・ ドラえもんに何か道具出さしてチンカラホイを起動キーとする魔法を作った方がいいのかな・・・・・・・考えときます。 これからもドラなのをよろしくお願いします。 -- シレンヤ (2011-05-08 02 08 51) 私はいつも楽しみにしてます!頑張ってください! -- 通りすがりの名無し (2011-09-06 23 14 37) 魔法勢力との接触も始まって期待は大です。 今後も楽しみに待ってます。 -- 倭讃 (2011-09-07 06 04 04) 駆け足で読ませて頂きました。 次回も期待しております。 -- 名無しさん (2011-09-09 20 45 00) おもしろかったです 次回もおねがいします -- 117 (2011-09-10 03 42 45) おもしろいです。 続き楽しみにしてますよ。 -- 漸 (2011-09-10 11 10 55) 初めて読ませてもらいました。カッコ良すぎないのび太や他のキャラもバッチリですね、大変でしょうが頑張ってください。 -- キッチエ (2011-09-15 11 19 59) 続けてくれないと泣くぞ? 公衆の面前で大泣きするぞ? -- 中島 (2011-09-15 18 31 16) ドラえもん勢のキャラが、かっこいいです 続き待ってます -- sd (2011-09-16 01 52 09) コメントはここでいいのかな?感想申し上げます。 ドラなの面白いっすよ? 普通に楽しみにしていましたが感想の投稿方法分からなくて・・・すいません。頑張ってください。 -- もろもろ (2011-09-07 16 30 23) ドラえもんとなのはクロスssがあまりないのでがんばって続きを書いてほしい。 -- 名無しさん (2011-09-14 01 14 33) こんにちは。新年をニコニコのアニメ一挙放送でことごとく消費しているダメ人間、シレンヤです。 さて、まずはお礼から。通りすがりの名無しさん、倭讃さん、9月9日の名無しさん、117さん、斬さん、キッチェさん、中島さん、sdさん、もろもろさん、そして9月14日の名無しさん、本当にありがとうございます!あなた方のおかげでなんとか書き続ける気持ちを持ち続けられています! これからも頑張っていきたい所存なので、「読んだよ~」だけでもコメントいただければ幸いです。 ではまた次回で。 -- シレンヤ (2012-01-07 21 00 43) 毎回、楽しみにしています。続きをがんばって書いてください。 -- 豊香 (2012-01-13 23 10 05) 本当に本当に待っておりました。待ちますので続けてください。いやホントに。 -- 名無しさん (2012-01-21 20 28 41) のび太の真価は奇抜な発想と人知を遥かに超越した射撃能力にある…リリカル勢がのび太の射撃を見たら、なんていうのかなぁ… -- はくろ (2012-01-27 14 00 51) こんにちはです~ 豊香さん、1月21日の名無しさん、はくろさん、コメントありがとうございます。 楽しみに待ってま~すというコメントだけでも嬉しいことこの上ない!これからも頑張るのでよろしくおねがいします! はくろさんの言うとおり、のび太の射撃能力はほんとすごいですよね。映画版だと確かプロの殺し屋ともタイマン張れていましたし。 きっとこの作品の中でも活躍する機会があると思うので、のび太の応援よろしくお願いします~ -- シレンヤ (2012-03-09 16 32 08) いったれのび太!ゴルゴを越える射撃能力(公式設定)を管理局に見せつけてやれぃ!! -- はくろ (2012-03-12 19 25 05) すごくいいです!のび太達が生き生きしてなのは達としゃべってるのが面白い。 そしてはやてが起こした奇跡の歌声! 魔法も、奇跡もあるんだよ、ってことですね! -- kensin (2012-09-11 23 37 55) はくろさん、kensinさんコメントに感謝です! はくろさんは2回目になるのかな、ありがとうございます! どうしてものび太の射撃性能の見たいご様子・・・次回ぐらいからは戦闘にも入るはずなんで、のび太に期待してあげてください! kensinさんは久しぶりにコメント頂いたおかげで、忙しい中でも書くモチベーションを持つことができました。ありがとうです~ 次回も出来るだけ頑張りたいので、よろしくおねがいします! -- シレンヤ (2012-09-20 01 00 29) 遂に次回は戦闘か!!駄目人間なのび太しか知らないリリなのメンバーが、大長編モードのび太を見たときの反応が楽しみで仕方ない!! -- 名無しさん (2012-10-11 16 04 27) ふと思ったんですが、これってのび太×はやてですか? -- 名無しさん (2012-10-23 21 58 29) 名前 コメント 過去コメント 「マクロスなのは」 テスト、テスト -- シレンヤ (2009-09-06 19 29 08) 続きを楽しみにしています。 このコメントが、作者様のモチベーションになることを願いつつ……。 -- イース (2009-09-20 21 27 26) 今後の展開楽しみにしています。時空管理局やスカ一味がOTMをどう吸収し自分達の物にするか興味があります。 -- シャイアン (2009-09-21 02 46 42) この案を受けるか否かはお任せしますが、 バジュラかそれ以外の敵機の要素を組み入れたガジェットってのはいかがでしょうか? -- スレイヤー (2009-09-21 17 25 22) 皆さんのコメントに感謝します!すごくうれしいです! さて、「それ以外の敵機の要素を組み入れたガジェット」ですか・・・ マクロスに登場する敵には巨人とかスピリチア吸収とかよくわからないものが多いですからね・・・ なんとかできないか検討してみます。 提案に感謝します。これからもマクロスなのはをお願いします。 -- シレンヤ (2009-09-21 20 09 38) 個人的には「ヴィータ対クラン小」「VF?27に搭乗する数の子の編隊」「マクロス世界の考察をする管理局又はスカ博士(逆もしかり)」の場面が見たいです。 -- シャイアン (2009-09-23 21 39 56) コメントありがとうございますシャイアンさん。 ところで「VF?27に搭乗する数の子の編隊」の〝数の子〟とはどういう意味でしょうか? -- シレンヤ (2009-09-26 14 38 17) 説明不足でした。ナンバーズの面々の事です。 -- シャイアン (2009-09-26 20 07 23) ああ、なるほどです。 採用するかどうかは保障できませんが、現在のプロットと突合せたり検討の上決定を行いますので、気長に待ってくださいね。 -- シレンヤ (2009-09-26 21 58 20) ブレラVSナンバーズのサイボーグと戦闘機人の戦いが見てみたいです -- 名無しさん (2009-09-27 20 58 49) 遅くなりました。 サイボーグ対決ですか。なんか燃えそうでおもしろそうですね。 考えときます。 -- シレンヤ (2009-10-03 22 15 14) 青い戦乙女と見たとき、 何故かミシェルの機体を思い浮かべてしまった。 -- 名無しさん (2009-10-05 10 51 06) まさかミシェルが出てくるとは…!恒例のアノやり取りで6課メンバーにイジられるアルトを見るのが楽しみです。 -- 名無しさん (2009-10-08 22 30 29) いやはや、さすがに〝青い戦乙女〟はやりすぎました(笑) ちょっとわかりやす過ぎましたね。すいません名無しさん。ネタバレになるので返事できませんでした。 さて、どうなるかわかりませんが、これからもよろしくおねがいします。 -- シレンヤ (2009-10-09 00 38 10) まさかMIAになっていた『彼』がミッドにいるなんて。 ぜひ、クランと再会してほしいです。 そしてランカはアイドル兼魔法少女になってしまうのかが気になります -- よく見ています (2009-10-09 15 11 56) ご贔屓いたたき感謝します! 僕もクランさんとは〝できれば〟再会してほしいと考えています。 ミシェルが無事彼女と再会できるよう、応援してあげてください。 ランカちゃんのほうも頑張れるよう、応援してあげてくださいね。 -- シレンヤ (2009-10-09 19 54 38) まさか「彼」がミッドに流れ着いていたとは…、青いスナイパーライフル付きのVF?0…中身がVF?25相当なのは想像が付く。ワクテカしますな、これからも楽しみにしています。追記、寝ている間にメイクされるアルトがもう一度見たいです。 -- シャイアン (2009-10-10 13 31 13) 〝メイク〟・・・そういえばそんなこともありましたね(笑)。 なんとか頑張ってみます。 -- シレンヤ (2009-10-10 21 25 32) アルトのフラグが増えすぎててシェリルが心配だわwww -- エルガーゾルン (2009-10-12 14 37 24) そういえばシェリルは出るのか? -- 名無しさん (2009-10-12 17 27 06) 明言はしませんが、もうすぐマクロスパートの予定ですので気長にお待ちください。 -- シレンヤ (2009-10-12 18 25 24) ミシェル相変わらずですねぇ~・・・。まあ、だからこそ安心しましたけど。 なぜだかふと、ヴィヴィオがミシェルの入れ知恵で、アルトの事を「ママ」と呼びそうな気がしたりしました・・・(汗) -- 名無しさん (2009-10-13 09 21 00) なるほどミシェルの入れ知恵ですか。まったく思いつきませんでした! なんか面白そうですね! -- シレンヤ (2009-10-13 23 15 35) ミッドの世界にバルキリーが……。六課のメンバーも それぞれのカラーの機体に乗ってほしいです。 ところで、バルキリー以外の機体(特にデストロイド) は登場するのですか? -- よく見ています (2009-10-14 22 33 44) こちらもその検討は行っていたのですが、たぶんデストロイドは兵器としての運用は現実問題ないと思います。 なぜならそんなでかい図体してなくても魔導士はその身一つで強力な砲撃は撃てますし、ゼントラーディのような巨人もいないので鎮圧目的でも必要ありません。 となればミッドでの採用は民生用の重機としての運用が精一杯だと考えています。 しかし決定事項ではないので今後変わるかもしれないのであしからず。 -- シレンヤ (2009-10-15 00 50 12) だんだん油が乗ってきましたね。話の展開にさしつかえ無かったらユーノ君も出してもらえませんかね…無理ならいいです。頑張ってね。 -- シャイアン (2009-10-16 05 45 36) ああ、ユーノくんなら〝第1はちわ〟ケホン、ケホン・・・ た、たぶん出てきますよ。うん。 -- シレンヤ (2009-10-16 18 56 26) とても、おもしろいです。 自分には到底おもいつかないし。 VF-25の追加装備にアーマードパックはつきますか? 最終決戦装備とかで。 インターミッション的な感じで アルトが誰か(仮にはやて)に連れられて 歌舞伎の舞台を見に行く。 <それを尾行するヴィータとか・・・ まず、無理でしょうが。 -- かあおす (2009-10-19 01 38 29) かあおすさんありがとうございます! こんな自分のような非才の身が作った駄作を面白いと言っていただき百万の感謝です。 さて、アーマードパックですか。重力圏では基本デットウエイトであり、「愛・おぼえていますか」のスーパーパックのような標準装備化は無理ですが、最終決戦であれば可能性はあるかもしれませんのでご期待ください。 〝インターミッション〟、番外編ってことですか? それなら一応考えてはいます。くわしくは書けませんが、アルトが憧れの第97管理外世界に訪問するなどです。 なにかほかにもアイデアがあったらコメント欄までお願いします。 -- シレンヤ (2009-10-19 22 29 57) マクロスにはノータッチだった身ですが、 とてもおもしろく読まさしていただいております ところで、ガジェットなどとの団体戦 や無人機との戦闘だけでなく、 有人機とのタイマンや、 アルトの生身での戦闘 (デバイス有りなのはモチロン) などは予定はございますか? まあ、そこまで無理は言いませんけども・・・ これからも続けてくださいね♪ -- NZ (2009-10-20 16 48 05) シレンヤさん、更新お疲れ様です~。なのはさん、まさしく「白い悪魔」の如き活躍っぷりを見せてくれましたね・・・。(汗)ていうか、エースコンバットすか・・・(汗)。 んで、アルトもいじわる(?)ミシェルの嫌がらせと思えるほどの難易度のシミュレーションに愚痴りながらも、何とかやってのけれた感じでしたね。 さて、次回はとうとう『銀河の歌姫』ことシェリルさんがご登場するようで、マジ楽しみっす!! 是非ともミッドで、ランカちゃんに負けないくらいの素晴らしい熱唱ぶりを披露してもらいたいですね~。 あ、もちろん決め台詞(?)の「あたしの歌を聴けぇ~!!」も込みで♪ ・・・う~ん、にしてもシェリルさんの事だから、「アルトにできて、あたしに出来ないわけないわ!!」とか言って、魔導師にチャレンジしてみそうな気がしますけど、いかがでしょうか?(苦笑) -- 名無しさん (2009-10-20 21 01 08) 今回も楽しく読ませて貰ったよ。ただ「スツーカシリーズ」になっている所…あれ「スホーイ」の事だよね?地上目標に対して急降下爆撃するなのはさん…あまり違和感ないな…。 次回予告の例の台詞…「あたしも出しなさいよ!」という感情がこもってそう…。次回楽しみにしているよ。 -- シャイアン (2009-10-20 21 42 13) 皆さんありがとうございます! ようやくランカとアルト無き後のマクロス世界の状況がわかるこの回まできました。ここまで来れたのも、皆さんの暖かい応援あってこそです。本当にありがとうございます! さて、有人機とのタイマンですか。スカリエッティ側には人的資源が乏しいですから、なかなか難しいかもしれません。でも今は〝実現しないとは言っていない〟とだけ言っておきましょう。 それとアルトくんの生身での戦闘・・・う~ん実のところあまり検討してなかったですね・・・機会があれば入れてみたいと思います。 あと継続についてはご心配なく。実を言いますと、この作品は書き始めてもう1年ぐらいになります。ですからそれ相応数のストックが存在します。(書いてた当初公開予定は無く、自己満足で書いていたのである程度の修正は必要でしたが・・・) シェリルについては─────今は明言しないでおきましょう。とりあえず名無しさんのアイデアも検討してみますね。 -- シレンヤ (2009-10-20 22 41 24) ミッドの空をバルキリーが飛び、戦う… 想像するだけでワクワクします。 そしてはやてがアルトの姫ネタで弄るシーンを連想してしまいます。 これからもがんばってください -- よく見ています (2009-10-21 00 11 03) ああっ!! すいませんシャイアンさん! スツーカって爆撃機でした・・・やっとわかりました。 「Suー~」だったんでそのまま「スツーカ」と読んでしまいました。 スホーイに直します。ご指摘ありがとうございます。 -- シレンヤ (2009-10-21 00 26 31) Su-27フランカー(NATOコード)の系列機だけが行える機動なので正確にはフランカーシリーズと書くほうがいいです。 あと、エースコンバットよりもなのはさんの原作設定が生きるLOMAC(LOCK ON MODERN AIR COMBAT)を推奨します。 SS編(97管理外世界)ではアルト天然温泉に入るとか、早乙女一座公演を見るとか!!のイベントがありそう・・・(洒落にならないのがご先祖の公演を見ることだが) -- ポートラム (2009-10-21 01 24 08) なにこれバサラ出ないの? -- 無名 (2009-10-21 12 04 51) フロンティアが基軸なのにバサラが出るわけないでしょうが。年代が違う -- ゲペなんとか (2009-10-21 20 38 20) フランカーですね。了解です。 でもLOMACってほんとに原作設定なんでしょうか?調べても出ないのですが・・・それに「一般人が聞いてゲームとわかるエースコンバットのほうがいいかなぁ」とか思ちゃったんですけど・・・いいですかね? 「無名」さんへ マクロスFの世界は2059年で、バサラの活躍した時代は2045年であり、出演はなかなか難しいと思います。 出すとすると中年でしょうか?僕は彼には若いイメージのままでいたいので、〝メイン〟としての出演はありません。 -- シレンヤ (2009-10-21 21 27 33) いつも楽しく読んでいます。次はシェリルが登場しますね。…また三角関係始まるのかな、それはそれで面白そうですが。ブレラ少尉とVF―27ルシファーやオズマさん達、そしてバジュラは出てくるんでしょうか? -- ジン (2009-10-21 21 55 27) ─────次回にご期待ください。 -- シレンヤ (2009-10-21 22 20 40) 原作とらハではAVマニアという設定があるので 航空機操縦ではエースコンバット知識は役に立ちません、あれは『フライトシューティング』であってLOMACの『フライトシミュレーター』のほうが航空機操縦には役立ちます。 PCのシミュレーターでは飛ばすまでが大変でその後がさらに大変(シミュレーターにはまり込んだ海外の人だとコクピットそのものを再現しようと莫大なお金をつぎ込んでるそうです) なの破産(誤字にあらず)のことだからPCのスペックが廃スペックになってるでしょうが(100万ぐらいぶっこんでるかも) 少し書き方を間違えましたので訂正します。 -- ポートラム (2009-10-22 01 10 43) まぁ、確かにエースコンバットだと単に失速してコブラできませんからね。 了解です。変えときます。 とらいあんぐるハートをやっていない自分をお許しください。 -- シレンヤ (2009-10-22 07 47 24) 更新お疲れ様。SS編で妄想してみた…最初はなの・フェイ・はやて+アルト・ラン・シェリの6人で始まるが、ヴォルケン4人衆やSMSメンバー(スカル・ピクシー各小隊からオペ子トリオ、果ては艦長まで)が着いてきて、ドタバタの末団体で帰る…なんて考えた…すみません、無視して結構です。 -- シャイアン (2009-10-24 14 12 28) 更新乙です!両作品好きの自分にとってたまらないクロスなので続き楽しみにしています。 今回の話をみてマクロス組は一気にクオーターごと来そうな気がするんですが、たぶんまだホテル編まで進んでいないと思うんで自分的にはシェリル、ルカ、ブレラ、ちびクラン(←重要!)の学生組に先に来てもらいです。 ネタばれになりそうだったら消しといいてください。 あとはバリアジャケットシェリルorシェリルバルキリー(小説版ならVF―1ぐらい大丈夫?)希望します! 図々しいアイデアですけどお願いします。頑張ってください!(ギン姉マダー?) -- フロッガー (2009-10-24 18 23 00) 更新、お疲れ様です。 いきなりで申し訳ないのですが、 VB(ヴァリアブル・ボマー)の部分が気になりました。 一応、Wikipediaより抜粋してみました。↓ ケーニッヒ・モンスター 可変爆撃機(ヴァリアブル・ボンバー=VB)のカテゴリーに属する機体。 本当にちょこっと気になっただけなんですけどね? 変に細かい部分に気がつくのが時折、嫌になります。 -- かあおす (2009-10-24 19 10 36) みんな付いてきてドタバタの末団体で帰る。ん~ワイルダー艦長をどうやって引きずり出すかが問題ですね・・・あの人もうクォーターから降りそうもありませんから(笑)とりあえず検討してみますね。 マクロス勢については今後の頑張りに期待ということでコメントは差し控えさせてもらいます。すいません。また、このJS事件が我々の知る〝史実〟通り進むことは確約しません。 かあおすさんありがとうございます。確認したところ〝ボンバー〟でしたご指摘ありがとうございます。今後もこのような小さなことでも気づいたらご報告お願いしますね。 -- シレンヤ (2009-10-24 20 12 31) 更新お疲れ様です。毎回楽しみに見ています。所でマクロスは歌の要素がありますよね。だから六課のなのはさんやフェイトさん(中の人が歌っている)が 歌手デビューしたりしますか? -- お財布マストダイ (2009-10-26 20 34 44) ・・・ノーコメント(笑) -- シレンヤ (2009-10-26 20 40 10) 続き楽しみにしてますよ~ -- シャロン (2009-10-31 20 30 09) まさか同い年だったとは…更新乙! 修正点でVF―11は「サンダーホーク」じゃなくて「サンダーボルト」だと思うので確認お願いします。 勉強頑張りつつ続き楽しみにしています!頑張ってください! -- フロッガー (2009-11-02 00 38 56) 試験頑張って下さい。まあ自分も何ですが(笑)。お互いがんばりましょう -- 名無しさん (2009-11-02 00 51 52) 本局が絶対黙ってないだろうなこれ -- エミリオ (2009-11-02 01 32 40) >ワルキューレ、サンダーホーク "なんとまぁ、設計だけでなく名称までもじってやがる" 多分間違いじゃありませんよ -- ナイトメアプラス (2009-11-02 09 16 31) いやはや同じ受験生の時間を削ってしまうとは自分も罪深くなりました(笑)。大学生になれるよう、お互いがんばりましょう。 さてナイトメアプラスさんありがとうございます。名称につきましてはあなたの説明で完璧です。わざともじっています。 エミリオさん、本局について言えば彼らに〝黙認〟以外に選択肢はありません。 理由としては地上本部側の反論材料が豊富だからです。 例えば「バルキリーを先に採用したのは〝本局〟所属の機動六課じゃないか」とか。 それにマスコミと世論を味方に付けた以上、民主国家であるミッドなら最強です。 そうですね・・・怒るとしたら管理局主導のもと質量兵器廃絶を目指す他の次元世界でしょうね。 -- シレンヤ (2009-11-02 18 49 08) 初めまして。 一度に、10話読ませてもらいました。 とても面白く読ませていただきました。 皆さんは、自分よりも二つ上なんですね。 では、いきなりですみませんが一つ気になったことを。 はやての「いじわるだね、アルト君」という台詞を「いじわるだね、アルト君」のようにしてはいかがでしょうか? 長々と失礼しました。 第11話、楽しみに待たせていただきます。 -- ヌージャデル (2009-11-02 19 51 07) 連レスすみません 前文に間違いがありました。 正しくは、「いじわるやね、アルト君」のようにしてはいかがでしょうか? です。 -- ヌージャデル (2009-11-02 19 57 33) ヌージャデルさんへ 確かにそのほうがはやてらしいかもしれませんね。参考にしたマクロスの小説の、ランカのセリフそのままで書いてましたから・・・ -- シレンヤ (2009-11-02 20 10 29) 学生さんだったのか、ここは受験を優先して、気長に待っているから。しかし、聖王教会の描写…何処かで見たような、何処かで…zzz…(眠っている。) -- シャイアン (2009-11-07 12 03 58) 2回目のコメントです。 ついに総合火力演習が始まりましたね。果たして勝利の女神は、管理局空戦魔導師部隊とフロンティア基地航空隊どちらに微笑むのでしょうか? 白熱の展開を期待しています。 -- ジン (2009-11-10 21 37 34) クランとミシェルが再会してほしい…… -- ルファイト (2009-11-10 21 58 12) 予想外の展開に興奮してます。次回が楽しみです。それとコメントが増えてきたのでそろそろコメントページを作ってはどうでしょう? -- 名無しさん (2009-11-10 22 46 02) 皆さんコメントありがとうございます。今回はアクセスカウンターが20000突破したことの記念のため更新しました。(1ヶ月ぐらいかかると思ってたんだが・・・) おそらく今後更新することはないと思いますが、カウンターが30000に行ったらまた記念をやるかも。ま、無理だろうがな!(笑) では次回の更新にご期待ください! -- シレンヤ (2009-11-11 22 06 29) なかなかおもしろい作品でした。講義の合間に息抜きしてたらこんな良いものがあっておもしろかったです。シレンヤ氏はもうフロンティアの小説版は読んだでしょうか。じつはオズマが若い頃あの人に会っていたり、ギャラクシーの黒幕にはマのつくVF-Xのあの人がいたり、矢三郎さんがあの人と会っていたり、とマクロスファンにはニヤリとさせる場面が多いです。小説版の内容も加味していただけたらと、おもいました。 -- VF-SS (2009-11-12 10 04 04) VF-SSさんへ はい。マクロスFの小説は読ませていただいています。と言いますか、これを書く上の貴重なバイブルです。 第9話のナナセの事件に関する記述もこれを元にしていますし、他にも探せば影響を受けたであろう言い回しや設定(反応弾が核融合爆弾ではなく対消滅爆弾になっているだとか、EXギアの主機が反応エンジンとか。)が見られると思います。 おそらくこれからもそれら設定とネタの使用(乱用?)が今後たくさん見られると思いますので、お楽しみに。 ちなみに小説版では、最後バジュラは母星から退去してしまったのですが、これを書き始めたのがアニメ終了2ヶ月後であったため、全く反映できませんでした。 また、ファンの方には申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、自分は「マクロス7シリーズ」「マクロスⅡ」そして「VF-X」なるものを見たことや読んだことがありません。これらの知識はすべて隔週木曜に出版され、自分が創刊号から今日(現35巻)まで買っている「マクロスクロニクル」で埋めているのが現状でありまして・・・その・・・すいません・・・ 受験が終わったらマクロス7シリーズぐらいは見ようと思いますんで、ご容赦願います。 長文に付き合っていただきありがとうございます。 -- シレンヤ (2009-11-12 22 35 11) 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 -- 名無しさん (2009-11-15 17 39 18) アンケートの項目にマクロス2がない…(´・ω・`) 作品に反映がなくともせめて項目ぐらいは欲しかった -- 名無しさん (2009-11-22 20 37 31) すいません。これから作るのでまた投票に行って頂ければ。 -- シレンヤ (2009-11-22 21 16 38) 11話まで一気に読ませていただきました。 何か総合火力演習の展開が某リボン付きとのクロスと似てなくもない気がしたが、まあ気のせいということで。 フロンティアサイドがアルト達の探索を始めたようだ。 今後どのような展開になるのか非常に楽しみだ。 取り敢えず作者、更新頑張って! -- raptor (2009-12-15 23 04 31) やはり気づかれましたか・・・ はい、そうなんです。かつてここあった「オペレーション・リリカル」に影響を受けたところは少なからずあります。 元はと言えばこれを書く契機になったのも彼の作品に憧れ、「あんな作品を書きたい!」と思ったことに端を発しています。 そのため主な影響といえば「魔力推進のミサイル」、「レールガン型発射方式」、「これに伴う陸士部隊の携行装備の改変」、「ティアナの兄の死亡理由」などが典型例で探せばまだあると思います。 しかしこの演習がどうなるか、そしてこれからをどう展開していくかは全く違ったものになると思いますのでご安心を。 最後に。 あの作品は「時空管理局 創作課」というところにあるみたいなので、読んでない方々は見てみるのも一興かもしれません。(文章レベルの差は今後精進して埋めていきたいと思うので、今後ともよろしくお願いします!) -- シレンヤ (2009-12-15 23 55 39) 二話まで読みましたがとても楽しめています。 続きに進むのは修正を待った方が良いでしょうか。 -- us (2010-09-19 22 55 54) usさんありがとうございます! 続きについてははい、すいません・・・・・・ 修正しないのであればものすごいたくさんのストックがあるのですが、これまでも視点が一人称なのに相手の考えが書いてあるとか批判をたくさんいただきまして・・・・・・それにこれまでの皆さんの意見を参考に修正したいと考えこの決断に至りました。 しかしできるだけ努力しますので、今後ともよろしくお願いします! -- シレンヤ (2010-09-19 23 11 08) 了解です。続き楽しみに待っています。 -- us (2010-09-19 23 34 57) ところであなたが下につけているカウンタープラグインは 保管庫ではまだ仕様が認められていないもののはずですが。 夜泣するのもアクセスカウンターが回って喜ぶのも貴方の 勝手ですがルールは守ってください。 -- 名無しさん (2010-09-21 16 32 19) そうなんですか・・・・・・ わかりました。一斉にはずすと更新履歴が埋め尽くされてひどいことになるので メインページ、修正版までをまず外し、以降は順次外していきます。 ご了承ください。 -- シレンヤ (2010-09-21 17 19 24) 順次やろうと思いましたが隙があるとまた叩かれそうなので全て一斉に削除させていただきました。 他に何かあるでしょうか?今なら更新履歴を気にせず修正できます。 -- シレンヤ (2010-09-21 17 51 33) 貴方にとって人からの注意の類は全部「叩き」になるのですか。ご自分に否定的な者はすべてアンチですか。 -- 名無しさん (2010-09-21 22 48 25) 「私が違反である」ということで、順次修正中に「まだ消していない」と煽りが入る事もあるかと考えたため、このような一斉削除に乗り出しました。 そのためこのような煽りを「叩く」と表現したのであり、私に対しての注意や否定的な意見を「叩く」と言っているわけではありません。少し舌足らずでしたね。 誤解を招くような発言をしてしまい申し訳ありませんでした。 -- シレンヤ (2010-09-22 01 26 58) "また"叩かれると仰ってますが、本当に反省なさっていますか? -- 名無しさん (2010-09-22 07 30 05) ↑の奴、なにそんなに必死になって責めてるわけ? 自分に批判的な意見を「叩く」と表現したんじゃないって書いてあるし、謝ってるじゃん。 俺には、あんたが変に突っかかってるガキのようにしか見えない。 作者さん、変に突っかかる奴は気にせず、これからも頑張ってください! 応援してます。 -- 名無しさん (2010-09-22 08 14 15) ありがとうございます。 これからもがんばります。 -- シレンヤ (2010-09-23 21 28 13) ACE Rや劇場版マクロスFの発売で、マクロス熱が再来していたので、このSSが復活したのは嬉しいです。作者さん最後までがんばってください。 -- 名無しさん (2010-09-23 23 07 25) 新参者なので何があったかはよく分かりませんが、僕はシレンヤさんを応援しています。 これからもがんばっていってください!期待しています。 -- 暁の女神 (2010-09-24 15 30 24) マクロスシリーズ(マクロスFメイン)ってことは他のとこからもやってくる可能性はあるってこと? 時代がずれてまさかの共演、みたいな -- 名無しさん (2010-09-24 23 18 09) 劇場版は初日に見に行きました!トルネードパックとかカッコよかったですよね! こちらも負けないよう頑張ります! 暁の女神さん、応援ありがとうございます! お互いいい作品を出せるようこれからも頑張りましょう! 「マクロスシリーズ(マクロスFメイン)ってことは他のとこからもやってくる可能性はあるってこと? 」 という質問ですが、あるかもしれないとだけ言っておきます。 -- シレンヤ (2010-09-24 23 44 59) お帰りなさい、そしてお久しぶり。 修正とはいえ、また読めるのは嬉しい。ゴタゴタしているようだが、「申し訳ない」と思うなら「全話完結」を目指し、書き上げて欲しい。 楽しみにしているよ。 -- シャイアン (2010-09-25 13 02 46) 全話完結、いい響きです。 皆さんが応援してくれる限り、書き続ける所存なので、これからもよろしくお願いします! -- シレンヤ (2010-09-25 23 23 57) マクロスなのは、楽しく読ませてもらってます。 ですが、マクロスはともかくリリカルなのはの方はちょっと読み込みが足りないような。 とりあえず、細かい事ですが『魔導士』ではなく『魔導師』ですよ。 続きも楽しみにしてます。 -- 名無しさん (2010-09-29 10 00 44) ようやく指摘してくれる方にめぐり合えました!ありがとうございます。 魔導「し」の件ですが、これは意図的であり、歴史改変現象の余波です。 この世界の時空管理局はミッドチルダという国が立ち上げた完全な国立機関であり、組織立ち上げ当初局員は全員国家公務員だったのです。 そのため原作通りの先生とか偉い人とかそういう意味を持つ「師」ではなく、技術士、看護士のような集団の中で専門技術を備えた人という意味と、軍人であるという意味を込めてこの「士」という漢字を充てています。 歴史的な背景をこれ以上説明すると完全なネタばれに繋がりかねませんのでやめます。 このように大抵の原作との差異は伏線だったりと意図的ですが、他にも聞きたいことがあれば書いてみてください。誠心誠意お答えします。 なお、現在大学祭の準備とか本業が忙しく更新が遅くなってますがご容赦願います! -- シレンヤ (2010-09-29 22 30 35) ようやく指摘してくれる方に ハッ! まんまと指摘してしまった。 ミッドチルダの土地が地球と同じになってるとかの設定は意図的なものかと思ってましたが、そこもでしたか。 -- 名無しさん (2010-10-01 00 56 39) にゃはは、これからも応援よろしくお願いしますね! -- シレンヤ (2010-10-01 23 15 48) まぁ、原作の魔導師に偉い人とか先生なんて意味はないわけだが。 と書くとまた叩き判定されるんだろうなぁ。 -- 名無しさん (2010-10-03 19 41 00) 原作の魔導師に… まあ良いじゃないですか。 士にする事で『ウィザード』じゃなく『ソルジャー』にしたいって事でしょう。 -- 名無しさん (2010-10-04 15 11 56) 小説読みました -- アーチェリー (2010-10-27 15 59 01) アーチェリーさんありがとうございます! -- シレンヤ (2010-10-31 23 29 14) TOPページへ このページの先頭へ
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登録日:2009/12/06 Sun 00 28 59 更新日:2024/03/18 Mon 21 18 41NEW! 所要時間:約 13 分で読めます ▽タグ一覧 INNOCENT StrikerS ViVid ViVid Strike! なのはさんとフェイトさんの娘 オッドアイ スピンオフ主役 チームナカジマ ナカジマジム ロリ ヴィヴィオ 主人公 司書 変身ヒーロー 大人モード 幼女 桃子さんの孫 水橋かおり 無我の境地 神眼 聖王 覇王の嫁? 金髪 養子 高町家 魔法少女リリカルなのは 魔王の娘 ママ……いないの…… 出典:魔法少女リリカルなのはStrikerS 13話「命の理由」より セブン・アークス、2007年4月~9月、©なのはStrikerS PROJECT,キングレコード,草川啓造 「魔法少女リリカルなのは」シリーズの登場人物でStrikerSの重要人物。 CV:水橋かおり 休暇中のエリオとキャロが市街地で偶然発見し、レリックとの関与が疑われるため機動六課の元で保護することになった謎の少女。 初登場時には複数のレリックケースを足に鎖で繋がれた状態で下水道を彷徨っていた。 聖王教会の検査によれば、魔力が多少高いが普通の少女。ただし明らかに人的な処置を受けた人造生命であることが示唆されている。 年齢は大体4、5歳とみられ、瞳は左右の色が異なるオッドアイ。右目が緑、左目が赤。 病院に収容された時には母を探して病院内を徘徊していたが、最初に見つけ語りかけた高町なのはには心を許したようで特に懐くようになる。 保護したての頃は子供相応に周囲に怯えていたため、なのはにしがみついて離れなかったが、子供慣れしていたフェイトやフォワードメンバーにあやされる内に笑顔を見せるようになった。 身元が不明なこと、レリックとの関連性などから一時的になのはが保護責任者、フェイトが後見人となり六課で預かることに。 その頃から2人を「なのはママ」「フェイトママ」と呼び慕い、ヴィヴィオがなのはさんとフェイトさんの子供と誤解する人もいる。 2人が仕事でいない間は寮母のアイナさんが面倒を見ていた。 狼形態のザフィーラもアイナと一緒に生活の支援をしているが、これは彼女の護衛と悪く言えば監視の意味もあったのだろう。 被保護初期の怯えが抜けてからは明るい性格で皆に愛され、フォワードメンバーからも可愛がられている。 好きな食べ物はなのは手作りのキャラメルミルク。嫌いな食べ物は苦いピーマン(後に克服)。 なのはが買ってくれたうさぎのぬいぐるみを大事に持っている。 ヴィヴィオとなのはは共に生活する内に本当の親子の様な関係を築き、ヴィヴィオもなのはを実の母になって欲しいと思っていた。 以下、ネタバレ ヴィヴィオの正体は古代ベルカに存在した王の一人、聖王『オリヴィエ・ゼーゲブレヒト』のクローン体。 聖王のゆりかごを起動させるための「聖王の器」であり、紅と翠の虹彩異色は聖王家の人間に頻発する特徴であった。 スカリエッティによって世に流出していた聖王の遺伝子データを元にどこかの違法研究者によって製造されたと思われ、人造魔導師素体として生体ポットに入れられた上で秘密裏に輸送されていたが、 ヴィヴィオ自身またはレリックに反応したガジェットドローンによって発見されてしまい、ポットから出たヴィヴィオはガジェットとトラックを破壊してそのまま下水道を彷徨っていた。 そこをエリオによって発見され、無意識ながらデータ収集の対象としてなのはを選んだ。 物語中盤、変態ドクター達による管理局地上本部の襲撃に合わせて一部のナンバーズとルーテシアが六課に攻め入り、ヴィヴィオは拉致されてしまう。 その後、スカリエッティによってレリックを体内に埋め込まれ、古代の戦船『聖王のゆりかご』の制御ユニットとして組み込まれてしまう。 聖王のゆりかごの復活によって、スカリエッティは管理局に宣戦布告する。 ゆりかごの内部に侵入したなのはは玉座にたどり着き、ナンバーズの一人クアットロは精神制御によってヴィヴィオを操り、親子同士が戦うことに。 ヴィヴィオは防御に徹するなのはを一方的に叩きのめすが、クアットロの居場所をレイジングハートが突き止めたことでなのはは形勢逆転し、壁抜き砲撃でクアットロを昏倒させたことでヴィヴィオの洗脳は解ける。 しかしヴィヴィオが戦意を失ったことでゆりかごは防衛モードへ移行し、ゆりかごの防衛兵器の一部であるヴィヴィオも外敵であるなのはと意思に関係なく戦わせられてしまう。 激戦の最中、ヴィヴィオは自らの出自や聖王としての宿命を自覚する。 自分は遥か昔の人物のクローンであり、望まれたのは人としてではなくゆりかごを動かす器としての自分。かつて恋しかった本当の母も無く、なのはやフェイトに懐いたのは魔法のデータ収集のためだった。 自分はこの世界にいてはいけない人間だと叫び、ヴィヴィオはなのはを強く拒絶する。 しかしそれでもなのははヴィヴィオを自分の娘として共に生きていくことを決意し、その意思をヴィヴィオに伝える。 本当の気持ち、ママに教えて 私は……なのはママのことが、大好き! ママとずっとずっと一緒にいたい! ママ……助けて! 助けるよ! いつだって、どんな時だって! そしてなのはの全力全開『ブラスター3』 ブラスタービットを使った全方位攻撃のスターライトブレイカーex-fbを受け、体内に埋め込まれていたレリックを破壊され本来の姿に戻る。 心配しすぐに駆け寄ろうとしたなのはの前で、ヴィヴィオは自らの足で立ち上がりなのはと抱きしめあった。 その後、本編エピローグにて正式になのはさんが引き取り「高町ヴィヴィオ」となる。 また本人の希望により普通の子供とともに聖王教会系の学校St(ザンクト).ヒルデ魔法学院に通学している。 聖王になっていた時のことははっきりと覚えている様子。 ナンバーズ更生組やルーテシアとも交流を続けて仲良くなり、 また本好きが高じて初等科三年生時には無限書庫の司書の資格を取っている。 聖王ヴィヴィオ あなたは、ヴィヴィオのママをどこかに攫った… 出典:魔法少女リリカルなのはStrikerS 23話「stars strike」より、セブン・アークス、2007年4月~9月、©なのはStrikerS PROJECT,キングレコード,草川啓造 スカリエッティによって体内にレリックを移植されたことで『レリック・ウェポン』として覚醒した状態のヴィヴィオ。 本当の“ママ”をさらった目の前の悪魔を倒せというクアットロの言葉に従いその力を解放し、どこかに攫われ、今も助けを求めて泣いている本当のママを救うべくなのはの前に立ち塞がった。なのはの反論にも、この状態のヴィヴィオは聞く耳を持たず、大切なママを攫った憎むべき敵としてなのはを認識していた。 本作の黒幕がスカリエッティ一味なら、聖王ヴィヴィオは実質ラスボスという立ち位置となる。 この状態のヴィヴィオはなのはと同年代程の体格に変化、美少女らしさも残しつつ大切なママを奪ったなのはへの怒りを秘めた、王と呼ばれるにふさわしい凛々しい顔立ちとなり、服装は黒色を基調としたなのは似のバリアジャケットに変更され、髪型もサイドポニーとなる。 ちなみにこれは本人の強い存在のイメージが元になっているらしい。 良く見ればバリアジャケットのほうもなのは以外の人物の特徴がよく出ているような……。胸はシリーズ最大級。 その強さは間違いなくシリーズ最強クラス。特にその防御力はなのはの零距離砲撃を無傷で凌いだリインフォースを彷彿させるほど。 単身でも強大な魔力を持つが、ゆりかごの動力炉に接続された魔力量は事実上無限に等しく、動力炉かゆりかご本体を先に落とすなりしないと打倒は困難。 なのはが単身でこれを打倒できたのは、ヴィータによって動力炉が破壊されていたことも大きいとされている。 加えてクアットロの昏倒によって精神制御が外れ、意識的には正気に戻っていたのも一因か。 戦闘スタイルはベルカ式には珍しい純粋魔力射出・放出系。 加えて「データ収集」により接触の多かったなのはやフェイトの魔法・技術を学習しており、射撃・砲撃・格闘と隙がない。 この学習機能は魔法を使用するだけでなく覚えた魔法を無力化するのにも使われる。 コピーされた魔法はその莫大な魔力によって恐ろしいほどの威力になっている。 聖王家の遺伝子に組み込まれた防衛能力「聖王の鎧」によって凄まじい頑強さを誇り、Sランクの砲撃にすら物ともしない。 名称に鎧とあるため防御力に目がいくが、実際は聖王家の強力な能力の総称である模様。 このスキルの詳細は作品内でも諸説ある設定であり、この能力全般を指すという説、この能力中でも特に優れたものを指すという説、レリックウェポン化した際に具現化する甲冑や防護服の事であるという説の3つが主な説らしい。 ■ViVid 大好きで大切で守りたい人がいる 小さな私に強さと勇気を教えてくれた 世界中の誰より幸せにしてくれた 強くなるって約束した みんなと一緒に、大好きなストライクアーツで強くなるんだ! どこまでだって! 出典:魔法少女リリカルなのはViVid、1話、A-1 Pictures、キングレコード、アニプレックス、セブン・アークス、2015年4月3日~6月19日、©NANOHA ViVid PROJECT スピンオフでは主人公を飾る。初等科四年生。(→五年生)コロナ・ティミルとリオ・ウェズリーという大親友がいる。 ノーヴェに格闘技を教わっており、日々鍛錬に励んでいる。 ある日、ノーヴェから紹介された同じ古代ベルカに因縁を持つアインハルト・ストラトスと知り合い、拳を通じて親交を深めていくことになる。 自身の聖王オリヴィエのクローンとしての生まれは既に受け入れ、一部のキャラから「陛下」と呼ばれることにももう慣れた様子。(StrikerS サウンドステージXでは嫌がっていた) むしろ、歴史を調べて自身のオリジナルがどんな人物であったかにも関心を持っている。 それでも、ヴィヴィオにとってはそのような生まれよりも、今を一人の女の子として生きていくことが大事になっている。 最近の悩みは、進路をどうするかということ。 学者希望ではあったが、格闘技も続けたいし、なのはと同じ管理局務めも、聖王教会に行くという手もある。 まだまだ初等科の学生、焦って決めるような年齢ではないのだが、いろいろ見えるからこそ悩ましい様子。 出典:魔法少女リリカルなのはViVid、1話、A-1 Pictures、キングレコード、アニプレックス、セブン・アークス、2015年4月3日~6月19日、©NANOHA ViVid PROJECT 四年生になった夜に両親から自分専用のうさぎ型デバイスをプレゼントされ、そのデバイスに『セイクリッドハート』(愛称:クリス)と名付けた。 セットアップすると変身魔法により防護服と体格が聖王モードになる。以前からできていたらしいが、クリスによって安定制御できるようになった。 このモードのことを本人は大人モードとよんでいる。以前との違いは肩から羽織るジャケットがなのはと同じ白になっていること(*1)。これは魔法や拳法を使う際に便利だからでありなのはも了承している。 使用術式はベルカ主体のミッド混合ハイブリッド。魔法陣は現在のところベルカ式のみ。 格闘技をやる理由は、かつてなのはと交わした(すぐに泣かない、転んでも1人で立てるなどといった意味での) 「強い子になる」という約束と、そんな母を「いつか守れるようになりたい」という思いから。 だがシャンテによれば、魔力資質は高速並列運用型で、本来は学者型か中後衛型であり、格闘型に向いてないとのこと。 しかし度胸の良さや視界の広さからくる正確な距離感から相手の攻撃を見切ったり、正確に急所を打ち抜くことで相手の意識を刈り取るカウンターヒッターとしての才能も有り、格上が相手でも逆転のチャンスがある。 ルーフェンではそんな自分の才能について指摘され、ヴィヴィオがあえて格闘技にこだわる理由、これからの目標や指針について語られた。 いつから母に似たのか割と無茶をすることもあり、特にアインハルトとの4戦目はやりすぎてノーヴェにこっぴどく叱られている。 初出場のインターミドルでは新人としては好成績で勝ち進むが、八神道場の愛弟子ミウラに接戦の末敗北する。 その後ミウラとは良き好敵手、後に同じチームの仲間として互いに切磋琢磨していく仲になる。 余談だがヴィヴィオがセットアップをすると大人モードになるということをなのはがフェイトに説明するのをうっかり忘れていたため、 その姿を見たフェイトは驚きのあまりすわりこんで泣いてしまうという珍事が発生した。 ■ViVid Strike! 本作では主人公ではなく、新主人公フーカ・レヴェントンの先輩の一人という立ち位置。でもフーカより年下。 あれからU15ワールドランク7位と世界レベルの有力選手になった。 ラスボスと目されるランク1位、リンネ・ベルリネッタから白星を挙げた経験を持っている。 第7話以降のネタバレの為未視聴の方は注意!! ウィンターカップ2回戦で、ミウラを破ったリンネと再び相まみえることとなったヴィヴィオ。 リンネが勝つとリンネとフーカで大会での試合となる可能性が高い。 かといってヴィヴィオが勝った場合に予想されるヴィヴィオvsフーカは物語の展開的に考えにくい。 更にヴィヴィオよりランクが上のミウラが敗退したことや、ヴィヴィオの試合前日に回想シーンなどが混ぜられたことが重なり、 ヴィヴィオもミウラと同じように噛ませになる敗退する展開なのでは?と予想した視聴者は多かった。 しかし、ヴィヴィオとリンネの双方を知るハリーの予想はヴィヴィオKO勝ち、エルスは判定ヴィヴィオ勝ちであった。 更に、試合が始まるとリンネ側にもフラグ臭いシーンが目立ち始める。 試合が始まると打点の読めないフリッカージャブで着実にダメージを与えつつリンネの強打撃を見事にいなし、練習量の裏付けある試合巧者ぶりを見せるヴィヴィオ。 一度つかまり、リンネのクリーンヒットを受け周囲を不安にさせるも,クリスのセイクリッドディフェンダーで事なきを得る。 そして「格闘は資質的に向いていない」ヴィヴィオが「100年に一度の天才」「毎日吐いて気絶する努力をしてきた」リンネを相手に再びダウンを奪う。 『ただ…今日は勝ちます。勝ってフーカさんに託します』 『後で…私もリンネさんと仲良くなれたら嬉しいなって』 母との絆を感じさせる名言なのだが、本来挑発と取られて減点になってもおかしくなく、それでノーヴェに怒られました。 第2ラウンドまでは順調に試合を運ぶヴィヴィオだったが、最終ラウンドでついにヴィヴィオの快進撃が止まった。 決まったかに思われたカウンターをものともしないリンネの反撃にラッシュを受けるヴィヴィオ。 ダウンを奪われ、しかも左足が動かない。ガードしてもその上から落とすリンネを相手に機動力を奪われては絶体絶命である。 しかし、ヴィヴィオには「追い込まれてから強い」というもう一つの姿があった。 ご先祖様から受け継いでママに育ててもらったこの体はいつだって私の無茶を聞いてくれる 思った通りに動いてくれる! 母親譲りの全力全開で、最後の大反撃に打って出るヴィヴィオ。 魔力を攻撃に全振りし、利き腕と逆を使うサウスポースタイルで攻撃を読ませないジャブを連打し、リンネの姿勢を崩す。 身体資質の差を頼りに打ち合いに出るリンネだったが、それこそがヴィヴィオの狙い、神眼で見澄ました刹那であった。 リンネさんを救えるのはきっと私じゃない。リンネさんにちゃんと勝ちたかったしフーカさんやアインハルトさんとも戦いたかったけど しょうがないや。私の冬はここで終わり その代わり………今私にできることをここで全部!!! もはや勝っても次の試合を戦えそうにない程の負傷の中、「次の試合」を捨て「リンネに勝つ」ことに全てを賭ける覚悟を決めたヴィヴィオ。 出典:ViVid Strike8話「勝者と敗者」より、セブンアークス・ピクチャーズ、キングレコード、アニプレックス、セブン・アークス©ViVid Strike PROJECT フルスイングの連打を急所に正確に10発連続で打ち込むという、「当たらずに当てる一閃必中の技巧者」に恥じない公式戦初披露の新技、 デンプシーロール「アクセルスマッシュインフィニティ」を叩き込んだ。 鍛え上げられたリンネの肉体も急所への必殺技の連打に耐え切ることはできず、ヴィヴィオのKO勝利となった。 勝利した瞬間たまらず崩れ落ちるヴィヴィオだったが、仰向けのまま満面の笑顔とガッツポーズを決めたのだった。 本作では名前も出てこないなのはを彷彿とさせる、仲良くなりたいという言葉に代表される優しさに、絶体絶命になってなお折れない不屈の心。 支えとなっていた母やご先祖様との絆。 普通の格闘試合としてみても充分以上に熱いが、何より「強い子になる」というヴィヴィオの目標の到達点を示したとも言える戦いぶりに目頭を熱くしたシリーズのファンは多い。 流石に負傷が重く、病院に運ばれるヴィヴィオ。次の試合は棄権となった。 それでも、ヴィヴィオは晴れやかな表情を浮かべていた。ヴィヴィオに付き添うチームメイトたちの表情にも、曇りはなかった。 足がやられた時点で棄権しろとシャンテに怒られたが。 リンネは「ナカジマジムのメンバーに敗退したらフーカとの試合をする」という約束を取りつけていた。 病院でも、ヴィヴィオは棄権を残念がってこそいたがそれ以上にリンネを気にしていた。 そして、紆余曲折の末に組まれたリンネとフーカの試合。ヴィヴィオも負傷から復帰し、チームの仲間と観戦に訪れる。 ヴィヴィオがその願い通り、リンネと仲良くなれる日は、果たして来るのだろうか・・・ ■Force 初登場はプロローグ。 その後、一コマ登場した後でなのはへの届け物とトーマとリリィへの面会のために六課を訪れた。 この際には、中等部の制服を着ている。(ミッドチルダの初等部は5年生までなので) ■魔法少女リリカルなのはA s PORTABLE THE GEARS OF DESTINY 出典:魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-、ウィッチクラフト、バンダイナムコゲームス、©都築真紀 ©2011 NBGI、2011年12月22日 プレイアブルキャラクターとして登場。 見かけに反して攻撃力は低め、代わりに防御力高めで近付いて手数で押すタイプ。 ちなみに聖王の鎧もないのに本編の設定に反して防御性能が高いのは、クリスがセイクリッドディフェンダーを常時発動していたからである。 時系列的にはインターミドルの後なので、かなり成長していることがわかる。 闇の欠片でいろいろな意味で一番被害を受けている感じが否めない。 勝利セリフが母親と対応しており、やはりなのはの娘である。 ■INNOCENT 他のStrikerSキャラを差し置いて登場した。ただし、今のところはViVidの世界からのゲスト参戦という扱い。 漫画版にも登場。 漫画版のヴィヴィオは原作と異なり、(アインハルトの口ぶりから察すると)なのはの実子であり本作の未来から来たことが明らかになった。 ◇主な魔法や能力 聖王時代は「聖王の鎧」による滅茶苦茶な硬さとゆりかご由来の魔力で桁違いな攻撃力を持っていたが、Vivid以降は聖王の鎧をなくし、更に本人の魔力量も並程度に留まるため、防御も攻撃もそこまでではないとなかなか中途半端なスペックに。 戦闘スタイルは格闘と魔法の混合だったが、物語が進むにつれて格闘に傾倒するようになっている。 格闘はミッドチルダで一般的な格闘技「ストライクアーツ」を学んでいる。 広い視野と反応速度を活かしたカウンターヒッターがメインのスタイル。 ノーヴェの指導のおかげで格闘家としては綺麗なスタイルだが、それ故に泥臭いゴリ押しには弱いという指摘がされている。 アクセルスマッシュ 急加速から正確に一点を打ち抜く技。 確実に急所を撃ち抜く事で意識を刈り取りに行けるため、格闘におけるヴィヴィオの基本の決め技となっている。 アクセルスマッシュW他 アクセルスマッシュでは足りない火力を補うために開発した技で、ほぼ同時に複数発のアクセルスマッシュを撃ち込む。 日々改良を重ねており物語が進むにつれて進化を続けている。 エクシードスマッシュ 恐らくアクセルスマッシュの強化技。Wの系統が手数で火力を補うのに対しこちらは単発火力重視。 ソニックシューター 高速射撃魔法。魔法戦が解禁されるとこれを使って牽制しつつ格闘戦に持ち込みに行くと思われる。 なのはから受け継いだ魔法。 ディバインバスター なのはから受け継いだ魔法その2。 定番の砲撃魔法だがインファイターということもあってかスバルのそれに近い。 セイクリッド・ディフェンダー ヴィヴィオの防御魔法。 魔力を一瞬一箇所に集中させることで実現する強固な防御。 微妙な防御力はこれで補っているが、魔力を一箇所に集中させるのでタイミングや受けどころを間違えると逆に凄まじいダメージを貰う諸刃の剣。 魔力運用に長け反応速度の速いヴィヴィオにしかできない技。 なお日本語訳すると「聖王の鎧」になるが関係性は現在も明らかになっていない。 攻撃強化 ディフェンダーと同様の原理を攻撃にも用いている。 火力を底上げできるが、その代わり防御面が紙同然になるためタイミングや使いどころを間違えると逆に凄まじいダメージを貰うのは変わらない。 基本的に決め技はすべてこれで強化してから放っている。 ジェットステップ 確実に近接戦に持ち込む為に鍛えた「俊足の追い足」。 ヴィヴィオのそれは(おそらく魔力運用による一点集中も用いているため)凄まじい速さを誇り、開幕の距離詰めやら追い打ちやら様々なところで使用している。 余談 劇場版魔法少女リリカルなのはのCMでは、なのは(23)とフェイト(23)にCMの締めに「リリカルマジカル」の台詞を言わせている。 しかも恥ずかしがるフェイトママにはダメ出しする始末。 意外と仕切り屋であり、何かの拍子に進行役が回ってくると喋りに熱が入る。スバルとセットになるとさらに手が付けられなくなり、それに引きずられてあのティアナでさえハイテンションになってしまう。 そのため劇場版の実況(オーディオコメンタリー)はそれはそれは盛り上がった。 劇場版の前売り券特典ドラマCDでは、なのはと会話しながら学校の勉強を全問正解で終わらせるなど非常に勉強も出来る様子。 無限書庫で司書も務めていることから、ヴィヴィオのマルチタスク技能はかなりのものと思われる。StrikerSでは技コピしてたしね。 さらに余談だが、ViVid1巻冒頭のカラーページの2ページ目でページ目でスカートを履いているシーンがあるのだが、本来あのアングルなら見えるはずのおぱんつが見えない……まさかノーパn もしくはあの歳にしてTバッkあれ、虹色の光g(セイクリッドブレイザー! もっと余談だがAAがとある人物(通称:ヴィヴィキチさん)により、オリジナルのオリヴィエとともに多数量産されていたりする。(なにげにはやてより多い) 追記・修正は、ヴィヴィオの体内のレリックを破壊した人にお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] あの親あってこの子有り。脳筋になったな -- 名無しさん (2013-09-21 21 50 51) 砲撃や斬撃でなく殴り合いな辺り親より深刻な気もする -- 名無しさん (2013-09-21 23 00 32) 魔法少女じゃなくて格闘少女なんだよなぁ… -- 名無しさん (2013-09-21 23 31 14) この子って誰がつくったんだろ? スカさん? -- 名無しさん (2013-09-22 13 26 04) この子を造った連中は未だに不明。スカさんも一枚かんでるのは間違いないんだろうけど、強奪しようとしてるあたり、別の誰かあるいは組織が造ったんだと思う。StSはコレに限らず、事件に関わってるはずの犯罪者や組織の大半が不明のまま終ってるし。後付で全部スカさんのせいになる可能性も大きいけど。 -- 名無しさん (2013-09-22 13 30 37) 聖王教会からオリヴィエの遺伝子データを盗んだのはドゥーエだったから一枚噛んでるのは間違いないな -- 名無しさん (2013-09-22 16 17 54) 何故に主人公(笑)タグがあるんだ。不快だから消していい? -- 名無しさん (2013-11-03 06 43 39) ファビアに「話を聞いてってばぁ!」とか言いながら砲撃しないあたり、「高町流話術」のレベルはいくらかソフトな方。 -- 名無しさん (2014-01-08 00 43 04) 何か最近前世の記憶が目覚めつつあるし、これでオリヴィエの格闘センスまで復活したらまたハルにゃんが・・・ -- 名無しさん (2014-01-11 15 08 39) ↑さすがにあのときは幼かったとはいえ技コピできてるレベルのマルチタスクもちだしな。そこにさらにオリヴィエの経験知識やセンス・・・うん、Forceでのあの評価も妥当かもな -- 名無しさん (2014-01-11 15 13 42) あるサイトのssでもし「リリなのの物語の開始がAsまでのメンバーのみ5年遅くなったら」っていうのがあった。 -- 名無しさん (2014-01-11 17 54 20) ↑その場合、なのはやフェイト、はやてにヴォルケンが入局してない→管理局の戦力が本来の物語より圧倒的に低い→犯罪率が高い→ヴィヴィオが5年前倒しで生まれる。というトンデモ展開 -- 名無しさん (2014-01-11 17 58 49) 『ファイナルフォームライド、vi・vi・vi・ヴィヴィオ!』DCD「ちょっとくすぐったいぞ」→聖王モードに(ry -- 名無しさん (2014-02-01 23 07 41) 聖王の鎧の力が復活する可能性があるかもな、過去巡りしてる展開からして -- 名無しさん (2014-02-12 13 15 15) 最新刊読みました -- 名無しさん (2014-03-30 21 19 03) ↑途中で送ってしまいました どうやら今度はアインハルトにお話し(物理)するようだな -- 名無しさん (2014-03-30 21 20 26) クロス系だと大体クロス作品キャラの娘や妹役になるという… -- 名無しさん (2014-04-17 20 32 38) ↑ StsのJS事件後の時系列でのクロスだと、時限漂流者扱いのクロス作品キャラを六課に連れていく -- 電王牙 (2014-06-27 20 01 53) 図書館の一件だと、即反応の抜き撃ちバスターかましたり事案の主犯との話し合いを願い出た挙句庇ったりと、ママ似に成長してたっけ。 血、繋がってなかったよね……? -- 名無しさん (2014-08-06 03 19 09) とりあえずvividテレビアニメ化おめ!! -- 名無しさん (2014-08-17 02 46 46) 成長すると信じられないぐらいの胸囲を誇る事になる、末恐ろしい子 -- 名無しさん (2014-08-17 08 10 04) ↑おそらくJカップ(98)はあるな・・・(ゲス顔) -- 名無しさん (2014-08-17 13 37 34) ↑オリヴィエさんと何が違ったんだろう……他作品の理論で言うなら薬品とかわりとブラックな意見しか出ないんだけど……食生活……? -- 名無しさん (2014-08-17 13 51 00) ↑事故が原因で生殖機能が無かったみたいだからホルモンバランスが悪かったんじゃね -- 名無しさん (2014-08-17 14 09 08) ↑なるほど、オリヴィエさん側の問題と見ることもできるのか -- 名無しさん (2014-08-17 14 10 34) とりあえずぶちのめしてからの話し合いってのはしっかり受け継がれたようだな -- 名無しさん (2014-08-17 17 09 30) なれ合いがいつの間にかレズになるってところも -- 名無しさん (2014-08-17 23 19 52) 司書の資格持っているくせに内部で暴れんなよ。ご都合主義で何とかなったけど、普通は出入り禁止だぞ -- 名無しさん (2014-09-22 19 57 13) ↑まぁ、不可抗力というか正当防衛だしな -- 名無しさん (2014-09-22 20 21 57) まどマギのマミとコラボしてほしい -- 名無しさん (2015-01-27 23 46 23) CMで喋ってたけど声こんなんだったっけ -- 名無しさん (2015-01-28 00 10 08) ↑アニメ始まるからStS見返してるけど声変わってないよ -- 名無しさん (2015-03-12 20 42 35) ↑変わってないのか……俺の耳がおかしいだけならそれで良いけど -- 名無しさん (2015-03-12 20 46 27) なのはとフェイトに自分の年ぐらいの頃からやんちゃしてたと言ってたけど、あれはやんちゃってレベルじゃないと思う・・・ -- 名無しさん (2015-04-10 09 15 59) ↑なぁに、本人がもう2~3歳くらい小さいときに空中戦艦の制御ユニットやったり、なのはさん19歳相手に反抗期の親子喧嘩(違う)のすえ、躾(違う)のためのSLB直撃喰らったりしたんだからあれくらいはやんちゃの範疇なんだろ、多分。 -- 名無しさん (2015-04-10 09 47 11) 「さらに余談~」のとこの場面、アニメだと普通におぱんつが見えてたな -- 名無しさん (2015-04-10 22 44 20) ↑↑↑あれはやんちゃのレベルじゃないよなw -- 名無しさん (2015-04-11 17 01 10) あの世界物騒だから、案外あのレベルの事件が複数起こってるのかもしれない -- 名無しさん (2015-04-11 17 05 07) 異世界だから倫理なり常識なり -- 名無しさん (2015-04-11 17 06 17) 「StrikerS」において、まさかの螺旋丸を披露。もしかしてヴィヴィオのオリジナルである聖王(もしくはその先祖)って・・・。 -- 名無しさん (2015-05-04 02 40 45) そもそも、ヴィヴィオがなのはとフェイトの子供時代のやんちゃを誰から聞いたんだろう? -- 名無しさん (2015-06-01 13 04 04) ↑多分はやてか、クロノとか大体当時の事を知ってる人じゃないかな。フェイト絡みだと最有力候補はクロノだが -- 名無しさん (2015-06-02 16 58 07) ↑↑無限書庫になのはと付き合いの長い司書長がいるじゃないか -- 名無しさん (2015-06-02 17 09 44) ↑ ↑↑なるほど、サンクス -- 名無しさん (2015-06-02 17 48 36) ↑ついでにヴィヴィオ結構一人で地球に遊びに行ってるらしいからハラオウン家や高町家の面々、あとすずかやアリサからも魔法関係ない日常の(本人達からしたら)こっぱずかしい思い出語られてる可能性も高い。 -- 名無しさん (2015-06-02 18 02 18) 本当に親に似たなぁと思う -- 名無しさん (2015-06-02 18 14 27) ヴィヴィオをヒルデ魔法学院に通わせるのってさ、秘密裏に作られたイエスのクローンをバチカン直営の学校に入れるようなもんじゃないの? -- 名無しさん (2016-02-06 15 23 54) ルーフェン編でも指摘された体質の不向きと、それでも続けていきたいと思う理由と…色々これからって感じだなぁ。てか槍が向いてるのかヴィヴィw -- 名無しさん (2016-05-23 09 28 21) 同門の先輩がボコられても「友達になりたい」って言えるのはすごいと思ったけど、「過去にリンネ以上の絶対強者の全力全開を受け止めてる」って意見に妙に納得した。 -- 名無しさん (2016-11-13 11 29 09) まさかのデンプシーロール披露。 -- 名無しさん (2016-11-20 01 07 00) 貴方が倒れるまで殴るのを辞めない! -- 名無しさん (2016-11-20 01 09 45) 「打たれ弱い」って言われてたけど魔王の全力全開のスターライトブレイカー受けても立ち上がったのを知ってたら「どこが打たれ弱いんだか」って思うわ。 -- 名無しさん (2016-11-20 08 52 26) ↑あれ聖王状態だから耐えられただけで力ほとんど失ったViVid以降は弱いんだろ -- 名無しさん (2016-11-20 09 01 23) ↑ 精神面での話で聖王云々関係ないだろ。 -- 名無しさん (2016-11-20 14 39 16) ところでヴィヴィオが好きな人ってロリコンになるのかな? -- 名無しさん (2016-11-20 23 58 10) ↑頑張ってる子供が嫌いな大人がいるか? -- 名無しさん (2016-11-21 01 02 20) 見事数多のフラグを折った活躍はさすが魔王の娘だった、もうかつての弱い自分は決別したんだな。 -- 名無しさん (2016-11-22 17 04 52) ぶっちゃけ前作主人公を無碍には扱えない大人の事じょ……ゲフンゲフン。実は前作でもあまり勝ち星が多くないのは内緒だ。 -- 名無しさん (2016-11-30 11 16 39) 最終話のED映像を見るに、リンネとも仲良くなれた様で何より -- 名無しさん (2016-12-25 21 46 32) 2016年、マガジンのデイズ うたプリ見たら 初めてヴィヴィオと出会いました。 強そう -- 名無しさん (2017-05-12 06 13 13) 俺がヴィヴィオに出会えたのは、闘牙王とフーカちゃんのおかげ。 -- 名無しさん (2017-11-24 19 16 45) vivid完結しました。 しばらくお別れかな? -- 名無しさん (2017-12-30 17 34 17) 今更vividを読んでたけどSLB食らっても立てるのか…っていうかあれって防げるものなのか…? -- 名無しさん (2018-10-09 15 30 57) さらっと書いてるけど両親てwww -- 名無しさん (2018-11-01 11 52 38) クロノの義理の姪にしてプレシアのある意味大姪でもある。だが自分の大叔母がどういう人物だったかを知る機会は永遠に無いかもしれない -- 名無しさん (2021-06-28 12 09 18) なのはになついた理由が膨大な魔力にひかれたって灯りにたかる羽虫みたいな無慈悲さ好き -- 名無しさん (2021-09-15 05 17 27) 変身したときはだいたい15~17歳くらいの見た目かな?あと核からの切り離しのあたりのシーンが某作品の「きついの行くから歯を食いしばれ」を思い出した -- 名無しさん (2023-12-14 07 03 29) 名前 コメント
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夏休みに入る直前、高町恭也、美由希、なのはの三兄妹は、自宅の居間で父親の士朗に頼みごとをされていた。 「北海道に行けだって?」 大学一年生の黒髪の青年、恭也は困惑する。夏休みは恋人の月村忍とデートの予定がすでに入っていたのだ。 「急な話で悪いんだが、実は昔の知り合いがファミレスの店長をやっていてな。今度の夏休みに人手が足りなさそうなんで貸してくれと……」 心底申し訳なさそうに、士朗は顔の前で両手を合わせる。 「翠屋はいいの?」 三つ編みに眼鏡をかけた高校二年生の女の子、美由紀が首を傾げる。高町家は商店街で喫茶店を経営している。忙しいのはこちらも同じはずだが。 「ああ。家の心配はしなくていい。バイトの子たちもいるから、どうにかなるだろう。向こうも別にフルにシフトが入ってるわけじゃないから、お前たちはついでに北海道旅行を楽しんできなさい」 「私も行っていいの? ユーノ君は?」 小学三年生の栗色の髪をツインテールにした少女、なのはが顔を期待に輝かせる。 「ああ、もちろんいいぞ」 「やったね、ユーノ君」 なのはが足元にいるフェレットに声をかける。 「でも、子どもたちだけで旅行なんて」 母親の桃子が苦言を呈する。 「恭也と美由希はもう大人だし、なのはだってしっかりしてるから平気だよ」 「父さん……もしかして母さんと二人っきりになりたかっただけじゃ?」 「そ、そんなことはないぞ」 士朗が慌てふためきながら弁解する。どうやら図星のようだ。 (よかったね、ユーノ君) (うん。残りのジュエルシードが北海道にあるってわかって、困ってたからね。まさに渡りに船だよ) なのはが他の人に聞かれないよう念話をユーノに送る。フェレットの姿をしてるが、ユーノの正体は魔法世界の住人だ。 なのははユーノとともに、危険な魔法のアイテム、ジュエルシードを人知れず封印している魔法少女なのだ。現在、なのはが持っているジュエルシードは三個。後十八個集めなければいけない。 こうして、高町兄妹は北海道へと旅立っていった。 北海道に着くなり、高町兄妹は目的の店へと向かった。 北海道某所、ファミレス、ワグナリア。 「店長の白藤杏子だ。よろしくな」 事務机に座った二十代後半の女性が告げる。髪を肩口で切りそろえたクールな雰囲気の女性だ。 「よろしくお願いします」 三兄妹が元気よく挨拶する。恭也は白いシャツに蝶ネクタイと黒いズボン、美由希となのはは白いシャツに黒いリボンとミニスカートをはき、エプロンをつけている。これがこの店のフロアの制服だ。 なのはは別に手伝わなくてもよかったのだが、本人の強い希望で、社会見学の名目で許可された。 ちなみに動物は入店禁止なため、ユーノは外で待機している。 夏休みに入り、バイトやパートたちがこぞって旅行や遊びに出かけてしまったのが、ワグナリアの人手不足の原因だった。 「ところで、宿泊先も白藤店長が用意してくれるという話でしたが、それなら別のバイトを雇った方が安上がりだったのでは?」 恭也が質問した。宿泊費にバイト代もちゃんと払う約束になっている。 「それなら、大丈夫だ。ほれ」 杏子は恭也に宿泊先の地図と鍵を渡す。 「ここのマネージャー音尾は、行方不明の妻を捜して旅に出ていてな。当分家に帰る予定はないから、好きに使っていいそうだ」 「………………」 つまりこのファミレスは責任者不在ということか。赤の他人を自分の家に泊めるというのも不用心な話だが、マネージャーは長い旅暮らしの為、貴重品はすべて持ち歩いているらしい。 「杏子さんはお父さんとどうやって知り合ったんですか?」 続いて、なのはが質問した。住んでいる場所も年齢も違う士朗と杏子の接点が、どうしてもわからない。 「ん? 私が高校生の頃、戦ったことがあるんだ」 「お父さんと?」 父親の士朗は、現在は引退しているが、小太刀二刀御神流の達人でかなりの実力者だ。恭也と美由希も幼少より習っているが、まだ父親の域には達していない。 「じゃあ、杏子さんも強いんですね」 「さあな。だが、お前の親父は強かったぞ。後にも先にも、私の釘バットを真っ二つにしたのは、あの男一人だ」 「釘バット?」 なのはには聞き慣れない単語だった。てっきり杏子も剣術を学んでいると思ったのだが。 「知らないのか? バットに……」 「白藤店長、それ以上の説明はいりません。なのはも気にしないでいいからな」 恭也が引きつった顔で、なのはを杏子から遠ざける。どうやら杏子は昔ヤンキーだったようだ。 「それと、最初に言っとくが、仕事に関して私は一切助言しないので、そのつもりで」 「それは見て覚えろと?」 随分厳しいファミレスだと、恭也と美由希は驚く。 「いや……あんまり仕事しないから知らないんだ、私」 「……恭ちゃん。この店、大丈夫かな?」 「さあ」 恭也も美由希もいきなり不安を感じていた。 「なので、仕事に関しては、こいつに訊いてくれ」 杏子に呼ばれ、ボリュームたっぷりの髪をポニーテールにした元気な女の子が事務室に入ってくる。どう見ても小学生くらいだ。 「私、種島ぽぷら。よろしくね」 「よろしくね、ぽぷらちゃん」 近い年齢の子がいると知って、なのはが喜んでぽぷらの手を取る。 どうして小学生が働いているのか不思議に思ったが、尋ねる前に杏子とぽぷらが話を先に進めてしまう。 「では、種島。他のメンバーの紹介をしてやってくれ」 「はーい」 恭也たちはぽぷらに連れられて、仕事場へと向かった。 フロアからは客席が一望できる。お昼時を過ぎて暇な時間帯らしく、客席には人がまばらにしかいない。その中を一人の制服の女性が動き回っていた。 長い髪に優しげな笑顔の美人だった。女性はてきぱきと慣れた様子で仕事を片づけていく。 その姿を見て、恭也たちは冷や汗を流す。 「ねえ、恭ちゃん。あれ、刀だよね?」 「ああ、間違いない」 女性の腰には日本刀が吊り下げられていた。それが歩くたびに、がしゃがしゃと音を立てている。 客たちの反応は二種類だった。まったく刀を気にしていない者と、不安そうに刀から目を離せない者。一人の勇気ある若者が質問しようとしたが、女性の笑顔に結局何も言えなくなってしまう。 「あれがフロアチーフの轟八千代さん」 「……あの人がチーフなんだ」 仕事を終えた八千代が恭也たちの方にやってくる。 「あら、あなたたちが新人さんね。杏子さんから話は聞いてるわ。これからよろしくね」 「よろしくお願いします」 三人並んで頭を下げる。すると、否応なく刀が目に入る。 「あの……どうしてチーフは帯刀しているんですか?」 「実家が刃物店なのよ」 答えになっていないと思ったが、口には出さなかった。 「ちょっと見せてもらっていいですか?」 興味津々な様子で、美由希が刀を指差す。美由希は刀剣マニアだった。 「お、おい、美由希」 「ええ、いいわよ」 恭也が止めようとするが、八千代は気にせず刀を美由紀に渡す。 美由希は刀身に息や唾がかからないようハンカチを口にくわえる。本当は懐紙でやるのだが、ないので代用している。慎重な手つきで、刀を鞘から抜く。摸造刀ではなく、ちゃんと刃のついた真剣だった。 美由希はうっとりとした様子で刀身を眺める。実戦を想定した質実剛健な造りで、観賞用の刀にはない迫力がある。 美由希の顔が少し引きつった。この刀、明かに使用した形跡がある。それも一度や二度ではない。刀を鞘にしまい八千代に返す。 「あの、八千代さん。八千代さんも剣術を習ってるんですよね?」 「いいえ」 「じゃあ……」 いつ使ったのか訊こうとするが、八千代は邪気のない満面の笑みを浮かべている。 「いえ、何でもありません」 先ほどの客と同様、結局美由希も何も言えなかった。 そして、恭也は、 「……あれがありなら、家でも試してみるか? 常に帯刀しているだけでも修行になるし」 新たな修行法を真剣に模索中だった。 「八千代、ラーメンできたぞ」 「はーい」 真っ白なコックの服を着た金髪の男がキッチンから顔を出す。長身で顔もいいが、どうにもヤンキーっぽい。かすかに香る煙草の匂いからヘビースモーカーであることも窺える。 「この人がキッチン担当の佐藤潤さん」 「よろしく」 佐藤は不愛想に挨拶する。こちらに興味がないのか、それきり厨房に戻ってしまう。 「ちょっと怖い感じの人だね」 美由希が言うと、ぽぷらは首を振った。 「そんなことないよ。そりゃ、ちょっと意地悪だけど、佐藤さん優しいよ」 ぽぷらは背も低いし力もないので、仕事の大半を佐藤に手伝ってもらっている。仕事を頼む時、佐藤は嫌な顔一つしない。 「……そうなんだ」 美由希はコップが置かれている棚を見上げた。確かにぽぷらの背では、踏み台くらい持ってこないと届かないだろう。 「ぽぷらちゃんは、どうして小学生なのにバイトしてるの? お手伝い?」 「小学生じゃないよ! 私、高校二年生だよ!」 「嘘、私と同い年!?」 衝撃の告白に美由希が驚く。 身長は、なのはより少し高いくらい。なのはと同い年と言われた方がよほど信じられる。しかし、よく見ると身長とは不釣り合いに、胸がやけに膨らんでいる。 美由希は自分の胸と比べてみて、 「ごふっ!」 取り返しのつかないダメージを受けた。 「おい、どうした?」 「お姉ちゃん、しっかりして」 「大丈夫ですか?」 倒れかける美由希を、恭也、なのは、ぽぷらの三人が支える。その時、美由希の腕がぽぷらの胸に当たった。腕に返ってくる柔らかい感触。それがとどめだった。 (……あ、本物だ) 美由希の意識は、深い闇の底へと沈んで行った。 休憩室の椅子を並べて簡易ベッドを作り、そこに美由希を寝かせた。 恭也は杏子に向かって頭を下げる。 「すいません、白藤店長。いきなりご迷惑をおかけして」 「まあ、今日は制服合わせと顔見せだけのつもりだったから問題ないが、高町姉は何か持病でも?」 「いえ、健康そのもののはずなんですが……長旅で疲れたのかな」 恭也としても首を傾げるしかない。 「ん……」 そこで美由希が目を覚ました。 「大丈夫か?」 「高町姉。体調悪いなら、無理しなくていいぞ」 「大丈夫です。ご心配おかけしました」 美由希は頭を振って立ち上る。あの身長の相手に負けたのはショックだったが、もう気持ちの整理はついた。それにスタイルならば、杏子の方が圧倒的だ。 「私、お水貰ってきます」 なのはが厨房へと走っていく。 「うおおおおおおおおお!」 その後すぐ、謎の雄たけびが響いてきた。 「なのは!?」 恭也は血相を変えて、なのはを追いかける。 「あはははははは! か-わーいーいー!」 眼鏡をかけた男が、左脇にユーノを抱えて、右手でなのはの頭を撫でまわしていた。 至福の表情を浮かべて撫でまわしてくる男に、なのははどう対処しようか困っていた。 男が変態であると恭也は即断定する。 「妹から離れろ!」 変態を取り押さえようと腕を伸ばす。しかし、変態は逆に恭也の腕をつかみ返し、関節を極めようとしてくる。どうやら変態は、護身術を習っているようだった。しかもかなりの熟練者だ。 恭也は必死に腕を振り払い、距離を取った。 御神流は、小太刀だけでなくあらゆる状況を想定した鍛錬を行っている。格闘技も下手なプロより強い自信があるが、相手は素手に特化した達人だ。負けはしないが、少々手こずるかもしれない。 「いきなり何するんですか!」 「黙れ、変態!」 変態の抗議に、恭也は怒鳴り返す。 「やめなさい!」 甲高い声が二人を仲裁する。ぽぷらが息を切らせて、二人の間に割って入る。少し遅れて美由希もやってくる。 「もう駄目だよ、かたなし君。いくらちっちゃい子がいるからって、いきなり撫でまわしたりしたら」 「すいません。あまりの感激に、つい我を忘れて……」 ぽぷらにたしなめられ、変態が素直に謝る。 「高町さんも駄目だよ。同じバイト仲間に暴力振るったら」 「バイト仲間? こいつが?」 「初めまして。小鳥遊(たかなし)宗太、高校一年生です」 変態が礼儀正しく一礼する。 「“しょうちょうゆう”とか、“ことりあそび”だとか言われますが、タカナシです!」 珍しい名字に苦労しているのか、やたら力説してくる。 「高町恭也だ」 「高町美由希です。名字だと兄と被るので、気軽に名前で呼んで下さい」 先ほどのやり取りを見ていない美由希が、笑顔で小鳥遊に挨拶する。 「……年増か」 二人を見て、小鳥遊が吐き捨てるように呟く。 美由希のこめかみに青筋が浮かんだ。 「八千代さーん。もう一度刀貸してもらっていいですかー?」 「落ち着け、美由希!」 「離して、恭ちゃん! 女には殺らなきゃいけない時があるの!」 いくら小鳥遊が強くても、刀を持った美由希なら一刀両断できる。恭也が美由紀を押さえている間に、小鳥遊は更衣室へと行ってしまう。 「ごめんなさい。かたなし君は重度のミニコンなんです」 ぽぷらが申し訳なさそうに謝る。ちなみにぽぷらはどうしてもタカナシと発音できず、かたなしと呼んでしまう。 「ミニコン?」 恭也も美由希もロリコンしか知らない。 「病的にちっちゃいものが大好きで、十二歳以上の人を年増扱いするんです」 「それはロリコンと違うのか?」 「いえ、ちっちゃいものが純粋に好きなだけで、恋愛感情とかは特にないみたいで……」 子供や小動物だけでなく、虫や微生物まで小鳥遊はこよなく愛する。 「ふーん。世の中にはいろんな人がいるんだね」 ユーノを取り戻したなのはが感心したように頷く。 「白藤店長」 「どうした、高町兄妹」 恭也に呼ばれ、杏子が歩いてくる。 「すいません。今日はもう帰っていいですか? 他のメンバーはまた後日と言うことで」 「? ああ、別に構わんぞ。どれ、高町姉の具合も悪そうだし、私が車で送って行ってやろう」 「ありがとうございます」 口で礼を言いながらも、恭也の顔は引きつっていた。こんな変態の巣窟に、なのはを一秒たりとも置いておきたくなかった。 目次へ 次へ
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リリカル遊戯王GX番外編 「最強! 華麗! 究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)~後編~」 『グウウウウウウウウウ…』 唸りと共に、生暖かい吐息が高町なのはの顔をなでる。 3つの首が、6つの青い目が、じっとその顔を見つめていた。 青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)。デュエルモンスターズ史上、最も偉大なドラゴン。 強さ、雄雄しさ、神々しさ…全てを内包したその巨体が、なのはとフェイトの目の前にあった。 動けない。 見開いた目は、まばたきすらできない。口を開け、声を発することすらできない。 怖い。 そんな感情を抱いたのは、もう何年ぶりのことだろう。 どんな巨大な敵にも、臆せず立ち向かってきた。どんな辛い目に遭っても、迷わず前進してきた。 だが、この敵は違う。 身体中の全神経が警告を発している。勝てないと。どう足掻いても、人間にどうこうできる相手でないと。 否、それだけならば、まだ無謀なりに戦いを挑むこともできただろう。 それだけでなかったのが問題なのだ。 勝てる勝てない以前に、怖れている。目の前の敵を。 怖い、怖い、怖い…怖くて怖くてどうしようもない。恐怖が身体をしばりつける。 エース・オブ・エースは、完全に目の前の究極竜に圧倒されていた。 「ワハハハハ! どうだぁぁぁ!」 眼下のカイバーマンが、再びあの高笑いを上げる。 「これぞ史上最強にして、華麗なる殺戮モンスターの姿だ!」 攻撃力4500、守備力3800。今までの低レベルモンスターとは明らかに次元の異なる力。 かつてデュエルモンスターズの頂点に君臨した「三幻神」すら脅かす力。 「ククク…最強のドラゴンを前に、臆して声すら出ないか」 図星を突かれても反応することすらできない。それほどまでに、なのはは追い詰められていた。 「ならば、その身でとくとその力を味わうといい!」 青眼の究極竜の3つの口が光を放つ。 全てを破壊する滅びのバーストストリームが束ねられ、巨大な光球と化した。 「アルティメットバァァァァーストッ!!!」 爆音が轟いた。 これまでに経験したことのない熱量と質量が、圧倒的な破壊力となってなのはの元へと殺到する。 「なのはっ!」 間一髪で我に返ったフェイトが、なのはを伴ってその一撃を回避した。 アルティメットバーストは虚空を直進し、僅かにアカデミアの校舎を掠める。 校舎のガラスが、衝撃波で次々と粉々に砕けていった。 恐ろしい破壊力だ。やはり見かけだけではないということか。 仮にアカデミアの全ての人間がこの場にいたとしても、青眼の究極竜ならば全て灼き殺すのに数分とかかるまい。 『ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーッ!!!』 3つ首の竜王は、再びあの雄たけびを上げた。 「なのは…大丈夫?」 フェイトがなのはを気遣うように言う。 自身もあの圧倒的な力を前に戦慄していたというのに、大した気丈さだ。 同時に、なのはの中に1つの疑問が生まれた。 何故フェイトは回避行動を取れたのに、自分は1歩も動けずにいたのか? 感じていた恐怖は、なのはもフェイトも同じはずだった。ではそこにあった差は何だったのか。 あの時、自分が感じていたのが、恐怖だけではなかったとしたら…? (…あぁ、そうか…) その仮定が脳裏に浮かんだ瞬間、疑問は全て氷解した。 自分は、恐怖故にその身を縛られていただけではない。もっと別の感情が、同時に自分をあの場に押し留めていたのだった。 「…ふつくしい…」 思わず、呟いていた。 なのはは究極竜に恐れを抱くと同時に、その姿に見惚れていたのだ。 全身から発せられる、凄まじいまでの殺意と尊厳、そして力。 戦う者が持つべき全てを凝縮した、正に究極の戦士の姿。 青眼の究極竜は、なのはの中に宿る武士(もののふ)の心を揺り動かしたのだった。 「えっ…?」 事情を理解できないフェイトは、怪訝そうな顔をしている。 「…ごめん、フェイトちゃん。少しだけ、私のわがままに付き合ってくれる?」 『Exceed mode.』 レイジングハートの声が響き、なのはのバリアジャケットが変形した。 「なのは…?」 突然の全力解放に、フェイトは戸惑いも露わな声を上げた。 「どうしても、あのドラゴンと戦いたくなった!」 戦ってみたい。 敵わないにしても、自分の力がどこまで通じるのか試してみたい。 10年以上に渡って磨き続けた自分の魔法に、究極のドラゴンはどう応えるのかを見てみたい。 何より、自分は1人ではない。ならば… 「力を貸して、フェイトちゃん」 2人ならば、どこまで行けるのか。 なのはの瞳からは恐れが消え、異界の神にふれた喜びと、未体験の戦いへの高揚感に満ちていた。 「…止めても無駄なんでしょ?」 やれやれといった様子でありながらも、その顔に浮かぶのは穏やかな笑顔。 フェイトもまた、バルディッシュをザンバーフォームへと変形させる。 「行くよ、フェイトちゃん!」 「ええ!」 2人のエースが、巨大な竜目掛けて突っ込んだ。 「ククク…そうだ、そうでなくては面白くない! 迎え撃て、究極竜!」 カイバーマンもまた歓喜の声を上げ、青眼の究極竜へ指示を出す。 向かってくるなのは達は二手に分かれ、なのは上方、フェイトは下方から肉迫した。 3つの頭それぞれが滅びのバーストストリームを放ち、2人の魔導師を狙い撃つ。 両者はそれらの間を縫うように、素早い動作で避けていく。 「はあぁぁぁっ!」 遂にフェイトが敵の懐へと到達し、バルディッシュの金色の刃を振り下ろした。 対する究極竜は、その太く長い尾をしならせ、閃光の戦斧を殴りつける。 「くぅぅっ…!」 青眼の究極竜の尾は、びくともしなかった。 守備力3800を誇る竜鱗は、普通に斬りつけた程度では到底貫けるものではない。 加えて、その筋力だ。尾の形を成した巨大な塊は、じりじりとフェイトの身体をバルディッシュごと押していく。 一方のなのはは、3つ首の正面まで迫ると、真っ向からレイジングハートを構え、魔力をチャージする。 「ディバイィィィーン…バスタァァァァァァーッ!!!」 掛け声と共に、極太の魔力の線が、ドラゴンの頭目掛けて放たれた。 『グオオオオオオオオオオオッ!』 無論、黙って喰らってやるほどこの究極竜は穏やかではない。 中央の頭がバーストストリームを撃ち、ディバインバスターと激突させる。 先ほどのスバルと異なり、威力は完全に拮抗状態。桃色と水色の波動が、空中で正面衝突していた。 そこへ、右の頭から追撃のバーストストリームが撃ち込まれ、バランスは崩壊する。 2つのエネルギーは接触面で大爆発を起こし、なのはの身体を突風で煽った。 更に左の頭が、駄目押しのバーストストリーム。 「きゃああぁぁぁぁぁっ!」 辛うじてなのははプロテクションを展開したが、その衝撃全てを相殺するには至らず、盛大に吹き飛ばされる。 否、そもそもこの防御が成功したこと自体が偶然だった。次も同じように守れるはずがない。であれば防御は捨てるしかない。 (フェイトちゃん!) 普通にやり合っても勝てないという当然のことを再認識し、なのはは念話でフェイトを呼び戻した。 (どうするの、なのは!?) 巨大な尾から逃れつつ、フェイトは合流を急ぐ。 (1人1人の攻撃では、どうやっても傷1つつけられない…なら駄目もとで、一点同時攻撃しかない!) (…分かったわ、やってみましょう!) 遂に2人は並んで宙に浮き、なのははデバイスを構え、フェイトは左手を突き出す。 『Load cartridge.』 カートリッジが3つ連続でロードされた。両者の足元に、桃色と金色の魔法陣が浮かぶ。 この時、フェイトは確かに横目で見ていた。 なのはの顔に、かつてシグナムとの模擬戦で垣間見せた、凄絶なまでの笑みが浮かんでいたことを。 高町なのはは、修羅と化していた。 「エクセリオォォォーン…バスタアァァァァァァーッ!!!」 「トライデントスマッシャアァァァァァァァァァーッ!!!」 桃色の一直線の波動と金色の3つの波動が、複雑に絡み合い、青眼の究極竜を貫かんと迫る。 「ほぉう…確かにそれならば、究極竜に手傷を負わせることもできるだろう。…だが!」 カイバーマンの声を、大爆発がかき消した。 凄まじい閃光が周囲に満ち、なのはとフェイトの視力を奪う。 光が晴れた頃には、そこにはあの小山ほどの巨体を持った竜の姿は、跡形もなかった。 「やったの…?」 信じられないといった様子でフェイトが呟く。 そうだ。これはおかしい。 元より、今の一撃で青眼の究極竜を倒せるなどとは思っていない。 そこから開いた突破口をこじ開け、撃破するつもりだったのだ。それが何故、こうもあっけなく姿を消したのか。 『…グオオオオオオオオオオオオオオオオオン!』 答えはすぐに判明した。 気がつくと、なのは達の背後には、あの青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)。 それだけではない。斜め右前に2体目、さらに左前に3体目が姿を現した。 「速攻魔法・融合解除を発動した!」 攻撃の寸前に分裂した3体の青眼(ブルーアイズ)が、完全になのは達を取り囲んでいた。 「ククク…十代はこのコンボで俺と青眼に敗れた。さぁ、貴様らはどう切り抜ける?」 余裕たっぷりにカイバーマンが問いかけた。 答えるまでもない。戦うだけのこと。 それどころか、この状況は、なのはにとっては正に望むところだった。あれだけで倒れてしまうようでは張り合いがなさすぎる。 「一斉射撃をお見舞いしてやれ、青眼!」 分かりきった答えを聞く前に、カイバーマンは竜達へ号令を出した。 三方向から、あの滅びの光がなのは達に迫る。 「フェイトちゃん!」 「分かってる!」 意志疎通を図るまでもなかった。2人は瞬時にその場を離れ、行き場を失った砲撃はぶつかり合って爆発する。 なのはは3体のうち1体に狙いを定めると、レイジングハートを構えて攻撃を仕掛けた。 「ディバイィィィーン…バスタァァァァァァーッ!!!」 再び放たれた桃色の光が、青眼の白龍を狙い撃つ。 『ギャオオオオオオオオオオオオオオオッ!』 直撃を受けた青眼の白龍は、苦しげな声を上げて悶えた。 融合を解除したことで、個々の守備力は今や2500まで落ちている。これならば、何とか1人でも対応できた。 『ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!』 と、背後から2体目のドラゴンの口がなのはへと殺到した。どうやら彼女を飲み込もうとしているらしい。 とっさにレイジングハートを支えにし、その口をふさぐものの、このままでは身動きが取れそうにない。 青眼の白龍は、凄まじいまでの顎の力で、なのはの身体を噛み砕こうとしていた。 「クロスファイア…シュートッ!」 なのはは右手から4つの魔力弾を放った。ドラゴンは苦しみもがき、彼女を吐き出す。 体内めがけて撃ち込むというあまりにあまりな攻撃法に、少々罪悪感を抱いたものの、そんなことは言っていられなかった。 一方のフェイトは、バリアジャケットをソニックフォームへと変形させ、最後の青眼の白龍へと迫っていた。 レオタードを思わせる軽装のソニックフォームは防御力を大幅に落とすが、 元々避けて当てるタイプのフェイトには大した問題でもない。 そもそも、今回は相手が相手だ。一撃でも直撃しようものなら、インパルスフォームでも即刻あの世逝きである。 『グオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!』 雄たけびを上げ、青眼の白龍はバーストストリームをフェイト目掛けて放つ。 「撃ち抜け、雷神!」 『Jet Zamber.』 バルディッシュから衝撃波が放たれ、バーストストリームを一瞬押し留めた。 続けて延長された長大な刃で、真っ向からその光を斬り裂きにかかる。 「はああぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」 気合いと共に突き出された刃が、滅びの光を掻き分け、遂にドラゴンの身を捉える。 『ギエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!』 強烈な斬撃を受け、青眼の白龍は鼓膜をつんざくかのような悲鳴を上げた。 なかなかのダメージを与えることはできたが、まだまだ戦うことはできるらしい。フェイトはバルディッシュを握りなおす。 「戻れ、青眼!」 と、そこへカイバーマンの指示が響いた。 すぐさま3体のドラゴンは、彼の上空へと引き返す。 なのは達もまた合流し、距離を置いて青眼の軍団と相対する。 「…よくぞここまで戦い抜いた」 カイバーマンからかけられた言葉は、意外にも賞賛だった。 「貴様らの力、そして闘志…この目でしかと見届けさせてもらった。まさか青眼をここまで追い詰めるとはな」 そこまで言い終えると、彼の口元がにぃと歪む。 「その褒美として、最大最強の一撃を以って幕としてやろう!」 カイバーマンはデッキから、新たなカードをドローする。 「ククク…十代と戦った時の俺では、よくてここまでが限界だった。 …だが、俺は最早あの時とは違う! 過去とはただの足跡に過ぎん! 装備魔法・再融合を発動!」 「馬鹿なっ!?」 オブライエンが叫びを上げる。 再融合はライフを800ポイント払うことで、融合モンスターを蘇生させるカード。この戦いで消えた融合モンスターと言えば… 「再び舞い戻れ、青眼の究極竜! 3体の青眼の白龍と共に…その怒りの業火で、全ての敵をなぎ払うがいいッ!!!」 悪夢。 まさに目の前の状況は、それ以外の何物でもないのではないか。 逆に言えば、これほどまでに分かりやすい「悪夢」など、そう簡単には存在しないのではないか。 ――ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーッ!!! 青眼の究極竜が咆哮する。 ――ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーッ! ――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーッ! ――ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーッ! 3体の青眼の白龍が合唱する。 なのは達の目の前には、6つの同じ顔があった。 ―青眼の究極竜― 攻撃力4500 防御力3800 融合モンスター ―青眼の白龍― 攻撃力3000 防御力2500 通常モンスター ―青眼の白龍― 攻撃力3000 防御力2500 通常モンスター ―青眼の白龍― 攻撃力3000 防御力2500 通常モンスター 合計攻撃力、13500。 最早ありとあらゆる手立てが、まったくの無意味だった。 今更ライオットフォームを起動したところで、何の足しになるだろう。 今更ブラスターモードを発動したところで、何が変えられるのだろう。 絶対的な力、恐怖、絶望。 否、それらの言葉で語ることが、もはや無意味であった。 最も尊いドラゴンが3体に、神にも等しきドラゴンが1体。 こんな状況を、言葉を尽くして語ろうというのが馬鹿げている。言葉はそこまで高尚なものではない。 なのは達は覚悟を決めた。 「よくぞ俺にこの手を使わせた。…ククク…今一度褒めてやろう」 「どうも」 冷や汗を浮かべながら、なのはは皮肉を返す。 「では、これで終わりだ! その力を示せ、青眼の竜達よ! この世の全てを打ち砕く、絶対的な破壊をもたらしてやれ! バーストストリーム6連弾ッ!!!」 6つの頭が、一斉に光を撃ち出した。 なのは達の一点射撃を再現するかのように、バーストストリームが混ざり合い、1つとなる。 大気さえも焦がすかのような攻撃。否、最早攻撃ですらなかった。 これは天災だ。 4体の竜によってもたらされた、避けようのない天災だ。 (来る!) なのは達は固く目をつぶる。 「――トラップ発動! 攻撃の無力化!」 一瞬と経たず、2人の女性を残らず蒸発させるかと思われた一撃は、しかしその手前で押しとどめられた。 「――マジック発動! 光の護封剣!」 続けて、青眼の白龍達を、天から降り注ぐ無数の光剣が遮る。 「…これは…?」 なのは達は目の前のことについていけず、思わず周りを見回した。 ふと下を見ると、そこには、2枚のカードをデュエルディスクにセットした十代の姿。 「十代君…!」 「へへっ、危ないところだったな」 元気に笑うと、十代はカイバーマンへと視線を向ける。 「もういいだろ、カイバーマン? 勝負はなのはさん達の負け、アンタの勝ち。アンタも満足できたみたいだしな」 「チッ…余計な真似を」 カイバーマンは不満げに反論する。 「どうかな? ホントは、俺ならこうするってこと、分かってたんだろ?」 挑戦的な笑みを浮かべ、十代が問いかけた。 「フン…」 それに答えることなく、カイバーマンはなのは達を見上げた。 「見事だったぞ、異世界の女。十代達と同じ、デュエリストとしての意志…見せてもらった。 貴様らがこの先その意志を絶やすことがなければ、元の世界に戻ることも可能だろう。…できるな?」 「もちろん!」 なのはもまた、笑顔で応じるのだった。 (いや…あのまま行くと、なのはが鬼になっちゃうような…) 一方、修羅の表情を垣間見たフェイトは、何故か脳裏に般若の面を浮かべながら苦笑いするのだった。 「おのれぇぇ…迷惑なことしてくれるじゃないか…」 オレンジ色の影が、冒頭のアルティメットバーストの流れ弾をモロに受け大変なことになっていたのは、また別の話。 スバル「ねぇねぇ翔、ものすごくカッコイイロボットのカードがあるって本当?」 翔「え? それってひょっとしてステルスユニオンのこと? いやぁ~照れるなぁ~」 剣山「誰も丸藤先輩のことは褒めてないザウルス…」 次回 「勇者王対決! スバル対スーパーステルスユニオン!」 なのは「当然そんな話はないからね♪」 スバル「え~…」 単発総合目次へ 遊戯王系目次へ TOPページへ